転生して気が付いたらIS学園で教師やってました。   作:逆立ちバナナテキーラ添え

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何でシリアスさんが準備運動してるんですかねぇ?(ねっとり)

息をするように語録を吐いてく原作ヒロイン。たまげたなぁ……。

では本編、よろしくお願いさしすせそ。


真夏の夜の……シリアス所さん!?

 

 「ウェミダー!!」

 

 「あぁ^~早く海水まみれになりたいぜ」

 

 「シャル?箒?テンション上がりすぎじゃないか?」

 

 最近箒ちゃんが色々踏み外している気がする。なんというか……HUKになりかけてるよね。

 

 ISI(石井)っすよ^~。

 

 今日もいい天気、と言いたくなるほどの青空が広がる中私たちはバスに揺られて海に向かっています。そう、校外実地演習ならぬ遠足……でもなく臨海学校(バカンス)だ。学園から車で二時間ほどの距離にある旅館とプライベートビーチ、その周辺の海域を貸し切った屋外でのISを用いた訓練らしい。数年ほど教師をしているが臨海学校の引率は初めてだ。

 

 バスの中に皆のはしゃぐ声が響く。やはりクラスメートと泊まり掛けで何処かに行くというのは楽しみなんだろう。何か青春のかほりが凄いね。青い海、沈む夕焼け、クラスメートの男子との甘酸っぱい一時……。

 

 一夏君ハーレムじゃねぇか。

 

 いや、相手の事絶対寝込ますマンの一夏君に限ってそんな展開は無いか。一夏君大好きーズは今回のイベントはどうするんだ?何か策はあるんだろうか?サンオイル塗ってくれ作戦なんて当然のようにものすごいテクニックで身体中に塗りたくられて終わりだよ?即墜ち二コマだよ?ビーチで生徒のメスの顔は見たくないな、私。

 

 「石井、ポッキーくれ」

 

 「大内君何でいるの?」

 

 「あ?引率だから」

 

 いや、だったら山田先生の所行けよ。さっきからチラチラこっち見てるでしょうが。バンドリやめろ。

 

 「いくゾ~。見とけよ、見とけよ~」

 

 「箒、今日はやけに元気だなぁ」

 

 マジで箒ちゃんどうした!?何か変な物でも食べたのかな?発する言葉の一つ一つが汚いよ……。何かうちのクラスのバスが魔境になってきている気が……え?元から魔境だった?そっかぁ……。

 

 ガチャ回そ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇

 

 私がガチャで爆死して燃え尽きてる間にどうやら旅館に着いたようだ。十連を三回で星四鯖一枚ってどういうことなの……?真っ白になっていたら大内君にレンチでぶん殴られて起きたよ。いやぁ視界が歪む歪む。

 

 ふらつく足取りでバスから降りると花月荘と彫られたいかにも老舗という感じの看板が目に入った。純和風の平屋って所が雰囲気があって良いね。こういうリゾートには余り縁が無かったから、実は少し楽しみだ。リゾートでバカンスなんて出来る暇も環境も無かったしね。それらしいことは飼い主が海水浴したいと言い出したので、二人で地図にも載ってないような南の無人島に行ってそこでバーベキューしたり少し泳いだりしたぐらいか。 

 

 旅館の人が荷物を下ろすのを手伝った後、遅ればせながら私も女将さんに挨拶をして一時解散になった。自分の荷物を持って宛がわれた部屋へ向かおうとすると一夏君の叫び声が聞こえてきた。

 

 「石井先生と同じ部屋じゃないのか!?」

 

 「そうだ。お前は私の部屋で寝ることになっている」

 

 「じゃあ石井先生は……?」

 

 「……一人部屋だ」

 

 「あァァァんまりだァァアァァァァァァ」

 

 悪いね一夏君、私の部屋は一人部屋なんだ。前日に十蔵さんが一人部屋に変更になったと言ってきたのだよ。だからそんな崩れ落ちないでくれよ。そんなに私と同部屋になりたかったのかい?いいじゃないか、家族水入らずで。そんなに本気で悲しまれるとICKホモ疑惑が現実味を帯びすぎてくるから。そんなに男の二人部屋になりたいなら大内君の部屋に行ってどうぞ。尚、大内君は整備科の同僚と二人部屋らしいのでどの道一夏君の願いは叶わない。

