死亡から始まる異世界ハーレム生活   作:小野寺キキ

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32話 白き蛇

全長3mの蛇のようなモンスターに奇襲をかけるべく、俺は剣を片手に攻撃をした。

しかし、モンスターに触れたと同時に、

ガッチィィィィインっっっっ!!!!!

という、騒音が辺り一面に響き渡った。

そのモンスターの少しの光を吸収し、無数の輝きを放っている氷のような鱗は鋼のように硬かったのだ。

まぁ、見た目通りだ。

それと同時に俺は重要なことを思い出す。

それは、俺の攻撃力が皆無に等しいこと....だ。

俺はこの時、自分の行動に悔いた。

どうして、エマやアリス、それにトライドに任せなかったのか。もし、任せていればこの状況をなんとか出来たんじゃないかと。

 

 

俺たちは今、非常にまずいことになっている。

なにがまずいことかというと、その鋼のような鱗を剣で叩いた時に生じたガッチィィン!!!という騒音でその蛇のようなモンスターが起きてしまったこと。

・・・これだけだったらどれだけ良かったものか......。

だが、この騒音で蛇のようなモンスターが起きただけではなく、この階層のモンスターたちがここへと集結し始めたのだ。

そして、現在、そのモンスターたちに360°取り囲まれてしまっている。

このまずい状況で焦っていた俺だったが、

 

「あっ!ユニークスキル〈火炎地獄〉で一掃すればいいのか!」

 

と思い始める。

・・・すると、

 

「俺様の領域に入るとはいい度胸じゃないか、人間」

 

と、その蛇のようなモンスターが話しかけてきた。

だが、俺は御構い無しに〈火炎地獄〉をぶっ放した。

 

「うんうん!最初からこうすれば良かったんだ!」

 

と俺は燃え盛るモンスターたちを見ながらそう言った。

 

「・・・ほほう。俺の話を聞かないとはいい度胸だな!人間!」

 

蛇のようなモンスターは「ぜぇぜぇ.....」と息を漏らしながら言ってくる。

俺は偉そうな奴だな。と思いつつ、〈火炎地獄〉の詠唱を開始した。まぁ、詠唱しなくても発動することできるけどね。

 

「・・・ふふふ。人間よ、なかなかやるな。それに免じて少し話ぐらい・・・」

 

「全ての炎を司る紅蓮の魔神よ。汝、我に力を与えよ.......」

 

「・・・えっ?なんで、詠唱なんかしてるの!?ねぇ!?!?は、話ぐら・・・」

 

「〈火炎地獄〉!!!!!!」

 

「ちょっ、待っ.....ウギャャャャャャャヤヤッッ!!!!!」

 

辺り一面、〈火炎地獄〉の炎で赤く染まった。

 

 

あら、やだ。この蛇 (蛇のようなモンスター、言うのが面倒臭いので、略して「蛇」)、失神してるんですけど。

 

遡ること数分前.......。

俺は、蛇が話しているのをわざと無視して、〈火炎地獄〉で攻撃していた。

だが、淡々と攻撃して倒すのもなんだか可哀想だし、しかも、ずっと無視するのも悪いし話でも聞くかと思った俺は、手前で〈火炎地獄〉を発動し、蛇には当てないようにした。

そして、話を聞こうと思って近づいたが、この有り様だった。

「人間よ。いい度胸じゃないか」とラスボス風に言うわりには、メンタルが弱いらしい。

そう思いつつ、蛇の顔を手でツンツンと突いていた。

 

ー 数分後 ー

 

蛇は眼を覚ました。

目覚めて早々、

 

「・・・人間よ、なかなかやるな。俺様の僕(しもべ)にしてやってもよいぞ!」

 

と言い出す。

・・・うざ。

俺はあまりにも蛇がウザかったので〈火炎地獄〉を詠唱を開始する。

 

「全ての炎を.......」

 

「す、すみませんでした。もう、偉そうにしません.....」

 

「うむ。それでよい」

 

そして、蛇との話し合いが始まるのだった。

 




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