ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
時は経ち夜の海岸に俺達とウソップは集まっていた。
「おれは噓つきだからよ。はなから信用されるわけがなかった。おれが甘かったんだ!」
「甘かったって言っても海賊は来ちゃうんでしょ?」
急に話し始めたウソップは自分が甘かったと叫ぶ。
そして決意した。
「でも、村の皆はまたいつもの平穏な毎日が来ると思ってる。だからおれはここで海賊を返り討ちにしてこの一件をウソにする。それが噓つきとしての通すべき筋ってもんだ!!!」
海賊と戦うと決意した。
そこで俺は気づいた。
ウソップの腕から血が出ている事に。
あの野郎、いつケガした。
放っておいたら傷口から腐るかもしれないんだぞ。
俺は持っていた荷物から緊急用救急箱を取り出し始めた。
「銃弾を腕にぶち込まれようと箒で追いかけまわされようと……。ここはおれが育った村だからよ!おれはこの村が大好きだ!!おれは皆を守りたい。わけわからんうちに皆を殺されてたまるか!!!」
ウソップは泣いて守りたいと言った。
そこまで言われたら俺達は
「とんだお人好しだぜ。子分引き離して一人出陣とは」
ゾロが
「よし、おれも加勢するぞ!」
ルフィが
「言っとくけどお金は私の物よ」
ナミが
「攻撃は苦手だけど村には足一歩入らせない防御には自身がある」
俺が
俺達全員がウソップの手伝いをすると言った。
「え…………?お前ら一緒に戦ってくれるのか?な、何で?」
「何で?って敵は大勢いるんだろ?」
「怖えって顔に書いてるぜ」
「一人で海賊団相手に戦える程強くないだろ?」
ルフィ、ゾロ、俺の順番で理由を言った。
ナミは何も言わないのかい!
「お、おれが怖がってるって?敵が大勢だろうが何だろうがおれは平気だ!なぜならおれは勇敢な海の戦士、キャプテン・ウソップだからだ!!」
足が震えてもまだ強がりを言う。
「見世物じゃないんだぜ!同情するなら帰れ!!」
「笑っちゃねぇだろ。立派だと思うから手かすんだ」
「同情なんかで命かけるか!」
ゾロとルフィが力強く言う。
「お、お前ら…」
ウソップは俺達の加勢をやっと受けた。
俺は消毒液を持ってウソップに近寄り
「さ、まずはその腕の傷を治療してからだ」
傷は銃弾を掠っただけで消毒をして包帯を巻くだけで良かった。
弾を取り出さないといけないとかだと俺には難しいからな。
ナミはまだ何も言わない。
一体どうした?
ウソップの治療も終わり作戦会議に移る。
ここの地形に詳しいウソップが頼りだ。
日は落ちて随分と経つが月はまだまだ姿を現したばかり、夜はまだ明けない。