転生して気が付いたらIS学園で教師やってました。 作:逆立ちバナナテキーラ添え
被害者の会が増えるね!!
本編、行くゾ^~
「パーティー?」
「はい、織斑君のクラス代表就任を祝おうと思いまして」
石井なんだろうか?(疑念)
私は今、職員室で会議の資料作成の真っ最中です。いやぁ、こういう仕事にも慣れたものだ。さっさと仕事を終わらせて定時で帰ろう、そうしよう。帰ってFPSをしよう。タチャンカは……使わないです。(鋼の意思)
と、思っていたのだがそうもいかないらしいです。うちのクラスの子、相川さんが職員室に来て謎のパーティーに誘ってきたのだ。
まぁ、パーティーやるのはいいと思うよ?好きにすればいいし、寧ろ青春って感じがして石井さん的にポイント高いよ?でも、教師は誘わなくて良くない?修学旅行の夜、男子だけで猥談してたとしよう。その猥談に担任の教師がノリノリで参加してたらどう思う?え?それとこれは話のベクトルが別だって?似たような物だよ、気にすんな。
とにかく、生徒だけで楽しく騒げる場に教師がいたら皆ゆっくり羽を伸ばせないだろう。私も楽しい場に水を差すような真似はしたくない。山田先生辺りだったら良いかもしれないけど、私や織斑先生はどうなんだろうか?きっと、やりづらくなってしまう。
「相川さん。申し訳ないけど仕事が片付きそうになくてね。私は遠慮させて貰うよ」
「何言ってんすか?あんたそれで仕事終わりでしょうが」
何ッ!?この声は……!?まさか……!!
「大内君、なんでここにいるの?」
何故、整備科の君がここにいるんですかねぇ?てか、タイミング悪すぎィ!!自分、離脱良いっすか?
「いや、訓練機と警備科の機体の点検が終わったから教頭に報告に来たんよ。そしたらどっかの馬鹿がしょーもねぇウソ吐いてるからよ」
「え……ウソなんですか?」
「だってこいつ今日『定時で帰るからFPSやろう。虹6な』って言ってたから」
大内ィィィィィ!!貴様の血は何色だァァァァァァァァァ!?
「でも、どうせお前らに気ィ遣ってんだよ。コイツ変に気が回るからよ」
ねぇ、やめて。これ以上私を辱しめないで。
予想外の伏兵により、一気に追い込まれてしまった石井さん。その石井に生徒相川が出した示談の条件とは……?じゃない。変に気が回るのは大内君も同じ事だ。何だかんだ風邪を引いた時に私の部屋にポカリ買ってお粥作りに来てくれたじゃないか。このくそイケメンが。もげろ。
全く、相川さんが正直に話さなきゃ許さないオーラを出してるじゃないか。
「相川さん、あの……」
「どういう事ですか?」
うん。逃げられないね。
「まずは嘘を吐いたことを謝るよ。申し訳ない」
「何で嘘を吐いたんですか?そんなにパーティーに行きたくなかったですか?」
「いや、そういう訳じゃないんだよ。確かに誘ってくれたのは嬉しいよ。生徒から、こういう風にお誘いを受けるのは初めてだったからね。でも、このパーティーは君たちが羽を伸ばすための物でもあるよね?そんな楽しい時間に私のような教師がいては、邪魔をしてしまうと思ったのだよ。教師とはそのような場にいるだけで水を差してしまう場合もあるからね」
「そんなこと無いですよ!!」
相川さんがそれを否定した。にしても随分と大きい声だ。職員室中がこちらを見ている。愛想笑いを返しておこう。にへら~っと。まるで阿呆だ。
「皆先生に来て欲しいって思ってます!!それに誰よりも先生に来て欲しい人だって……」
ん?そんな酔狂な生徒、うちのクラスにいたっけ?物好きだねぇ。それ誰よ。
「セシリアさんです!!」
あっ……(絶望)
そうでしたね。フラグ立っちゃったんでしたね。はい。ねぇ、大内君どうしよう?
