ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~   作:与麻奴良 カクヤ

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102 第二十九話 最後の頑張り

「ただ、なんだよ!?ね、兄ちゃん?」

 

子供達の一人が姉ちゃんと言いそうになり慌てて言い直しジークの声が小さくなっている事を突く。

 

「ただ、動き過ぎて、この鏡の囲い(ミラーフレーム)を維持する事以外何も出来ないんだ」

 

ジークの役立たず宣言に子供達も開いた口が塞がらない。

 

「そうか、これを壊せばお前は何も出来ないのか」

 

鏡は物理的障害を阻むだけであって中の声も外のジャンゴに聞こえていた。

 

逆の外の声も中に聞こえていて。

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ———————!!!」

 

「ど、どうすんだよ!?」

 

「このままじゃ殺される!!」

 

子供達三人が慌てふためく。

 

カヤも不安な状況に顔色が悪くなっていくがジークは安心させる様に言う。

 

「言ったはずだ。この鏡を維持するだけの余裕はあるって。問題はどうやって外のジャンゴを倒すかだが俺がお前らを守っていれば後はお前らのとこのキャプテンがどうにかしてくれるだろ?」

 

別にウソップでなくもゾロでもルフィでも良かったのだかウソップの名前を使ったのは気遣ってだ。

 

「そうだな。キャプテンが何とかしてくれるはずさ!」

 

「キャプテ~~ン!!おれたちはここですよ~~~!」

 

「助けて~~~~!」

 

声を上げ始める子供達三人、カヤは木に寄りかかって苦しそうにしている。

 

「(俺や子供達は良くてもお嬢様がヤバそうだな。早くしてくれよ)」

 

ジークはカヤの心配をする。

 

いざとなったら屋敷まで抱えて走ることも考えるジーク。

 

その後に来る疲労を考えて顔をしかめる。

 

外ではジャンゴが鏡を壊そうと奮闘中、子供達は声を出し続ける。

 

ものの数十分が何時間にも感じられる。

 

遂に均衡が破られた。

 

遠く離れた場所で新たな乱入者が現れた。

 

「そこまでだ!催眠術師!!」

 

ゾロの声だ。

 

ウソップもいる。

 

ゾロが担いで来たのか自分で立っていない。

 

その時、気が緩んだのか鏡が割れた。

 

「あ、危ねぇ。一歩遅かったな!さてお嬢様を———っていねぇ!?」

 

ジャンゴがゾロを振り向いていた隙にジークがカヤを楽な方法、俗に言うお姫様抱っこで抱えカラカラの体力にも関わらず力を振り絞って逃げる。

 

「クソ、だがあいつはもうフラフパヴぅグぅ!!」

 

ジークとカヤを追いかけようとしたジャンゴを妨害したのは子供達であった。

 

フラフラなジークが稼げた距離は大した事なくゾロもまだ遠く間に合わない。

 

ジークは剃を使わないいけないか?と考える始める。

 

「もう、終わりだあああぁぁぁ!!!」

 

ジャンゴがジーク、が抱っこしているカヤに飛びかかる。




始めのプロットでは簡単にジャンゴを倒して終わりだったはずなのに………どうしてこうなった。

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