ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~   作:与麻奴良 カクヤ

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新連載です。
文才ないですがやっていきたいです。
週一投稿の予定です


*第一編 ジーク  *第一部 ただ何もしない 東の海 *第一章 シェルズタウン、オレンジ村
72 第一話 俺の名は


カップに入っている黒い液体に集中、そして手に持った白い液体が入った容器を傾け少しずつカップに注いでいく。

段々、色が変わっていく。もうちょい、もうちょい。

 

よし、完成だ。これぞ究極飲み物。

 

「もういいのかい?しかし、そりゃカフェオレじゃねぇか。それくらい言ってくれりゃあ淹れてやるのに」

 

「カフェオレにはコーヒーとミルクの比率が曖昧だろ?俺好みの味を淹れるには俺以外には難しい。だから余分に払って自分で淹れ差して貰ったんだ。」

 

俺、ジーク・クリューギュロスはある目的の為に海賊をやっている。海賊と言っても俺を入れて二人。海賊旗も持ってないような新米海賊だが。

 

船長がある奴を仲間に勧誘する為、自由行動中にカフェに入り一息ついている所だ。

 

「まあそうだよな。お金を貰っているこっちの身からしたら特に問題はないがな。しかし今日は海軍基地の方が騒がしいな。お前さんも可愛い顔してんだら気い着けろよな。」

 

「わ、分かった。気を付けるよ」

 

俺はどうやら店主に女に思われているようだ。

 

何回目だろうか?この誤解は。

 

俺は店主が間違う程女に似ている。顔立ちや体は中性的でどっちかというと女に近い。が胸は無いし下は付いている正真正銘の男だ。

 

髪が腰まで届く銀髪のロングヘアと声が男性にしては高すぎるのが進んで女に見える様だ。

 

そんな容姿があって俺は初見では男と見られない。もう特に問題がない場合以外訂正するしない。いちいち訂正するといくら時間があってもたりないから。

 

それより先ほど店主が言った通り海軍基地が騒がしいと言う事は船長が暴れている様だ。ならそろそろ時間かな?

 

カップの中のカフェオレを飲み干してカウンターに置くとバックを持ち店を出る。

 

「ご馳走さん」

 

「おう!また来いよ」

 

元気の良い店主だったな。来いって言ってもまたこの島寄るだろうか?

 

カフェを出ると俺は市場に向かった。

 

海賊と言ったら海で航海するのが基本だ。特に頼まれた訳でもないが船長がそう言った所は全くと言って期待できないので俺がやる。

 

水や保存食料を買いながら手帳に値段と用途を記入する。

これは昔、仲間ではなかったが一緒に旅した奴がしつこく進めて来たので仕方なくしていたら習慣づいた。あいつも気に入った海賊に会えただろうか?

 

そうこうしているうちに買い物も終わり港に戻り出港準備をする。

四人も入れは狭い舟なので直ぐに終わり船長を待つ。

 

 

 

 

少し待つとやって来た。

 

麦わら帽子を被った少年と刀を三本ぶら下げた男だ。

 

「お、ジーク」

 

「目的は果たせたようだな。こっちは買い出しは出来ているぞルフィ」

 

先に声を掛けて来たのは俺が所属する海賊の船長であるルフィ。本名、モンキー・D・ルフィだ。麦わら帽子を被った少年の方だ。歳は俺より少し下らしい。

 

「お前がルフィの言ってたもう一人の仲間だな。ゾロだ。」

 

「『海賊狩り』のロロノア・ゾロか。」

 

この緑髪の剣士こそが俺がルフィから離れて一人でいた理由だ。縁があってこの島に偶然来た俺達は最近有名な『海賊狩り』が海軍基地に捕まっていると聞きルフィが興味を持った。

荒行時は出来るだけ避けたい俺はゾロの解放と勧誘をルフィに任せて一人でぶらついていた。

 

「俺はジーク・クリューギュロス。ジークが名前でクリューギュロスが家名になる。言っとくが男だからな」

 

「そのなりで男かよ!ともかく分かった。」

 

ゾロは直ぐ納得してくれて助かった。ルフィに話した時は髪が長い事を聞かれてこの髪型をやめれない理由を思い出して気分が悪くなった。

 

ホントにこの髪型にはウンザリだ。

 

 

 

 

 

今、海兵等に敬礼されながら出港している。

 

事の起こりは俺とルフィが出会うきっかけになったコビーという少年が原因になる。

 

 

アビルダという女海賊に殺されそうになっていたコビーをたまたま居合わせた俺とルフィが助けたのが始まりだ。

 

自分に会う海賊を探していた俺はその場でルフィに勧誘された。

その時にルフィが言った言葉こそが俺が待ち望んでいた言葉であった。

俺はルフィこそが待ち望んでいた海賊だと確信し承諾した。

 

ルフィの仲間になった俺だが行く当てもないそうなのでコビーの希望で海軍基地のあるシェルズタウンに降り立った。

 

コビーには夢があり海軍将校になる為にこの島の海軍基地に入る為だ。

 

 

そして現在、詳しい事情は知らないがコビーは無事入隊出来たそうだ。

 

俺達が出港する為お別れの挨拶に来た。ここまでは俺も予想が付く。しかし何故かその後この島の海兵がぞろぞろと集まり出港する俺達に敬礼しだした。

 

訳が分からない。俺がいない間に一体何があった。海軍に感謝されるなんて俺達が海賊だと知らないのか?