『逝ってこい』
何で?何故、プラカードに書いてるの?それに何処から出したんだい、ソレ?え、ツナギから?たまげたなぁ……(驚愕)まるで四次元ポケットみたいだぁ。(直喩)
「あぁ……うん。それじゃあお邪魔させて貰おうかな」
「はい!!皆喜ぶと思います!!特にセシリアさん!!」
うっ……胃が……。
『織斑君のクラス代表就任を祝ってかんぱーい!!』
うぇーい。いやぁ、胃薬は偉大でしたねぇ。保健室で貰った胃薬強い。(確信)
そういう訳で只今パーティーに参加してます。てか、一夏君が作った料理美味しすぎない?何なのこれ。私、一夏君が三分クッキングに出てても驚かないよ?こんな所でもイケメンを見せつけてくるか。汚い、さすが一夏君、汚い。
「汚いは最高の誉め言葉だ」
「どうしたの?おりむー?」
何、電波受信してるんだよ。誰が送りやがった?私なんだよなぁ。私は悲しいポロロン。
そんなイチ=カ君を脇目に私はシャンパン飲んでます。なし崩し的に来ることになった山田先生、織斑先生と三人で買い出しに行った時に買った物だ。生徒の前で飲むな?私は時間外労働はしない主義なんだ。ここにいるのは石井先生ではなく、ただの石井さんだ。
パーティー開始から暫く経つと皆固まって喋るようになってきた。私も生徒や主賓の一夏君と話していたのだが、一人になってしまった。どうした物かと思いつつ、ソファーに体を沈めながらグラスを傾けてると誰かが隣に座った。
「あの……先生……」
はい。現実逃避しててすんません。いつか来ると思ってました。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃサメだ……え?
「やぁ、楽しんでるかい?」
「はい……先生は?」
「うん、私は充分と」
そう。私は存外に楽しめている。生徒の皆も存分に羽を伸ばせているようで良かった。だからねセシリアちゃん。喋るだけで顔を赤くするんじゃないよ。織斑先生が人殺しそうな目をしてるから。さっきから私の心臓を見て、ハートキャッチ(物理)しようとしてるから。
「先生は……」
「今は先生って呼ばなくて良いよ。今の私は教師ではないからね。時間外だし。好きに呼ぶと良いさ」
「では石井さんと」
「うん。聞きなれた呼び方だ、セシリア」
少しからかってやろう。こういう悪い大人に引っ掛からないよう、ちょっとした課外授業を付けよう。確かセシリアちゃんは貴族の出だったよね。こういう奴にコロッと騙されてしまって変な壺を買わされたりしたら大変だ。
「顔が赤いようだが、具合でも悪いのかい?」
「いえ、そういう訳では……ひゃっ!?」
瞬間、空気が凍った。会場にいた者は皆平静を装いつつ視線を窓際近くのソファーに向けた。
悪い大人と可憐な少女がいた。黒いワイシャツをはだけさせシャンパングラスを片手に持つ男が金髪碧眼の少女の頬を撫でながらその宝石のような碧い瞳を見つめている。少女は頬を赤く染め、あたふたとしている。その様を見て男は意地の悪い笑みを浮かべ少女の反応を楽しんでいるように見える。
少女たちは理解した。あれはヤバい。あれをやられたら腰がヤバい、と。現に被害者──セシリアは腰に力が入らなくなっている。ニコポでも無く、ナデポでもない。例えるなら某旦那のエロビーム。お前は何処の吸血鬼だという話である。もう、ソファー周辺だけイケナイ雰囲気が漂っている。16やそこらの子供には若干刺激が強いのだろう。鼻血を出す生徒もいた。
織斑一夏はセシリアの顔が赤いことを心配してソファーへ近付こうとして幼馴染みに意識を刈り取られていた。
山田真耶は手で顔を隠しながらチラチラ見ていた。かわいい。
相川清香は戦慄した。端から見てもセシリアが石井さんにそういう感情を抱いているのは明白だった。故に今回彼女を応援するために策を練ったのだが、返り討ちにあってしまった。ギャップが凄いのだ。昼間は優しく生徒を見守る穏やかな教師だが今、目に前にいる男は違う。百戦錬磨、常勝無敗、東方不敗。最後のは少し違うが、数多の女性を落としてきた織斑一夏を超えるスケコマシなのだ。イケナイ大人なのである。
そして織斑千冬は──
「■■■■■■■■■!!」
チフクレスになっていた。
「この程度で赤くなってたら悪い男に騙されちゃうね。私は君の将来が心配だよ……」
悪い男はお前だというクラス全体のツッコミはそれぞれの心の中にしまわれた。
「それじゃあ、よい夢を……セシリア」
トドメを刺された。耳元で囁かれた一言は周りには聞こえなかったが、いたいけな少女の耳と脳を溶かすには十分すぎた。きゅう、と声をあげて倒れたセシリアを横目に織斑一夏級の地雷は悠々と去っていった。
翌日、職員室で出勤間もなく石井は
是非も無いよネ!!
被害者の会
織斑千冬
篠ノ之束
セシリア▪オルコット←New!!
最近チフクレスの出番が多い……孔明並の出番で過労死しそう(カルデア並感)
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