ガンダム0082鉄黒の狼   作:木乃 薺

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奪取戦2

連邦軍開発基地

基地内の研究員も慌てていた、そんな中でも作戦隊長は研究長を先に逃がし、研究員や基地内で警備をする兵を逃がすために必死で指令を出している、その様子は作戦隊長の鏡とも言える状態であったが、その必死さが研究員たちの不安を煽り、基地指令部は混乱していくばかりだった

しかし、その老人だけは違っていた、車イスに座り目をつぶり眠っているようにも見える白衣を着た老人が居た

「何事だ、騒がしいな、研究者なら少しは落ち着いた行動ができないのか」

老人はお付きに車イスを押させながら作戦隊長のいる基地指令部にそう言うと、すっと声は途絶えた

「ナージ研究副長!ここにおられては危険です、すぐにでも研究長と共にこの基地を脱出してください!」

作戦隊長は副長の護衛に着くと言って逃げるつもりだった

しかし、ナージ副長は

「私は逃げも隠れもせん、逃げて生き延びたければ勝手にするといい」

まるで、心を読んでいるかのように言い当てる、いままで隊員を救うのに必死だった作戦隊長は冷や汗を流し目が泳ぎ始めるが必死に弁解をするように、相手を洗脳をするように言い訳をする

「な、なにをおっしゃっているので、ですか!わ、私は逃げようなどとは思っておりません!」

その様子は決して先程の作戦隊長の鏡のような人物とはかけ離れていた

「副長も早くジオンの奇襲攻撃を見てください!こんな状態で逃げないなんて命を捨てるようなものです!」

作戦隊長は少しだけ焦りから戻った自分の判断力を使い副長が今の基地周辺の様子を見れば先程のような減らず口も出ない、そして怖くなって逃げ出す、それに乗じて自分も逃げようという、生きるために大量の部下を見殺しにしようという事に罪悪感さえ感じずになっていた

すると、ナージ副長は呆れたようにため息をつき

「知っとるよ」

とだけ言い続けて

「私があのMSを作ったのだから」

と言った、その瞬間

マントからモノアイを覗かせる機体が指令部の壁を貫いていた

「じ、ジオンのイフリート………」

誰が言ったか分からないが震えたような声でそう言って

「案外、早かったな、お迎えご苦労だった」

ナージ副長はイフリートに向けてそう言うとお付きが車イスを押してイフリートに近づいていく

「ふ、副長!き、危険です!」

一人の研究員がそう言うがナージが座る車イスはイフリートに近づいていき、目の前で止まると、イフリートのコックピットは開き

「フラッグ博士、勝手な真似は困ります、こんなことをしなくても我々で成功できた物を…」

二十代から三十代くらいのジオンパイロットが出て来てナージ副長にそう言う

「すまんな、私も連邦軍の開発技術に興味があったが期待はずれだった、しかし、迎えに着たことは感謝する」

周りの全ての人間が状態を理解できないまま、ナージ副長と呼んでいた白衣の有力者はコックピットの中へと消えていきお付きの人物が置き土産として投げた高性能爆弾の爆破によって指令部の人間は皆、爆破の中に消えたのだった

 

開発基地周辺

サニー隊長たちの試験機部隊は奇襲を仕掛けて来たジオン奇襲部隊と交戦していたが、状況は劣勢の一言だった

「なんで旧世代のモビルスーツに攻撃一発も当たらねぇんだよ!」

フライ中尉はジムスナイパーⅡで援護射撃を続けるがデザートドムが起こす砂嵐によって標的はずれ、それ以前にその三機が発射する砲撃を避け続けなければ動かないただの的になってしまうため撃てるチャンスが少ない

「フライ中尉は避けることに専念しろ!そして隠れられる場所を探して、そこから援護射撃を開始してくっ!………ぐっ!」

サニー隊長はなんとか指揮を出そうと努力するが懐に入って来た高機動ゲルググに隙を突かれビームナギナタで斬られそうになるがビームサーベルでなんとか防御をするが防御をした瞬間蹴りを受けて高出力ジムは後ろに飛ばされる

「っ!!まるで、死神だな………」

サニー隊長はコックピットの中で汗をかきながら相手をしている物に恐怖を覚えた

ジムコマンドに高機動ゲルググがとどめを刺そうとしたその時

「はぁぁぁぁぁぁあ!!」

ナキ少尉が叫び、高機動ゲルググの腹部に思いっきりタックルをした

高機動ゲルググのパイロットである少年は突如の事態に少しだけ対応が出来なかったが、すぐに立て直しビームナギナタを構える

それに対をなすようにナキ少尉のジムカスタムもビームサーベルを構えて

「ナキ少尉!やつは並みのパイロットでは太刀打ち出来ない!君では無理だ!」

そうナキ・ナズナは地上戦は今回の作戦が初、宇宙戦とはまるで違う重力下の戦闘に馴れていないのだ、そんな人間が地上戦の中でも死神のように立ち回る並外れたパイロットとまともに交戦出来るはずもないのだ

「運動性能なら、このジムカスタムは新型ガンダムと同じ設計なんです、必ず………倒します」

ナキ少尉は隊長の声とは裏腹に落ち着いた声でそう言う、しかし、ナキ少尉の心臓は未知の戦場で未知の敵と対峙しているというだけで恐怖と焦りが脅しをかけるようにドクンドクンと鳴り続いている

「…………わかった、フライ中尉!俺たちでドムを倒す、援護を頼む」

サニー隊長はそう言って高機動ジムを起き上がらせてビームサーベルを構えて砂嵐の方に走らせていった

 




バトルの書き方がすごく難しいので見苦しいかもです、でも頑張って書きます

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