ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~   作:与麻奴良 カクヤ

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86 第十五話 頭回らず

ここの地形に一番詳しいウソップは海賊が攻めてくるのはこの海岸だという。

 

「ここから村に入るルートは一つだけこの坂道だけ、あとは絶壁だ」

 

確かに十メートル程の高さの絶壁に囲まれて一本だけ人が十人が並ぶのが限界くらいの幅の坂道があるだけだ。

 

「つまりこの道さえ死守しきれば村が襲われる心配はない」

 

「そうか。簡単だな」

 

「口で言うのはな!」

 

いや、多分難しい事を考えずにここを通さなければ良いって作戦が簡単で分かりやすくていいて意味だと思う。

 

「お前ら何が出来る?」

 

「斬る」

 

「伸びる」

 

「盗む」

 

「跳ね返す」

 

「逃げる」

 

「「「「お前は戦え!!!!」」」」

 

四人中戦えるのがルフィとゾロ二人、守る事に特化した俺が一人、戦えそうのないナミとウソップ二人。

どうしようか?

もうルフィとゾロの二人を敵陣に突っ込ませて殲滅、運良く抜けて村に向かおうとするのを三人で撃退これでいんじゃね。

 

 

 

結局ウソップの案で坂道に油を撒いて手間取っている所をブチのめす作戦を考えた。

 

「逆にこっちが落ちなきゃ良いけどね」

 

やめろ、それは確か——って言うんだっけ?

 

「お前よくこんなチョコザイな事思いつくな」

 

「そりゃそうだ!俺はチョコザイ事とパチンコにかけては絶対の自信がある!!」

 

そんな事に自信を持つな。

でもこの作戦にはパチンコの遠距離攻撃はピッタリじゃないか。

 

とここで太陽が登り

 

「夜明けだ。来るぞ」

 

一睡もせずに日が明けた。

こいつら三人とも途中で寝てたからな。

「夜明けってのも本当かどうか分からないから海岸を見張っておこう」と言い出したのは誰だ?

俺がどれだけ頑張って起きていたかも知らずに寝やがって!!

俺、頑張ったから休めないかな?

もう眠い。

 

そんな事を考えてる内に数分が経った。

海賊は影すら見えない。

 

「来ねぇな。朝なのに」

 

「寝坊じゃねえのか?」

 

そんな訳あるかお前らじゃないんだし。

 

とナミが耳をすませて

 

「ねぇ、気のせいかしら?北からオーって声が聞こえるの…」

 

「そう言えば北にも海岸合ったっけ。俺達の舟も泊めているしな」

 

眠いせいで頭が回らず気付かなかった。

 

「北にも上陸地点はある。ま、まさか………」

 

「おい!どうした?」

 

「場所間違えたのか?」

 

俺とナミの会話を聞いて他の三人も気づいた。

 

「密会していたここだと思ったのによ!!」

 

「不味い、私達の舟が置いてある場所よ!私のお宝がぁー」

 

ナミが悲鳴をあげてルフィが

 

「二十秒でそこに行く」

 

と言い残して走って行った。

 

それに続けてウソップと俺も続く。

 

緊急事態も合って後ろで怒っている事は気付かなかった。


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