転生して気が付いたらIS学園で教師やってました。   作:逆立ちバナナテキーラ添え

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これ別に更識姉妹アンチ作品じゃないですよ?

本編行くっつてんだよォォォォ!!


友人が辛辣過ぎて涙出ますよ^~

 「ねぇ、大内君」

 

 「何よ?」

 

 「私たち友達だよね?」

 

 「まぁ、そうだな」

 

 「……山田先生といつから付き合ってんの?」

 

 「先週から」

 

 「……何で教えてくれんのよ?」

 

 「めんどい」

 

 辛辣すぎィ!!

 

 い゛じい゛だよ゛!!(慟哭)

 

 友人が辛辣過ぎて人間性を捧げそうなこの頃。

 

 私は今、整備科の大内君のデスクで男子会してます。昼間から男二人でコーヒー片手に駄弁ってます。何か学生に戻ったみたいで楽しいよね、こういうのって。え?仕事はどうしたかって?

 

 サボってるよ。

 

 だぁいじょうぶ、バレなきゃヘーキヘーキ!!何なら大内君もサボってるからね。連帯責任という奴だ。悪い大人だ。と言っても今日はもう私が担当する授業もデスクワークも無いのでバレても小言を言われる程度だろう。

 

 整備科の事務室は案外おすすめのサボり場である。基本的にデスクワークよりも格納庫での作業が多い整備科は事務室にいることが少ない。つまり静かなのだ。だからたまに大内君が忙しくない時にこうやって一緒にサボっている。私がコーヒーメーカーで二人分のコーヒーを淹れて、適当なお菓子を大内君が用意する。大内君は自分のデスクに、私は大内君のデスクの近くにある応接用のソファーが定位置だ。のんべんだらりとどうでもいいことを話して、帰りのSHR迄の時間を潰す。教師を始めてから数年ほど経つが、やはり肩肘張らないでいられる場所というのは必要だ。自室ないし、サボり場ないし。

 

 「それよりも意外だったよ。大内君と山田先生の組合せ。接点とか無さそうに見えたからね」

 

 「そうか?割りと食事行ったりしてたぞ。最初は忘年会か飲み会で話したんだっけなぁ?お前、そういうのあんまり参加しないじゃん?」

 

 「寒いから外に出たくなかったわ」

 

 「自宅警備員かよ」

 

 「ほら、私副業で教師やってるだろう?つまりはそういう事だよ」

 

 「なんかお前がグランドクソ野郎に見えてきたよ」

 

 私の性根が腐ってるって一番言われてるから、それ。大体何だ、自分は偉そうに。私だって君の弱味の一つぐらい握ってるのだよ。

 

 「そういえば大内君、最近放課後格納庫で生徒と二人っきりで何かしてるらしいじゃん?何?浮気?まさかの生徒に手を出しちゃったアレですかい?」

 

 「いや、ISの開発を手伝ってるだけだ」

 

 「えぇ~?ほんとにござるかぁ~?」

 

 「本当だよ、そういうお前こそあの金髪の子とはどうなんだよ?皆最近距離が近いって騒いでるぞ。手出したの?最低だな。控えめに死ねよ」

 

 「出してないよ!!てか辛辣過ぎない!?何か最近当たり強いよね!?」

 

 虹6やっててもフレンドリーファイヤしてくるし、すれ違ってコーラを貰って開けたら顔面におもいっきりコーラ噴き出すようにしてたり、飲みに行った時にビールにタバスコ入れてきたり。何故か下らない悪戯を仕掛けてくる。やってることが中学生並の発想という点も謎だ。いや、君もいい年だろう。何でいきなり精神年齢逆行してるの?