 

こうして俺達は海軍に敬礼されながら出港するという奇妙な体験をした。

 

ホントに何があった!?

 

 

 

 

あの奇妙な出港の後、ゾロが話し掛けてきた。

 

「そういやあさっき聞きそびれちまったがジークお前の名前変わってんな。」

 

「そうか?生まれた時からずっとそうだから違和感はないが他の人はそう思うのか。俺の家系はずっとこう名乗っているらしい。」

 

俺の名前は家名が後にくる。

詳しいことは知らない。

めんどくさい家名だと思っている。

 

「あー腹減った」

 

「大体ルフィ、お前が航海術を持ってないのはどうなんだ?」

 

「おかしくねえよ。ジークと会うまで漂流してたもんおれは」

 

「海にでるのに航海術を少しも持ってないこいつは置いといてゾロは海を賞金首を狙ってさすらってたんだよな。なら航海術を持ってるよな?」

 

ルフィが航海術を持ってない事はシェルズタウンに着くまでに分かったので今は俺が取り敢えず舟を近い島に向けている。

俺も一応航海術は持ってはいるが専門家には及ばない。

そこでゾロが持っていれば押し付け、交代制にしたい。

 

「いや、そもそも賞金稼ぎを名乗った覚えはない。ある男を探して海に出たら自分の村に帰れなくなっちまって仕方なくその辺の賞金首を狩って生活費を稼いでいた。」

 

「お前もルフィと同類か!?」

 

「なんだ迷子か」

 

「その言い方はやめろぉ!」

 

ちっ、この2人は使えない。このままじゃ遭難するぞこいつら

 

「このままじゃあグランドラインに入れないぞ。」

 

「そうだな。早いとこ航海士を仲間に入れないと」

 

「なんで?。ジークがいるじゃん?」

 

「俺はかじり程度の知識だ。専門家には及ばない。」

 

そのくらいだと通用しない。あの海は。

 

「あと音楽家とコックに…」

 

「後でいいだろ!」

 

「「あー腹減った」」

 

ルフィとゾロは二人して倒れた。

 

「そんな事しても食料は渡さないぞ。お前らに好きにさせたらいざって時になくなると困る」

 

こいつらの食いっぷりは呆れる。

今度買い出しする時はもっと多く買わないと

 

「お、鳥だ」

 

「割とでけえな。よし、食おう」

 

「は?」

 

俺が今後の食料の量を考えている隙にルフィとゾロは鳥を見つけたようだ。

 

「おい。いいのか?」

 

「別に自分で狩って食べる分は怒りはしなさ」

 

そう言って空を見上げると鳥に食われて連れ去られるルフィの姿が見えた。

 

「ぎゃー助けて~」

 

「「あほー!!」」

 

食おうと思って喰われるってなんじゃそりゃ!?

 

下は既に海だ。降りようにも降りれないはず。いくらルフィでも海に突っ込む事はないだろう。

 

ゾロは急いでオールを漕ぐ。俺はルフィを見失わない様に視界を前に向けた。

 

ちっ、こんな時に!

 

「おーい、そこの舟。止まってくれぇー」

 

「なんだ?」

 

「こんな時に遭難者だ。どうする?」

 

「舟は止められるか!おい、舟は止めねえ。勝手に乗り込め」

 

遭難者三人はゾロの声を聞くと根性で乗り込んで来た。

三人は乗り込んでくるなり舟を奪おうとした。

 

やれやれ、戦闘は苦手なんだよ。

ゾロ、助けてくれ。

 

 

 

結局、ゾロが三人をシメた。今はオールを持って漕いで貰っている。

ゾロが三人に事情を聞くと素直に喋ってくれた。

 

 

三人は商船を襲って三人が所属しているバギー一味が拠点にしている町に戻る途中で一隻の舟を見つけたそうだ。

近づくと女が乗っていて「遭難したので食料と水を分けて欲しい」と言ったそうだ。

三人は女が交換で宝をくれると知るとまずは宝の確認だと女の舟に乗ると自分達の舟が動いた。

女に騙されて逆に持っていた宝を舟ごと奪われたらしい。

その際「間もなくスコールが吹くでしょう。転覆に注意を」と言って去っていったらしい。

その後、女の予言通りスコールに会い見事転覆そのまま海を漂っていたらしい。

 

 

それを聞いたゾロと俺は遭難した方より原因を作った方に興味を持った。

 

