私/俺のヒーローアカデミア   作:真暇 日間

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わたおれヒロアカ6

 

 今日は雄英の入試の日だ。この日のために色々と努力を重ねてきたし、失敗は許されない。どのくらい許されないかと言えば、断髪していないルーク・フォン・ファブレくらい許されない。あと、多分私も許されない。

 はっきり言ってかなり余裕だった。筆記試験はまあ普通に合格ラインに入っていたから心配することは無いんだけれど、問題は実技の方だ。

 開始直後、最近ようやくできるようになった時間を置き去りにする速度で走り出し、近場のロボ敵を一掃。とりあえず軽く200体ほど蹴り砕いたり殴り砕いたり発勁で爆砕させたり指で切り裂いたり貫手で中枢を抉り抜いたりした結果、まあ多分合格はできたと思うんだよね。

 ただし、私と同じ会場の人達の成績が振るうとか振るわないとかそう言うレベルじゃなくなってしまったらしい。かっちゃんに聞いてみたら102ポイントだって言ってたから、まあ間違いなくクリアは出来てる。私は200体は倒してるから、点数が期待値400なんだよね。

 それに、0ポイントのロボ敵もほっておいたら怪我人が出そうだと思ったから解体しちゃったし。ちなみに解体した0Pロボ敵は綺麗に並べて揃えて晒しておいた。ちょろいよね。

 

 ただ、問題はこんな簡単な物がテストになるのかと言う事だ。何か他の意図が隠されてるんじゃないかと思うんだけれど、ヒーロー的に考えるんだったらただ敵を倒すだけじゃなくて人命救助とかも必要だと言う事に気が付いてからは他の所をもっとよく見てみた。例えばそこにはロボ敵に追い詰められている人もいたし、それを助ける形で横取りする人もいた。私も、助けようとする人が居ない人を助けるために色々やったし、必要は無かったけれど助けてももらった。0P敵の解体もそれが原因だったしね。

 まあ、そんなこんなで雄英の入試には合格しました。しかも首席。やったね。

 ただ、それを知ったお母さんがぎゃん泣きして大変だった。流石に『物を引き寄せることができる個性』って説明してたのに、首席で合格とか予想もしてなかったんだろうね。

 嘘は言ってないよ? 私は『(握力で重力崩壊と同じ現象を引き起こすことでマイクロブラックホールを作り上げてその引力で)物を引き寄せる事ができる』し、それは私の個性による身体能力増加によって成されることだから、私は『物を引き寄せる事ができる個性』を持っている。

 その他にも『(筋肉の振動によって起きる大気摩擦の摩擦熱や身体機能の増幅によって得られた熱を使って分子に発火温度までエネルギーを与えて)火をつけることができる個性』や『(掌圧や拳圧などで空気を撃ち出して空気の弾丸や刃や盾を作るという形で)空気を操る事ができる個性』、『(肺の中にマイクロブラックホールを作って空気を大量に吸い込んでそれを一気に吐き出すことで無理矢理)大声を出す事ができる個性』もある。発火はなかなかやらないけどね。他の物に燃え移らせたあと制御しにくくて仕方ないし。

 括弧の中を黙っているだけで、どれもこれも一つの個性によって得られた身体能力によるものなんだから、嘘は言ってないよね。嘘を言うより質が悪いかもしれないけど。

 それに、身体能力を上げないと秘密倉庫に色々入れたまま動くことができなくなっちゃうし、最悪自重で潰れて死んじゃうから何にしても身体能力、特に頑丈さを上げるのは急務なんだよね。

 頑張ろっと。

 

 

 

 

 

 381ポイント。デクが入試で取った敵討伐ポイントの合計がそれだそうだ。

 はっきり言って意味がわからない。いや、『デクだし仕方がない』という考えもなくはないが、それを認めてしまうと俺よりデクの方が上だと認めてしまうことになる。

 それは嫌だ。認めない。認めたくない。俺とデクは同じ高さにいる。俺は特別で、デクも特別で、俺とデクが特別で、同じで、じゃなけりゃ一緒じゃなくなっちまう。

 幸いなことに、離れてはいても見えないほどじゃない。超人的な身体能力やどう考えても個性なしではできないようなことを当たり前にやってのけるような奴でも、その行動の基点にあるのはひたすら繰り返された訓練の賜物。俺も同じだけ、あるいはそれ以上に訓練を積めば追いつき、追い抜くことができる。できるに決まっているし、できなければいけない。

 つーか、やる。誰に言われたわけじゃない。俺がそう決めた。俺の言葉くらい、守って見せないとな。

 

 そう言う訳で今日も特訓だ。朝日が昇るまでに富士登山して、朝食までに下山して帰ってくるところから始めるとしよう。

 朝食が終わったら腹が落ち着くまでは教科書読んで、落ち着いたら体力作りと筋トレを一緒にやるために手足に重りをつけてランニング。初めは各5kgでもきつかったが、今だと20ずつでもいける。重りをつけたまま全力で走って、森の奥で個性の特訓。昼には帰って飯食って、今度は筋肉ぶっちぎる勢いで筋トレ。重量挙げで145いけるようになった。やったぜ。

 そして夜には風呂に入って、寝る。次の日は思いっきり休んで筋肉を超回復させて、そしてその次の日にはさらにきついメニューを。

 

 ……デク? ああ、あいつ最近分身して特訓と学校と俺の世話を同時並行でやってるから毎日常に特訓みたいな感じらしい。マジで意味わからない。ほんとに人間なのかあいつ。

 ただ、最近は負荷をかけられる道具を使おうとすると家とかが壊れると言っていたので、そのあたりをどうにかできるようにならないと強くなる速度は鈍っていくだろう。……瓶を指一本で切れるやつがこれ以上強くなってどうすんだとも思うがな。

 


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