死亡から始まる異世界ハーレム生活   作:小野寺キキ

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ご静聴のほど宜しくお願いします(o^^o)


01話 死亡〜転生

俺はごく普通の人生を送っている。

一応入るのが難しい大学を出て、そこそこの大手と言われている会社に入社し、現在は35歳。一人暮らし。彼女はいない。彼女いない歴=年齢だ。

自分で言うものなんだが、身長は低い訳でもなく、顔に至ってはそこそこイケてると思っている。だけど、モテない。何故だろう。一応、彼女を作ろうと努力した事もあった。何回か告白を試みたけれど、全てフラれた。そして、俺は心が折れた。もうこの歳だ。結婚なんて諦めている。いや、機会があれば是非・・・。

仕事が忙しいというのもあるが、そういう機会がない。別に居なくても困るものではないし、身の回りの事は自分で出来るし。言い訳してる訳じゃないからね?本当だからね?

何故俺がこんな事に考えていたかって?それは・・・。

 

「先輩!今度の休みに合コンに来ませんか?一人来れなくなっちゃって」

 

笑顔で話しかけてくる爽やかな青年。俺の後輩の西崎だ。10歳年下の25歳だ。

そう、合コンに誘われたからつい、考えてしまったのが理由だ。

何故、俺みたいなおっさんを誘うのだろう。

 

「先輩!どうするんですか?行くんですか?行かないんですか?もし、この機会を逃したら一生独身ですよ」

 

俺がこのまま独身で一生を終える事が心配らしい。余計なお世話だ。

しかし、この機会は滅多にない。彼の言う通り、これを逃したら一生独身かもしれない。

 

「おお。分かった。行けばいいんだろ行けば」

 

「そうこなくっちゃ!じゃあ、今度の休みの19時に会社の近くにあるカラオケ屋で」

 

そう言うと彼は去っていった。合コンなんて初めてだ。どんな服装をしていこうか分からない。俺はスマホを片手に調べはじめた。改めてスマホは便利だなぁ、と思った瞬間だった。

 

合コン当日。

俺は待ち合わせのカラオケ屋に入った。既に俺以外のメンバーは集まっていた。女子2人、男子は俺と西崎の2人だけだった。いや待て、これはおかしい。おかしすぎだ。女子が若過ぎるのだ。20代前半といったところだろう。

おっさん1人と若人(わこうど)3人。当然、俺はハブられた。そのまま相手にされず合コンは終わった。来るんじゃなかった。

 

「先輩。これからっすよ!これから!あ、ちなみに僕、あの右側にいる子と今度、デートする約束したんですよ」

 

西崎は上機嫌だ。そんな彼に俺はイライラしていた。普通、先輩の俺を気遣って話を進めてくれるものだと思っていた。しかし、それがなかった。

 

「ふーん。そうか」

 

俺は西崎の言葉に対し空返事で言った。

 

「「「キャァァァァァァアアーーーーーーーーーーー」」」

 

悲鳴が聞こえる。

何だ?一体何が起きている!!?

 

「どけどけー!どかねぇと殺すぞ!!!」

 

その声がした方を振り向く。顔にはマスク、手には包丁、そして、全身黒ずくめの男がこちらに向かってくるのが見えた。

逃げようとするが足が竦(すく)んで動けない。

 

「先輩!どうしたんですか?早く逃げましょう」

 

西崎は俺を心配して引き返してきた。

仕方ないだろ。足が竦んで動けないのだから。

「どけどけぇぇぇぇぇええ!!!」

 

男は既にそこにいた。このままでは西崎が危ない。

俺は西崎を突き飛ばした。

 

ドスッ!俺の背中から全身にかけて焼けるような痛みが走ってきた。

・・・痛い。

 

「先輩!」

 

西崎は叫び声をあげながら駆け寄ってくる。

どうやら、怪我はなさそうだ。良かった。安心した。

こんな奴でも俺の可愛い後輩だ。

 

「しっかりしてください!だ、誰か早く救急車を」

 

今にも泣きじゃくりそうな顔で俺を抱えた。変な顔だな。俺は笑いたかったがそんな気力どこにもない。

 

「・・・先輩。しっかり、しっかりしてください」

 

「・・・心配するな。それよりもお前今、顔が面白いぞ」

 

西崎は少し苦笑いにした。それでいい。お前の泣き顔なんて見たくない。

 

「・・・そ、そんな先輩だって面白い顔してるじゃないですか」

 

「・・・俺はいいんだよ」

 

声を出すのが辛い。だんだん痛みが感じなくなってきた。

・・・寒い。もう死んでしまうのだろうか。

 

「先輩。しっかり。もうすぐ救急車が来ますから。」

 

声が遠い。それに目が霞んできた。

 

「・・・・・・先輩・・・・・・先輩・・・・・・先輩・・・・・・」

 

もうダメだ。

俺は最後の力を振り絞った。

 

「・・・・西崎・・・・ありがとな」

 

そう言うと俺は目を閉じた。

 

大野健(おおのたける)35歳。童貞。独身。1人暮らし。彼女いない歴=年齢。

今、彼の35年間の人生は幕を閉じ、そして新たに幕が開かれる。

 




ご視聴ありがとうございます( ^ω^ )

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