転生して気が付いたらIS学園で教師やってました。 作:逆立ちバナナテキーラ添え
頼光マッマがきてくれないので、語録減らします。(八つ当たり)
本編、どうぞ。
ご立派ァ!!(唐突)
照りつける太陽。青い海。白い砂浜。
女の子たちのはしゃぐ声に潮騒が合わさり、ビーチは楽園へと姿を変える。その全てがビーチを舞う妖精たちを彩り、飾り付けるアクセサリーになる。今この瞬間はこの場所こそ全ての男が目指す場所となり得るだろう。
そんな中、私はパラソルの下で昼間からビール飲んでます。
石井さん@がんばらない。
凡そ教師の責務や大人としての節度をかなぐり捨ててバカンスしてる私。本当度し難い。教師のクズだね。だけどこの昼間から酒を飲む背徳感、悪くない。子供の頃、夜中に家を抜け出して肝試しに行くような、ちょっとした冒険心にも似たこの感覚。余り誉められた物じゃ無いけどね。
はい、そんなこんなでやって参りました海ですよ。ウェミだよ。
みんなはしゃぎまくってるね。ほらほら、ちゃんと準備運動してから入りなよー。あんまり遠くまで泳いじゃダメだよー。ビーチバレーを超次元ビーチバレーにしちゃダメだよ?こら、相川さん。化身だかスタンドは反則だよ。
「一夏、オイル塗ってくれないかなぁ?」
「おう、いいぜ」
「ハッ……!!シャルに先を越された……行くわよ箒!!」
「ユニバアァァァァァァァス!!」
「フハハハハハ!!月゛光゛蝶゛であ゛る゛ッ゛!!」
「おい、シャルどうしたんだ?」
「うぅん、何でもないよ!!」
シャル無双はまだ続いてたのか……。てか、あの子御大将みたいになってたけど大丈夫か?
そういう感じで一夏君と愉快な仲間たちもビーチにやって来た。一夏君が来た瞬間に女の子たちがキャーキャー言い始めたよ。男の裸に慣れてないからか、顔を真っ赤にしてる子もいる。あの丁度良く引き締まった腹筋とかは目に毒だろう。何か凄いカメラ構えてる子までいる。その一眼レフ、レンズ込みでいくらするんだと聞きたくなる。いつからプロカメラマンを目指し始めたのか、進路ブレ過ぎて要面談だわ。
「石井先生、泳がないんですか?」
「一夏君、私はね運動が苦手なんだよ。直射日光に当てられたら溶けちゃうの。だから私はここで大人しく涼んでるよ」
そうだ。今の私は石井さん@がんばらないなのだ。直射の日光で点を付かれれば、でき損ないのスライムのようにベトベトに溶けてしまう。私の融点は低いのだ。だからこんなか弱いおじさんを虐めないでくれよ。そんな何言ってるんだコイツみたいな顔もしないでくれ。照れるだろう?
さぁ、ここで一つ問題だ。
気付いたら宙に浮かんでいて真下が海って状況に陥ったらどうする?
「昼間からビーチで酒とはいい
相手がチフクレスだったらどうしようもない。是非も無いよネ!!
「戦わなければ、生き残れない……私は戦わなかった……先に逝くよ」
「せんせェェェェェェェェェェ!!」
石井。死因、ビーチから海上に投げ飛ばされ頭から海中へ落下した際の衝撃で頭蓋骨陥没。そのクッソ下らない生涯に幕を下ろす。
「悪は滅びた……」
「悪は滅びた……じゃねぇよ!!千冬姉!!アレはヤバイって!!」
「織斑、騒ぎすぎだ。アイツはあの程度じゃくたばらない。ほら、ランサーが死んだーとか言う割りにはFGOのランサーは中々粘るだろ?つまりはそういう事だ」
「いや意味分かんねぇよ!!確かに槍ニキ粘るけどさ!!てか千冬姉FGOやってたの!?」
「まぁな。ほら上がってきたぞ」
「先生……!?死んだ筈じゃ……!?」
「残念だったな、トリックだよ」
「おそろしく速い受け身、私でなきゃ見逃してしまうな……」
石井。某団長並に恐ろしく早い受け身で一命を取り止める。
海水でびしょびしょになったシャツを脱いで絞る。何とか履いてたデッキシューズは両方とも無事だった。シャツを絞り終わると皆こっちを見ていた。何でせうか?
