ガンダム0082鉄黒の狼   作:木乃 薺

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奪取戦1

一人の少年がコックピットの中から地球を見下ろす

0080の終戦協定からだろうか、全てが狂ってしまったのは、いや、もっと前からだったかもしれない

強襲用高機動ゲルググと呼ばれる機体の中で彼は地球に寄生する連邦軍を見下した

そして、彼は強襲部隊が降りて行くのを見ながら笑顔を浮かべる、少年が浮かべるような無邪気な笑いではなく、歯を見せて笑う悪魔のような笑みを浮かべていた

連邦開発基地

周りを砂漠に覆われるこの基地の周りに多くのMSや地上戦艦がジオンの奇襲に備えてビームスプレーガンや主砲を構え、待ち構えている

そんな中で、開発基地に最も近い場所で三機のモビルスーツが各々の武器を持っている

「初めての地上戦はどうだ?ナキ少尉、やっぱり重力下じゃ、機体が思うように動かんか?」

ジムコマンドを元にして作られた高出力ジムの隊長機のパイロットは30歳くらいだろうと思われる声で、たどたどしい操作をする一機の機体のパイロットに話しかける

「は、はい、でも、隊長たちの足を引っ張らないように頑張ります」

たどたどしい動きの、新型ガンダムの試験用に作られたジムカスタムは答える、その声はまだまだ若く、10代から20代と言った感じの声だ

「心配すんなよ、ナキ少尉、俺たちの仕事は表面上は新型機体による敵機との交戦によるデータ収集だが、あのMSの壁を越えられるやつはまずない、ま、地上に馴れるための練習だと思えば、気楽だろ」

へらへらとした、とても戦う人間ではないようなセリフをジムスナイパーⅡのパイロットは言う、声からして30代から40代と言った声だ

「まぁ、そうだな、だからと言ってフライ中尉みたく気を抜くなよ、ジオンの奇襲でわかっているのは、今日のこの時間に開始するという事だけなんだからな」

隊長機のパイロットはフライ中尉の所だけ強調して言い、敵機を待ち構えている

「かぁ〜っ、手厳しいねぇ、サニー隊長は、まぁ、お前が上手く動けなくても、俺たちがいるんだ、安心して自分の前だけ向いてろよ」

面倒くさがりだが決して悪い人ではないようだ、そう思いながらナキ少尉は自分の方向を見張る

すると、前方から砂ぼこりを巻き上げながら高速で接近する機体が微かに見えた

「高熱源体三機!こちらに近づいてきます!機体照合……ジオンのドム三機です!」

前の方で護衛するジム隊の一人がそう叫びながらジムのビームスプレーガンで応戦するが、相手のドムの色がデザート仕様のためか、見辛く狙いにくいため、なかなか当たらず

「う、うわぁっ!?!」

ジム隊は為す術なく、撃たれ、倒れていく、何体も何体も当たらない事に対する恐怖が増していき、上手く当てる事が出来ずに次々と倒れていく

「ちくしょう!何だってんだよ!あのドムは!」

ジムコマンドに乗った隊長は強化ビームスプレーガンを構えて撃つがなかなか当たらない

「ジム隊は下がれ!地上戦艦で蹴散らしてくれる!」

そう言って地上戦艦は主砲をドム三機がいる場所に向き、撃とうとしたその時だった、地上戦艦の上にマントを身に纏うモノアイが怪しく光り

「な、なんだ!い、いつからそこ………」

言い終わる前に戦艦全てに貼り付けられたチェーンマインが爆破し、戦艦は全て爆散していく

「なんなんだ!?MS母艦からMSをもっと出せ!こうなったら数で応戦するぞ!」

作戦指揮官はそう叫んだ、しかし、ナキ少尉はMS母艦の上空に大気圏から入ってくる物を見た、ミサイルのような形の物の中から何かが出て、脱け殻となったミサイルは母艦に向けて落ち

「MS母艦大破!?な、何が起きているんだ!?」

かなり居たMS部隊、地上戦艦、MS母艦、全てが破壊されて連邦の指揮官は混乱し、残ったのは三機の実験部隊しか残されていない

「クロウ、戦線に突入した……新型ガンダム奪取作戦を開始する」

少年は高機動ゲルググの中で、そう呟いた




文章能力もガンダムに詳しいわけでもない作品なので、本当のガンダムファンさん、本当にすみません、初めて出した作品なので、あたたかい目で見てくれたら、本当に嬉しいです

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