あの大きなモンスターの正体が分かり、討伐に向かった俺たちだった。
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とりあえず、〈ジャイアント・トライド〉と遭遇した3階層の砂漠地帯エリアまで行くことにした。
ーーまた、あの暑いところを進むのか。トホホ・・・。
と思いつつ、進んだ。
暑いが1回通った道であったのでなんなく着いた。
俺たちは物陰に隠れ、〈ジャイアント・トライド〉のいた地点を見てみると、やはり移動したようでいなかった。
この近辺をうろついていると思い、もう少しこのエリアの探索した。
あれから、1時間以上が経過したと思う。
未だに〈ジャイアント・トライド〉とは遭遇出来ていない。
それに、水分補給のため持ってきていた水もとうとう無くなってしまった。
俺たちは仕方なく2階層まで戻ることにした。
2階層へと戻り、水を確保した。
・・・ん?なにやら、見覚えのある大きなモンスターが湖の水を飲んでいる。
ゆっくりと近づいてみる。
・・・やはり、〈ジャイアント・トライド〉だった。
俺たちはすぐに戦闘準備をした。
そして、整ったと同時に1.2.3の掛け声で〈ジャイアント・トライド〉の前へと出た。
俺は不意をつく形で〈ジャイアント・トライド〉に襲いかかった。
斬りかかったと同時に「痛ッ」という声が聞こえた。
俺は、エマとアリスになにか異常があったのか振り向いてみるが、特になにもなかった。
あれ?おかしいな、と思いつつ、再度、〈ジャイアント・トライド〉に斬りかかろうとする。
・・・すると、
「私ハ、貴方タチト戦ウ意思ハアリマセン」
〈ジャイアント・トライド〉が喋った!?
そんなことあるはずがない。モンスターが喋るなんて。
俺はさらに斬りかかろうとしたが、
「ヤ、ヤメテクダサイ」
と、〈ジャイアント・トライド〉の方から聞こえる。
やはり、喋っているのは「ジャイアント・トライド」のようだった。
俺は、念のため、周りにスピーカーとか遠距離から音を出すことができるものがないか探してみた。
だが、この異世界にはそんなもの存在するはずがなかった。
周りを不自然にキョロキョロしていた俺を疑問に思ったのかエマが「どうしたんですか?」と聞いてきた。
一応、エマに「何か声聞こえなかったか?」と聞いてみたが「なにも聞こえませんよ」と返事が返ってくる。アリスにも同じ質問をするが返ってくる言葉は一緒だった。
どうやら、俺にしか聞こえないようだった。
- ユニークスキル 〈会話術〉 の獲得に成功しました -
なにやら、ユニークスキルの獲得に成功したようだ。
俺はユニークスキル 〈会話術〉 の効果を見てみることにした。
このスキルはモンスターとの会話を可能にできる。だが、このスキルが適応するモンスターは魔力が高く、また知能の高いモンスターに限る、という効果だった。
なるほど、このスキルのおかげで〈ジャイアント・トライド〉と会話が出来ていたのか。
俺はいいことを思いついた。
その内容は、このスキルを使用して〈ジャイアント・トライド〉と会話でもしようじゃないか、というものだ。
案の定、〈ジャイアント・トライド〉には戦う意思がない。上手くことを丸め込めば、この場から引いてくれるだろう。
そう思った俺は〈ジャイアント・トライド〉とお話をすることにした。
俺は初めてのモンスターとの会話にワクワク、ドキドキしていた。まるで、子供が欲しかったものが手に入ったかのように。
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