ガンダム0082鉄黒の狼   作:木乃 薺

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一週間に一回じゃなかったです、すみません、出来るだけ更新していきたいです


ジャブローへ

レイン少尉の秘密を知ってから数日が過ぎた、体の方も特に以上はなく、現場に復帰することができた

そんなナキ少尉の元にサニー隊長がやって来た、復帰祝いと次なる指令を伝えに

 

「ジャブロー基地…ですか……」

伝えられたナキ少尉は少し驚き、考えながら隊長の伝えた基地の名を復唱する

「そうだ、お前の乗っていたジム・カスタム性能実験機のデータ輸送のためにジャブロー基地に向かう事となった、それにジオンのあの襲撃部隊、彼らがジャブロー基地を襲撃する可能性があるとの情報が入った」

それを聞いた瞬間、ナキ少尉は立ち上がり、隊長はそんなナキの目を見て頷き

「君なら反応すると思ったよ、あのゲルググか?」

「………自分は彼らの事を知りたいです……過激派連邦じゃない、終戦して、もう戦う必要のない彼らが何故戦っているのか……」

ナキ少尉は自分の目を見て言う隊長に力強く頷きながらそう答えた、あのゲルググ……そしてゲルググのパイロットのあの少年……ナキ少尉は彼のジオン残党兵という存在を、彼らの戦う意味を知りたいと思っていた

「おいおい、隊長さんよ、俺は嫌だぜ?隊長さんだってわかってんだろ、あいつらの強さは異常だ、作戦を選ぶのも隊長の権利なら、その責任や重みはちゃんとわきまえてんだろうな、ナキもレインの坊主が寸前で助けに入ったから生きてっけど、次にあいつらとやり合って生きてる保証ねぇんだ、わかってんのか」

立ち上がりナキ少尉と同じ目線になったフライ中尉はナキ少尉を睨みながらそう言った、しかし、今までのへらへらとした言い方じゃない、それは警告だった

「自分はあのゲルググと戦いたい訳じゃないんです、これは自分なりの……一つのけじめみたいなものなんです、行かせてください」

ナキ少尉はその睨み付けるフライ中尉の目をまっすぐに見つめていた、その目には熱意や情熱以上にも強く強く人を動かす信念のようなものがあった

フライ中尉は睨む目を緩めてしまい、目をそらして背を向け

「……………勝手にしろ…」

そう言ってフライ中尉は出ていってしまった

ジャブロー付近旧基地跡

「………技術者ギニアス・サハリンか………良いだろう、彼を第一に脱出させろ、私は先に行って待っている、頼んだぞ、クロウ」

一人の車椅子に座る白衣の男は目の前の黒髪の少年に向かってそう言っていた

「はい、博士」

少年はまるで機械だった、あれをしろと命令されればそれを最速の手段で行うロボットのようなそんな光のない目だった

「フラッグ博士、私はメカニックと衛生兵として残ってはいけませんか?」

車椅子を押していた男は車椅子に座る博士にそう聞いた、その男は見た目は20代くらいに見える中々の好青年で博士に似た白い髪を持っていた、しかし、博士とその男は家族同士ではなく、博士が彼の髪色を気に入り、鉄黒の狼部隊に引き込んだそうな、元は衛生兵だったが、博士が技術を教えてメカニックとしても技能がついたのだった

「構わんよ、そろそろ自動可動システムの実験を行おうと思っていたところだ」

博士はそう言うと車椅子は誰にもこがれずに一人で走りだしシャトルの中へと消えていった

「僕の名前はウェルター・サッチー、ウェルターでいいよ、よろしく頼むよ、クロウ君」

その男はシャトルに博士が入ったのを確認してクロウの方を向いて手を差し出して握手を求めながら

「………………握手はしない、お前はお前の仕事を全うしろ、馴れ合いは不要だ」

クロウはそう言って相手の握手の手を払い背を向けて自分の機体の方に向かった

「あらら、つれないなぁ」

ウェルターは苦笑しながら撃ち上げられる脱出用シャトルを見ながらそう呟いた


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