普通に進められていますね。
本人が一番驚いています。w
それでは、第十話になります。天珠ちゃん目線です。
第十話
嵐山隊の人たちに助けてもらい、安全な所まで送り届けてもらった後。
私は、一人になった。
こんな時はいつもなら、弟がいるのに。今日は...いない。
「・・天...。どうしていなくなっちゃったの...。」
思わず言葉が漏れる。
次の瞬間、
私の目からは涙が溢れだしていた。
天のことを考えると、涙が止まらなくなる。
その時。
「どうしたんだ?お父さんとお母さんは?はぐれたのか?」
やさしく声をかけてきてくれたのは、中学生くらいの男の子。
気付けば、彼の服の袖を握っていた。
その子は、何か思うことがあったのか、
「ごめんな。お父さんとお母さんを探さないといけないから。」
と言い、離れていこうとする。
反射的に首を横に振る。
誰かがそばにいてくれないと、私自身が壊れてしまいそうで...怖かった。一人になることが。
「でも...。」
と彼は言い、言葉に詰まる。
その時。トリオン兵が突然現れた。
怖くなった私は、守ってもらいたくて、より一層彼の袖を強くつかむ。
すると、その男の子は、守ろうとしてか、私を強く抱きしめてくれた。
私は安心したのか、そこで意識が遠ざかっていった。
彼の雰囲気に、
どこか懐かしさを感じながら。
まだ、彼にはあれ以降会えていないけど、もし会ったら―――。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ふう~~~。」
ゆったりと湯船につかる。
突然だけど、私はお風呂が好きだ。
一人での~んびりいられる空間。
私だけに与えられた、特別なこの時間が好きだ。
風呂に浸かりながら、私はこれまでのランク戦の戦いを振り返る。
何と言っても一番は、ユウくんの大活躍だ。
ランク戦のほとんどの得点はユウくんが稼いだ。出水さんのレクチャーのおかげだと思う。
マリちゃんも人見隊の最年長者として、オペレーターとして、皆をしっかりまとめてくれる。
ソウくんは、試合でのポイントこそあまりないけど、相手の対策をしっかりと練って、私たちが動きやすいようにしてくれている。
かくいう私も、個性を使いフィールド内を駆け回り、二人の援護などに駆けつける。
正直に言って、私たち人見隊の戦力は、かなり充実していると思う。
でも、B級中位にランクアップして、とうとう次からは相手も手強くなってくる。
次の対戦相手は、那須隊と、柿崎隊。
那須隊はガールズチーム。女子の私の目から見れば、すごくかっこいいと思う。
私たち人見隊と同じで、攻撃手・射手・狙撃手の三人編成。射手が一番点取り屋というところも共通している。
そういえばユウくんは、那須さんのトマホーク?を見て興奮し、『絶対に教えてもらおう!』って言ってたっけ。
・・・多分、無理だと思うけどな。
そして、柿崎隊。
万能手三人と銃手一人。中距離戦を得意としていて、今回の三チームでは唯一、戦闘要員が四人いる。数的優位に立たれたら厳しい戦いになるだろう。
もちろん柿崎隊長も強いが、それよりも怖いのは、
ナギちゃんだ。
まさか、こんなに早く対決することになるとは思っていなかったから正直、すごくびっくりした。
ここでふとソウくんの顔が浮かぶ。
負けられない!ナギちゃんにだけは絶対に!
気合を入れ、浴槽からあがる。
着替えをすませて、寝る準備をする。
そして、寝る前に、
弟が大好きだったライオンのぬいぐるみを抱きしめて、
「・・天。お姉ちゃん、絶対勝ってくるからね!」
そうつぶやいた後、私は眠りについた。
それからは、来るべき時に備えて対策を練り、戦術をいろいろ考えた。
そして、ランク戦当日。
おそろいの隊服を着た私たちは最終確認も済ませ、あとは転送を待つのみとなった。
ちなみに人見隊の隊服は、白を基調とし、所どころに紺色のラインが入った、シンプルなものだ。
ソウくんが皆を集める。
「今日は初めての中位チームとの戦いだ。正直、苦戦を強いられることになると思う。だけど、この四人でなら大丈夫だ!準備もしっかりやったし、ちゃんと戦えば絶対に勝てる!よし、行くぞ!!」
「「「オオオーーーッッッ!!!」」」
ソウくんの鼓舞で一つになった私たち。
さあ、勝負の始まりだ!
B級ランク戦、『人見隊VS柿崎隊VS那須隊』スタート!!!
ランク戦は、切りよく描きたいので、第十話はこんな感じに。
結構短めになりました。
天珠ちゃんの両親は、生きてます。天珠と一緒に住んでます、もちろん。
大規模侵攻の二人の件ですが、第九話の天珠の話を聞いて、操志はある程度気付いています。
が、天珠はまだ分かっていません。どうなることやら...。
次話のランク戦は、多視点から描く予定です。どうぞ、おつきあいください。
では。感想、コメント、お待ちしてます!
読んでくださり、ありがとうございました!!