「天候を操るみたいに海を知り尽くしているのかその女。航海士になってくれねぇかな」

 

「そうだなそこまでならかなりの専門家。仲間に入れたらグランドラインでも安心して航海できそうだな」

 

俺とゾロが気をそらしていると三人は慌てて相談していた。

そこにゾロは何回も出てくる名前が気になった。

 

「そのバギーってのは誰だ?」

 

「イーストブルーで高額な賞金首の内一人だ。その中で唯一悪魔の実を食っているらしい。」

 

「おぉ、アネゴは詳しんですね。」

 

誰がアネゴだ。面倒なのでそのままにしておくが…。

 

俺がバギーを知っている理由だがまぁ昔ある人から聞いたことがあるのとだたの情報収集で知った位だ。会った事はない。

 

取り敢えず俺達はそのバギーがいる島に向かう事にした。

進路も勝手にやってくれるのでラッキー。

 

 

そんなに経たずに島に着いた。

子供一人としていない。

海賊がいる町の典型的な状態だ。

多分近くに避難しているのだろう。

三人の案内でバギーの所に向かう。

 

バギーがいるという酒場に向かって歩いていると爆発音と建物が崩れる音が響いた。

 

「おい。この音は何だ!?」

 

「あ、はい。あれは多分バギー船長の特製バギー玉の音ですぜ。」

 

バギーは大砲好きだと聞いていたが自分の名前を入れる程とはな。それにさっきの音の大きさだとかなりの威力だと想定できる。

俺には防げないかもな。

 

そこで酒場の上に檻に入ったルフィが見えた。

大砲が向けられていた。

 

「ゾロ!先に向かってくれ。少し準備してから行く!」

 

「分かった。」

 

 

手に力を込めていつでも発動出来る様にしておく

急げ、間に合えよ。

 

屋上に上がるとゾロが腹から血を流していた。

ゾロは後ろを向いて逃げている。

ナイフが追っている。そこに割り込んで能力を発動する。

ナイフは俺が造った鏡に当たると反対方向に返った。

 

「「ジーク!」」

 

「悪い遅くなった。」

 

ルフィは檻の中、ゾロは負傷していたがそのまま大砲をバギーの方に向けると隣にいたオレンジ髪の女の子に点火を頼む。

俺は即座にこれからやることに気づき鏡を消す。

大砲を向けられたバギー一味は焦り始める。そしてバギー一味がいた所が消し飛んだ。

そのすきに逃げる。

オレンジ髪の女の子はうちの航海士だとルフィは言う。本人は泥棒だと言った。どっちでもいいからここから逃げるぞ。

俺が手伝って二人でルフィが入っている檻を運ぼうとすると一人の方が運び安いと言って傷口から血が噴き出るのを気にせず持ち上げる。

 

「ゾロ、やっぱり俺が…」

 

「お前の細い腕でこれが持てるか。おれはおれのやりたい様にやる。口出しするな!」

 

ゾロはそう言って一人で酒場から持ち出した後、結局俺も手伝い二人で運んだ。

二人でも結構重い。腕が千切れる。

 

 

酒場からだいぶ離れた場所でゾロが倒れた。血が足りないそうだ。

むしろここまで歩けたのがおかしい。

俺は腕が痛い。

 

ルフィが犬と喧嘩している。

ゾロが怒って傷口からまた血が噴き出る。あぁクソ。包帯など治療道具は舟に残して来た。取ってくるべきか?

 

そこに航海士(暫定)がやって来て助けてくれたお礼だと檻の鍵をくれた。

これでルフィを出せると一息入れた所で先程ルフィと喧嘩していた犬が鍵を食べてしまった。

鍵なんか食べて消化は大丈夫なのか?ってそんな事言ってる場合じゃねぇ。これだとルフィを出す方法がなくなった。壊すしかないか?ゾロは鉄を切れないだろうし困ったな。

 

ルフィが犬をゆすって鍵を吐かせようと頑張っていると体の所々点々に鎧を着た爺さんがやって来た。

この町の村長さんだそうだ。ついでに犬の名前はシュシュ。

 

ケガをしているゾロを村長さんの家に寝かせてもらった。

寝たら治るってどんな体してるのやら。

 

その後、村長さんからシュシュがここにいる理由を聞いた。

シュシュは海賊から主人の店であるペットフード屋を守る為にここにいるらしい。

村長さんはそのシュシュのエサをやりに来たそうだ。

シュシュは自身の身が傷ついても海賊からこの店を守り切った。

主人が亡くなっていても。

シュシュの主人は三ヶ月前に病気で亡くなったらしい。

シュシュは主人の言付けを亡くなっていると分かっていながら守っている。

 

……いい話だけど昔あの人から似たような話を聞いたことがあるような?

 




どこで切ればいいか分からないので適当に切ります。
そして初の五千文字越え

付けた方がいいダグや誤字脱字、こうした表現が良いなどありましたら報告お願いします。

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