 

 「男子トークが……猥談が……」

 

 え……その猥談はノンケ向けの物なんですかねぇ?てか、君猥談とかするのね。マジで枯れてるか、ホモかの二択だと思ってたからてっきり猥談なんて健全な男子高校生のするようなことをするとは驚きだ。まだICKニキがノンケである可能性が……

 

 「いや、石井先生の部屋に忍び込めばワンチャン……」

 

 無いかもしれない。(デデドン)お前マジかよ……。さすがに無いよ……。一夏君大好きーズの顔面が凄いことになってるよ。自害した時の四次ランサーの如く色々呪っちゃいそうな顔だ。真夏の夜に生徒に部屋に侵入されるとかやべぇよ……やべぇよ……。

 

 そうして戦慄してると袖を誰かに引っ張られた。ボーデヴィッヒだった。

 

 「そのだな……嫁が部屋に侵入してこないように、私が父様の部屋を守ろうと思う……。だから部屋に行ってもいいだろうか……?」

 

 いや、一夏君を亀甲縛りにして煮るなり焼くなりしてくれ。さっきから一夏君が野獣の眼光でこちらを見てくるから事前に防いでくれ。おちおち寝てられない。お前と猥談がしたかったんだよ!!とか嫌だ。小生やだ。

 

 「いや私の部屋に来る必要はないだろう。一夏君の隣で見張っていてくれる方がありがたいな。それと、私は君の父じゃないって……」

 

 「そうか……父様がそう言うなら、そうしよう……」

 

 ボーデヴィッヒが戻ってくのを見届けて今度こそ自分の部屋に向かった。部屋は広々とした和室で、海を一望出来る間取りになっていた。とりあえず荷物を置いて、テーブルの上のお茶葉で茶を飲む。一息付いて、荷物の整理をしようとした時ふと思った。

 

 「何か……広すぎない……?」

 

 どう見ても、一人や二人が寝るには広すぎる間取りだ。目測で四、五人は寝ることが出来るぐらいのスペースはある。家族客向けなのだろうか?人数とスペースが噛み合って無い、供給過多だ。十蔵さんのミスなのか?広すぎて使いにくいというのも、変な話だ。

 

 《あぁ^~生き返るわ^~あぁ^~生き返るわ^~》

 

 スマホが鳴った。誰だろうか?

 

 「はい、もしもし」

 

 『あ、いしくん?私だよ、束さんだよ~!!もう旅館には着いたかな?』

 

 「あぁ、着いたよ。海が綺麗だ。たまにはこういうのも良いかもしれないね」

 

 どうせ何処からか見ているであろう私の飼い主からだった。何か用がある訳では無さそうなので、いつもの近況報告といった所か。

 

 『へぇー、そういえば昔二人で無人島でバカンスしたよね。覚えてる?』

 

 「覚えてるよ。君の我が儘に付き合って行ったあれだろう?まぁそこそこ楽しかったから良いけどさ」

 

 『うん、また行きたいねー。夏休み辺り行こうか?』

 

 「仕事が詰まってるよ。クロエと行ったらいいじゃないか。何ならボーデヴィッヒも誘えばいいだろう」

 

 別にラボに帰る必要はない。大して仕事がある訳では無いが、クロエと顔を合わせるとなると帰る気になれない。

 

 『うーん、なら行かなくていいや』

 

 「何でだい?別に私に気を遣わないで行けば良いだろう」

 

 『束さんはね、四人で行きたいんだよ。私と、くーちゃんとらーちゃんと、いしくんの四人でね。きっと楽しいと思うんだ。前、いしくんと無人島に行った時の何倍も楽しいし、幸せだと思うんだ。だからいしくんが行けないなら行かないよ。夏がダメなら、冬にどこかに行こう。今年がダメなら来年。来年がダメなら再来年にしよう。私は我が儘だからね、条件が揃わなきゃ行きたくないんだ』

 

