ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
「そうか、それであなた達のキャプテンが村に走って行ったのね。でも良かったじゃない海賊が来るって先に分かって。敵もマヌケね。逃げればいい話なのに」
ナミが子供達に話すと持って逃げる物を考えながら急いで村に帰って行った。
「やっべえ!肉屋が逃げる!!」
「そのことをなんだがルフィ少し待て。気になる事がある」
子供達が帰って話を聞かれてない事を確認し俺は気になった事を伝える。
「ナミさっきの話はどうもおかしくないか?」
「おかしい?敵がマヌケって話?」
「そうだ。計画を建てたのは計算高い事で有名だったキャプテン・クロだぞ。そんな獲物に計画聞かれてみすみす逃がすと思うか?」
「じゃあなんで…」
「クロにとって何かが良かったんだ。………何かが——」
計画を聞いたのはウソップとルフィの二人だけ。
村に伝える為に帰って来たのはウソップだけでルフィは眠らせられていた。
つまり、ルフィが伝えるよりウソップが村に伝えるからこそクロは見過ごした?
あいつは三年間もここに住んでいた。
当然ウソップの村での評判を—
「ウソップの第一印象はなんだ?」
「「「噓つき」」」
「それだ!もしかしたらクロはウソップが村に伝えても本気にされないってわかってたからウソップは見逃されたんじゃ」
「「「!!」」」
「ともかく村に戻って現状を確認しよう。俺の考えが間違ってるかもしれない」
村に戻る特に慌ただしく逃げる準備をしているようには見えなかった。
子供達もおかしいと思ったのか俺達を待っていた。
集まってそんなに時間が経ってない頃ウソップがトボトボと歩いて来た。
後ろを振り返って村を見て泣いてる。
「あ、キャプテンー」
子供達の誰かがウソップを呼んだ。
ウソップは涙をゴシゴシと拭いて俺達に向き合う。
「よ、よう、お前ら」
とこちらに挨拶したところでウソップはルフィが生きてる事でビックリしていた。
そう言えばルフィ崖から落ちたって言ってたな。
あの高さから首が地面に突き刺さる様に落ちたなら死んだって思っても可笑しくないか。
「そう言えばキャプテン!海賊が来るって聞きましたよ」
「そうです!早く逃げる用意をしましょう」
「皆に話しましょう」
「皆に…。——————はっはっはっはっはっは。何時も嘘に決まってるだろ。あの執事がちょとむかついたんで仕返しで海賊に仕立ててやろうとな」
「なんだ何時も嘘だったんだ。大惨事になるかと思ったな」
「でもいくらムカつくからってここまでしなくても。俺ちょっと軽蔑する」
「麦わらの兄ちゃんも髪の長い姉ちゃんもキャプテンの差し金か。」
ウソップは子供達を突き放した。
それよりも髪の長い姉ちゃんって俺の事か…俺しかいないもんな。
性別言っとくんだった。