″個性″という『呪縛』   作:kwhr2069

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投稿、遅れてしまいました。
申し訳ありません。
少し忙しくて...って、言い訳してちゃだめですね。
ごめんなさい。


では、気を取り直して。

第一章、スタートです!!


第一章ーvol.1

第五話

 

 

 学校。

 

 通学路。

 

 ボーダー本部。

 

 

 どこに行っても、僕は冷ややかな視線を向けられている。

 

 僕の"個性"のことが、もう皆に知れわたったのか。

 

 僕の近くにいたら、『洗脳』されてしまうとか言われているんだろうか。

 

 

 近寄るな、危険。ってか。

 

 

 特別な能力を持つ人からは、こうやって皆が離れていく。

 

 それが、『洗脳』とあらば、なおさらだ。

 

 異物は、社会からは除外されてしまうのだ。

 

 

 こうして僕は、独りになった。

 

 

 誰も救ってくれない。

 

 誰も手を差し伸べようとはしてくれない。

 

 

 孤独。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 目が覚める。

 

 ほとんど現実に近い夢。

 

 おそらく、今日外に出ればこういうことになるだろうと大いに推測できる。

 

 僕の"個性"は、それほどまでに衝撃的なものだ。

 

 『洗脳』。

 

 人を、自分の思いのままに操る。

 

 

 とんでもない貧乏くじをひかされた気分だ。

 

 そんなことを思いつつ、いやいやながら学校へ行く準備をする。

 

 

 学校では、僕の"個性"のことはもう皆に知られているのだろうか。

 

 『洗脳』される。なんて、噂になっているんだろうか。

 

 

 学校につき、教室に入る。

 

 途端、話し声が一瞬ぴたりとやむ。

 

 視線が僕の方へ向いているのを感じる。

 

 

 おぞましい周りからの目に耐え、ようやく放課後を迎える。

 

 この苦痛がこれから続くのかと憂鬱になっていると、何人かのクラスメイトが僕の方に来た。

 

 何だろうと思っていると、そのうちの一人が尋ねた。

 

 

「人見ってさ、"個性"持ってんの?」

 

 

 何ともド直球な質問。

 

 嘘はつけないと思い、うなずく。と、

 

 

 何人かで顔を見合わせた後、

 

 

「もしかして、洗脳系?」

 

 と一人が聞いてきた。

 

 

 やはり、もう知られていたか。

 

 

 しかし、僕が思っているほど事態は深刻ではなかったようで。

 

「なあ、どんな感じの効果なんだ?」

 

 興味ありげに聞いてきた。

 

 少し、拍子抜けというか。深く考えすぎていたのかもしれない。

 

 

 そこから、自分の個性について、少し話した。

 

 制限時間や発動条件、また、最近自分の個性を知ったことなど。

 

 皆、耳を傾けて聞いてくれた。

 

 どうなることかと思っていたが...取りこし苦労だったようだ。

 

 自分で、悪い方向に考えすぎていただけかもしれない。

 

 

 それから学校では、比較的皆とのコミュニケーションも取れるようになった。

 

 むしろ、ボーダー隊員でさらに個性持ちな僕に、前のように人が集まることもあった。

 

 ちょっと前は、人が集まるのは鬱陶しいとも思っていたが、今の僕にはすごくありがたかった。

 

 

 "個性"。

 

 それは、人を遠ざけてしまう要因になるかもと思っていたが、杞憂だった。

 

 

 

 

 しかし、それは学校での話。

 

 学校では、普通に会話する程度しか人と目を合わせることはないからまだいい。

 

 

 だが、例えば、他人との模擬戦は違う。

 

 しっかりと相手を見て、動向をうかがうことが必要だ。

 

 そこで、僕とガッツリ目を合わせてしまえば...。

 

 

 そう、僕は、ボーダー内では未だに問題児だった。

 

 目を合わせてしまえば終わり。

 

 

 そんな僕と、よこしまな理由で手を組もうとする人もいたが、そういう人を断っていると、僕は独りで浮いてしまっていた。

 

 

 困っていた時、救いの手を差し伸べてくれたのは。

 

 

 天珠ちゃんだった。

 

 

 彼女は、一つの助言をしてくれたのだ。

 

 

 それは、

 

 

「狙撃手に転向するのはどうですか?」

 

 というものだった。

 

 

 僕は、転向ができるということを知らなかった。

 

 そして、これまた知らなかったのだが、現在狙撃手の荒船さんという人は、元は攻撃手だったらしい。

 

 これらのことを初めて聞いた時、もうこれしかないと思い、すぐに狙撃手転向を決めた。

 

 自分のためにも、周りの皆のためにも。

 

 

 転向を天珠ちゃんに伝えると、『頑張ってください!』と言われた。

 

 本当に天珠ちゃんには助けられてばかりで、感謝しかない。

 

 

 その時に垣間見えた、少し悲しそうな表情がちょっと気になったけど。

 

 翌日から僕は、狙撃手としての道を歩み始めた。

 

 

 ただ、僕は知らなかった。

 

 

 一部の人たちの間で、『"個性"捨てるようなもんだろ、それ!もったいねえ!』と言われ、

 

 僕の転向が、軽い噂になっていたことを。

 

 

 それから、月日を経て。

 

 僕も、狙撃手の訓練にようやく慣れてきた。

 

 最初はできなかったことも、最近では上手くできるようになってきた。

 

 今日は、優星が入隊する日、C級隊員になる日だ。

 

 無事に入隊できるようで、良かった。

 

 天珠ちゃんも行くって言ってたし、野次馬がてら、応援しに行くか。




ということで、次に続きます。

シリアスな雰囲気??はでていたでしょうか。

少し鬱が入ると、読む側もつまんなくなっちゃうけど、書く側も楽しくないんですね。
初めて知りました。苦笑


それは、さておき。
次回は、源優星の目線から、この物語を書いていこうと思っています。

彼から見た、この世界。彼の秘めたる能力。

楽しみに待っていただけると、幸いです。

それでは、この辺りで。

感想、待ってま~す!
読んでいただき、ありがとうございました!!

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