 四人でどこかに行くなんて考えもしなかった。クロエやボーデヴィッヒから離れようとしているのに、態々距離を詰めようとする真似なんてする訳がない。束には悪いが、その我が儘は叶えてあげられない。

 

 「そうか。まぁ、諦めてくれ。そろそろビーチに行くよ。折角海に来たんだ。織斑先生からも来るように言われていてね」

 

 『そっか……分かったよ。楽しんできてね。()()()()()()()()()

 

 「……?あぁ、分かったよ。それじゃあ……」

 

 通話を切って、スーツを脱いでジーンズを履く。上は私服の白シャツを着て水着を含めた貴重品と着替えとタオルをトートバッグに詰めた。

 

 部屋を出るときに振り返ると、少しだけ部屋が広く感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇

 

 「やっぱりいしくんは変わらないねぇー。いや、でも前よりは良くなったのかな?らーちゃん効果かな?」

 

 「束様……本当に行くのですか?お父様に御迷惑をお掛けしてしまうと思うのですが……」

 

 「いいや、大丈夫だよ!!いしくんが何か言ってきたら束さんがぶん殴っちゃうから!!」

 

 「でも、私の我が儘でお父様の休息を邪魔してしまう訳には……」

 

 「くーちゃん、子供は親に我が儘言って良いんだよ?会いたいでしょ?寂しいんでしょ?いしくんと居られるらーちゃんが羨ましいでしょ?」

 

 「それは……」

 

 「大丈夫だよ。いい加減、いしくんのこと捕まえなきゃね。兎は本気出したら速いんだぞ?鴉だろうが山猫だろうが捕まえちゃうぞってね。その為におじいちゃんに頼んであの部屋を用意して貰ったんだからねー。それにらーちゃんにも会いたいでしょ?なら行くしかないでしょ!!」

 

 「怖いです……この我が儘で本当に嫌われたらって……」

 

 「うん、それは無いね。いしくんはくーちゃんにだだ甘だから。だからさ、思いっきりぶつかってみようよ。くーちゃんの思ってること、言いたいこと、文句でも何でも良いからいしくんに言おう。それでいしくんにも言ってもらおう。いしくんが思ってることとか、くーちゃんの質問に答えてもらおう。コミュニケーションっていうのはね、互いにぶつかり合うことだと思うんだ。それから逃げてちゃ相互理解なんて出来ないよ。まぁ私が言えたことじゃ無いんだけどね……」

 

 「束様……」

 

 「心配なんてしなくて良いよ。束さんが側にいてあげる。一緒に文句を言ってあげる。くーちゃんが出来ないなら、代わりに怒鳴ってあげる。何ならビンタしてやる。だからね、バカなパパに会いに行こう。それで、今までの分を纏めてぎゅーってしてもらいなさい。それで我が儘を沢山言いなさい。いしくんは私のどんな我が儘でも叶えてくれたから。きっとくーちゃんの我が儘も叶えてくれるよ」

 

 「頭を撫でて欲しいです……」

 

 「うん」

 

 「一緒にご飯を作りたいです……」

 

 「うん」

 

 「一緒にお出かけしたいです……束様とラウラも一緒に四人でどこかに行ってみたいです……」

 

 「うん。それを伝えよう。あのおバカさんにガツンと言ってやろう!!あのひねくれ野郎を矯正するぞ!!おー!!」

 

 「お、おー……」

 

 「声が小さい!!おー!!」

 

 「おー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







あっ、そうだ。(唐突)

全然関係無いんですけど、ハイスクールD╳D四期放送決定らしいですね。

それで以前、ハイスクールD╳Dの二次創作を投稿しようとしてた事を思い出しました。

某水銀や某花の魔術師みたいなろくでなし転生オリ主がいらん事してく感じの話でした。構成を練ってくうちに纏まらなくなって御蔵入りになったんですが、いつかまた書いてみたいです。

型月要素を組み込もうとすると難易度が跳ね上がりますね、アレ。型月の二次創作書いてる方マジで尊敬してます。


本編では石井さん家の家庭環境に変化がありそうな感じが……。

ご意見、ご感想、評価お待ちしてナス!!

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