「はえ~、やっぱ鍛えてるんですねぇ……」
一夏君、そのやたらねっとりした言い方をやめてくれ。てか男に言われても何か微妙な感じになるからやめてくれ。やめてくれ。(懇願)
「まぁ、鍛えておいて損は無いからね。それなりに鍛えておくことをおすすめするよ」
本当ならシャツを羽織りたい所だが、さすがに濡れたシャツを羽織るのは気持ち悪い。仕方なくシャツを肩に掛けてパラソルの元へと戻る。
「酔いは覚めたか?」
「元から酔ってませんよ。織斑先生もいかがです?クーラーボックスに冷えたのありますよ?」
「魅力的だが、ソフトドリンクにしておこう。ジンジャエールはあるか?」
氷と冷水に満たされたクーラーボックスに手を突っ込んで、ジンジャエールの瓶と栓抜きを投げる。織斑先生はそれをキャッチして、栓を抜いて栓抜きを投げ返してきた。一々動作がイケメンなのは何なんだ。ムカついたので私もコロナの瓶を開けた。
「まだ飲むのか?」
「まだ二本目」
互いに近づいて、瓶をカチリと突き合わせて瓶の中身を流し込む。冷えたビールが喉を通り、胃に落ちる。口元を拭うと織斑先生がこちらをニヤニヤしながら見ていた。
「いつ見ても、いい飲みっぷりだな」
「そりゃどうも。まぁ、こうも暑いと冷えた奴を一気に流し込みたくなりますよ。てか呼ばれてますよ」
ビーチバレーのコートで一夏君たちが手を振っていた。どうやら私たちを誘ってるようだ。
「どうする?私は行くが」
「コレ飲み終わったら行きますよ。一夏君たちに伝えといてください」
織斑先生が一夏君たちの所へ行くのを見届けた後、椅子に座ってビーチバレーを肴にコロナを飲む。どうやら織斑先生と山田先生のチーム対一夏君と一夏君大好きーズチームで試合をするらしい。随分と無茶な話だ。織斑先生を敵に回したら本当に超次元ビーチバレーになってしまう。
「流星ブレード!!」
ほらね?もう、足使っちゃってるし、セパタクローじみてきてるし。自称宇宙人みたいな技使ってるよ。
「ラウラ!!」
「任せろ、嫁!!ムゲンザハンドォォォォォォォォォォ!!」
「行け!!ラウラ!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ボーデヴィッヒは織斑先生の必殺技を止めることに成功した。だがここで考えて欲しい。バレーボールで敵のスパイクを止めたらどうなるのか?
『先生チームに一点』
「なぁぁぁぁぁ!?」
ボーデヴィッヒが崩れ落ちる。とんでもなくポンコツ感溢れる感じになっている。てか、織斑先生も大概じゃね?アレはどう見てもシュートなんじゃ……?
「アレはスパイク。いいね?」
アッハイ。これ以上追求するとチフユリアリティショックで死んでしまう。
「隣、よろしいですか?」
そうやってカオスになってきた試合を見ていると、背後から声を掛けられた。声色で相手は分かった。
「構わないよ、セシリア。何か飲むかい?オレンジジュースとジンジャエールがあるから好きな方を選んでくれ」
セシリアはオレンジジュースを選んだ。栓を抜いて彼女に渡す。それから、暫く無言で試合を見ていた。きっとあの屋上から、医務室から互いにあの数日間の事をマトモに話していないから、話しづらいのだろう。レゾナンスの時は周りに人がいた。何だかんだと先伸ばしになっていたし、医務室に運ばれた時も見舞いに来てくれてた。
「すまなかった。君には迷惑を掛けっぱなしだよ」
「え?」
「屋上の時も、医務室の時も。君は私の為に言葉を紡いで、戦った。多大な迷惑を掛けた。だから何か償いというか埋め合わせをさせてくれないか?」
「いえ、大丈夫ですわ。アレは私がやりたくて、やっただけですから」
「それでもだ。そうだとしても結果的に私は君に迷惑を掛けた。だからその補填をさせてくれ。人として当然じゃないか?」
セシリアは少しの間、頬に手を当て考える素振りを見せた。そして何かを思い付いたように手を叩き、私に笑い掛けた。
「それなら、夏休み何処かに連れていってくれません?何処でも良いですわ。あなたと何処かに行くということで、帳消しに致しましょう」
「あぁ、お安い御用だ。期待に添えるように色々考えておこう」
「楽しみにしてますわ」
気付けば瓶は空になっていた。試合の方も一区切り付いたようだ。
セシリアに試合に参加する旨を伝えて二人でコートまで歩く。
「あぁ、そうだ……」
言い忘れていた事があった。
「その水着、よく似合ってるよ」
◆◇◆◇
「ひねくれ野郎覚悟ー!!」
「覚悟ー!!」
「か……かくごー!!」
私は部屋のドアをそっと閉じた。
状況を整理しよう。海から上がってシャワーを浴びて、大広間で夕食を食べて大浴場で一夏君と風呂に入って帰ってきたら見知った顔が三人仁王立ちしている。
な ん だ こ れ は ?
まず飼い主。何故袴に薙刀を持っている。
ボーデヴィッヒ。青ジャージとブルマって何?君、どうしたの?
クロエ。ブルマと白い体操服って、姉妹揃って何やってるんだ?てかそんなに顔赤くしてるなら着なきゃいいじゃないか。
いつから私の部屋はアインツベルン相談室とタイガー道場を足して二で割ったような謎空間になったんだ。
いや、それより以前に何故ここにいるの?
「てめぇ、ビビってんのかぁ!?あぁん?こら?」
「あぁん?」
「こ……こらぁ?」
な ん な の こ れ ?
次回家族会議です。
石井さんは屑野郎。(覆ることの無い真理)
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