転生して気が付いたらIS学園で教師やってました。   作:逆立ちバナナテキーラ添え

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初投稿です(大嘘)


こ↑こ↓いらで教師らしいことでもしまウイイイイイイイイイイイイ↑ッス!

 石井だ。(確信)

 

 さて、今日は一夏君とオルコットさんの決闘当日だ。そんな訳で私はアリーナのピットにいる。

 

 しっかし、凄い人だなぁ。まぁ代表候補生とブリュンヒルデの弟の対決っつったら、こんぐらい集まるのも分かる。ネームバリューとか凄いもんね。

 

 「あの」

 

 「何奴!?」

 

 「私ですわ!!」

 

 あぁ、ビックリした。いきなり声かけられたから驚いてしまった。ニンジャかと思った。いやダメだな。ニンジャリアリティーショックで死んでしまう。職場で発狂、失禁、記憶障害とかシャレにならない。社会的に死ぬ。

 

 私に声をかけたのはニンジャではなく、オルコットさんだった。何故、オルコットさんの側にいるかって?そりゃ私がオルコットさん側のピットにいるからさね。

 

 「なんでここにいるんですの?」

 

 「え?いちゃダメ?」

 

 「別にそう言う訳ではありませんが、あなたはあちら側に行くと思ってましたので」

 

 「あちら側って……あぁ」

 

 あれか、私が一夏君のピットに行ってないのが不思議なのね。まぁ同じ男のよしみで行く物とでも思ってのかね?それか男嫌いとか。いや、そしたら私がここにいると嫌がるか。

 

 「ふむ、まぁ同じ男だからね。むこうに行くのも悪くはないが、今はここにいるよ。迷惑ならば出ていくけど」

 

 「いえ、お好きになさってきださい。あなたがいてもいなくても関係ありませんから」

 

 辛辣だねぇ。まぁそんなことで怒るほどガキじゃないが、こんなに気を張ってて疲れないのかな?この子は辛くはないのだろうか?きちんとガス抜き出来ているのか?とても心配になってくる。こんな16やそこらの子供がしていて良い顔では無い。

 

 あぁ、ダメだ。あまり肩入れする気は無かったが、こんな辛そうな子はダメだ。放っておけない。

 

 「ねぇ、オルコットさん。少し話をしようか」

 

 「なんですの?まぁ、良いですわ。暇潰しぐらいにはなるでしょう」

 

 「さいですか。オルコットさん、男嫌い?」

 

 「……ッ、嫌いですわ」

 

 やっぱりね。あれ?じゃあ、なして私はここにいるん?

 

 「うん、正直なのは良いことだ。じゃあ私の事も嫌いかい?」

 

 「それは……」

 

 「正直に言うと良い。私の事は気にしなくていいから」

 

 会話が途切れる。観客の声と喧騒だけが聞こえる。オルコットさんは俯いたまま動かない。

 

 「分かりませんわ……」

 

 「ふむ、分からない?」

 

 「先生のお噂は聞いております。あの篠ノ之博士の護衛をされてたと」

 

 あぁ、あれは半分正解で半分間違ってるんだよね。確かに束の護衛もしてたけど、私は大体ミンチ製造機になって世界中飛び回っていたからなぁ。猟犬とかの方が適切だろう。特に、くーちゃん拾ってからは余りくーちゃんの側にいないようにしてたしね。何故って?あんな小さな子の隣に血生臭い奴がいたら情操教育上、悪影響しか無いでしょ?

 

 「あなたは私が今まで会った男性と違いました。誰に媚びる訳でも無く、自分の道を歩んでらっしゃる。あの織斑先生に不遜な態度が取れる方はそうそういらっしゃいませんわ」

 

 「そりゃどうも」

 

 「だから、余計分からなくなりました。今まで私が持っていた男性へのイメージとあなたの姿のズレが大きくて。世の男性たちはどちらの姿が本物なのか、今まで私が持っていたイメージが間違いだったのか」

 

 「だから、一夏君を試そうとしたのかい?」

 

 「はい……あの織斑先生の弟ならば、私のこの疑問にも答えを出せるのではないかと。それに、物珍しさだけでクラス代表を選ぶのは如何かと思いまして……」

 

 ふむふむ、なるほどね。

 

 何?このいい子?(脳死)きちんと物を考えられるじゃないか。これは織斑先生、一本取られたね。

 

 うん、やっぱり話してみて良かったな。

 

 じゃあここいらで教師らしいことでもしますか。

 

 「オルコットさん。差し出がましいかもしれないけど、人生の先輩としてアドバイスを贈らせてもらうよ」

 

 こうやって、心の空気を入れ替えないと息苦しくなっちゃうからね。

 

 「きっと君が今、抱えてる悩みや息苦しさへの答えは一夏君が出す物じゃないよ。誰でもない君自身が出すべき答えなんだ」

 

 「私自身が……?それでは私の主観が……」

 

 「主観だらけで良いじゃないか。君の考えが詰まった君だけの答えだ。誰の意見にも左右されない君が導き出した唯一解だ。確かに君の言わんとする事も分かる。導き出した答えが女尊男卑に行き着くのが怖いんだろう?君は男を信じたい。でも君の中のつかえが取れない。その先に絶望が待っていたらどうしようってね」

 

 「それは……」

 

 「恥じる事は無い。人は誰しも不安を感じ、絶望に恐怖する。君は至って普通だ。だから多くを見、多くを知りなさい。多くを聞き、多くに触れなさい。その答えに絶望しないために、納得するために。何も今すぐ答えを出せと言ってる訳じゃない。君は若い。この先の人生、素敵な出会いがあり、悲しい別れがあるだろう。その輝かしい歩みの中でゆっくりと君自身の答えを見つけていけばいい」

 

 「私自身の……答え……」

 

 「君の旅は今、この瞬間始まった。まずは目の前の坂を上りきる所からだ。さぁ、思う存分殴り合い、語り合って来るといい」

 

 「はい!!」

 

 うん、いい返事だ。もう大丈夫だろう。これが彼女の悩みを解決する糸口にでもなってくれれば良いな。まぁ月並みなことしか言えなかったけど。

 

 「じゃあ私は行くよ。管制室で見ることになっているのでね」

 

 「あの!!」

 

 「なんだい?」

 

 「ありがとうございました!!」 

 

 それでもこんなに綺麗な笑顔を引き出せたんだ。少しはプラスに働いたと思っても良いかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「盗み聞きとは感心しませんね、織斑先生」

 

 「いや……お前が教師らしい事をしていたものでな……」

 

 ピットから出ると織斑先生がいた。何?私の痴態が織斑先生に見られたと?もう、お婿にいけないよぅ////

 

 「そんな事に心当たりは無いですが、今回は一本取られましたね」

 

 「むぅ……そうだな今回はオルコットにしてやられた」

 

 「えぇ、今回の決闘はオルコットさんの勝ちですよ。結果云々置いてね」

 

 「ほう……」

 

 「彼女はやっと、歩き始めました。一夏君はどうでしょう?この決闘で何か掴んでくれると良いんですけどねぇ」

 

 君も旅をしなさい、少年。 

 

 

 

 




そんなこんなでした

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