ガンダム0082鉄黒の狼   作:木乃 薺

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奪取戦3

隊長のジムコマンドと離れた後にナキ少尉のジムカスタムと高機動ゲルググは睨み合っている

どちらか動けば戦いが始まる、先程までとはまったく違う

戦場で静寂が睨み合う二人のパイロットを包んでいる

しかし、そんな中で聞こえてくる頭にまで響くドクン、ドクンという心臓の音が聞こえる

ナキ少尉が聞けるその音の中に聞こえてくるのは

無邪気に笑う子供の笑い声だった

それをナキ少尉が理解した瞬間、目の前の高機動ゲルググはビームナギナタを構えて魂を刈るためにとりついた死神のようにコックピットを切り裂こうとしていた

…………………だめ!

頭の中に新しく響いた声は優しく透き通るような女性の声だった、その時、ゲルググの動きは一瞬だけ戸惑ったように止まり

「っ!させるか!」

それを見て、はっとした、ナキ少尉はゲルググのビームナギナタと自分の機体の間にビームサーベルを入れて押し込んで、顔の前で両者が刃を交えるような形で止まり

…………うざい……

また、子供の声、今度は鮮明に聞こえてくる、そしてその声はゲルググのコックピットから発せられている事に気がついた

「ま、まさか、君なのかゲルググのパイロット…」

思わず口に出してしまった、すると、相手のゲルググのビームナギナタを構える力は少しだけ緩んだ目の前で刃を交えているパイロットと自分の思いが通じ合っているような気がしたからだった

「聞こえているんだろう!ゲルググのパイロット!僕は戦いたくなんかないんだ!」

心で思っていることを言うと、高機動ゲルググは一歩踏み込み力を先程より込める

「な、なんでなんだ!」

ナキ少尉はそれに耐えるようにビームサーベルで攻撃を防いでいるが、相手のパイロットに叫ぶようにそう言うと

 

 

俺は……強化人間………戦って戦って

 

俺を作った博士の邪魔をするやつを排除する

 

 

頭の中に声が響いた、その声そのものは少年の声であったが声と同時に響いたイメージは少年が殺した連邦軍や反逆者の殺されるシーンだった

そのイメージは一気にナキ少尉の頭を恐怖心で埋め尽くして、操作をする腕が震え、ビームサーベルを握る腕の力は弱まり、押し負けてジムコマンドのビームサーベルを構えていた腕を切り落とされる

「…………終わり」

高機動ゲルググの少年の声が鮮明に聞こえて、ナキ少尉は為すすべ無く、恐怖心の中で殺される、そう思った瞬間

「そらそらそらぁ!ジオンの死に損ないが前に出るんじゃねぇ!!」

コックピットのマイクから勢いのある十代くらいの声がコックピット内を響いて、陸戦ジムに大きなバーニアを着けたジムが高機動ゲルググ向けてバズーカを撃ち、それをゲルググが慌ててビームナギナタでバズーカ弾を切断して後ろに下がる

そのジムには肩装甲の部分に連邦マークの十字の後ろにクロスマークがある過激派連邦軍の象徴マークが描かれていた

「あ、あのマーク………過激派連邦なのか?」

ナキ少尉が呆気をとられていると巨大な爆発音が聞こえて、新型高機動ガンダムが起き上がり

そのガンダムを守るようにジオンのマントからモノアイを覗かせる機体がバズーカを構えている

 

高機動ゲルググのコックピット内

 

「クロウ、アッシュ、マージ、セロント、作戦成功だ、博士も無事救出した、撤退だ」

隊長の声がコックピット内蔵の無線機で聞こえる

そのままクロウの乗るゲルググも奪取した機体を守るように周りにつき、デザートドム三機はスモークグレネードを投げて周りにつき、開発基地後を去った

「………あいつ、次は潰す………」

クロウと呼ばれる少年は高機動ゲルググのコックピットの中でそう呟いた




バトル書きづらいぃい、あとジオン側と連邦側の切り替えが難しい、直していかないとダメですね

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