 

 等と、大内君に遺憾の意を露にして抗議していると先程の大内君の言葉で少々気になる言葉がある事に気がついた。ISの『開発』という所だ。私たちの職場であるこのIS学園は教育機関であると同時に研究機関でもある。整備科の人員は学園が所有するISやEOSのメンテナンスだけで無く、新装備や新機体の研究開発も行っている。元よりこの学園がある人工島は私の飼い主に与えられた研究所だったので、何ら不思議では無いのだが。

 

 しかし、そうなると整備科、それも開発部でなく一生徒がISの開発をやっているのは妙な話だ。これが二年生だったら整備コース所属の生徒という線もあるが、噂だと一年生らしい。一年生でISの開発なんてする奴は相当の物好きだろう。そんな状況の奴も……。

 

 「ねぇ、その君が開発手伝ってる子って更識簪?」

 

 「んぁ?知ってて聞いてたのか?趣味悪いなお前」

 

 「いやいや、今考えたんだよ。一年生で、尚且つこの学園でISの開発をしなきゃならない奴なんてあの子しかいないでしょ?」

 

 「あぁ、そういう事か」

 

 更識簪。一年四組の生徒で日本の代表候補生。確か、眼鏡を掛けた大人しそうな子だった気がする。彼女ならISの開発をしててもおかしくない。

 

 彼女には元々専用機が宛がわれる筈だった。倉持主導の打鉄のカスタム機、第三世代試験機が開発されていたが、一夏君がISを起動させたおかげで彼女の専用機開発は中止。更に倉持が白式の単独開発に失敗したせいで、開発再開の目処が立たなくなったという。仕方無く、倉持から開発途中で投げ出された機体を引き取って一人で開発してるという訳だ。

 

 「お優しいことだね。あぁいう子は見た目に反して頑固だからねぇ。最初の内は警戒されたんじゃないの?」

 

 「敵視されてたわ」

 

 「やっぱり」

 

 「でもまぁ、意地張ってるだけだったから。少し話したら仲良くなったよ。それで手伝うことになった」

 

 専用機の開発を一人でやる等、傲慢が過ぎる。兵装やコアへのプログラムの打ち込み、データ取り、各種内装の組み込み。それだけでは無く、千を越える過程を一人で解決出来る人物は飼い主を置いていないだろう。あの更識楯無ですら元の機体を改修するという形で、最後の組み込みとチェックは外部に頼んだ。だからアレは『一人でISを組み上げた』という事だ。勘違いしている奴が多いが、『開発』したわけでは無い。更識簪は一度バラして素の打鉄から自分だけのワンオフを作ろうとしている。

 

 「よくやるよ。大分無茶苦茶やってるよねソレ」

 

 「でもコンセプトは面白いんだ。結構俺好みなんだよ」

 

 そう言って、大内君は資料を渡してきた。高周波振動機内蔵の薙刀。マルチロックオンシステム採用の誘導ミサイル。二門の荷電粒子砲。従来の打鉄とは異なる汎用性に富んだ機動型。

 

 「どうだ?お前から見て」

 

 「パッとしないね。武装のバランスも良いとは言えないな。学生の域は出ないよ。有澤先生の所の第三世代機の方が格段に良い」

 

 「厳しいな。まぁお前はそう言うと思ったけどよ。改善点は?」

 

 「機動性がオリジナル(打鉄)より良いと言っても、所詮汎用機止まりだ。この機体が得意とするのは中近距離に於ける詰め将棋のような相手の選択肢を奪っていく戦い方だよ。懐に入れば複合装甲も切り裂ける薙刀、かといって距離を離せばしつこく追いかけてくるミサイル。ここまでは良い。肩の荷電粒子砲、私はいらないと思うよ?いや、一門は載せておこう。二門はいらない」

 

 「理由は?」

 

 「負担でしかない。中距離で対応出来るマトモな兵装が一つもないだろう。荷電粒子砲は連射出来ないし、エネルギーを相当喰うよ。そんなの二門も載せてたら邪魔にしかならない。マトモな実弾兵装も無いしね。チェーンガン辺りを積むべきだね」

 

 「本人はミサイルを主役にしたいらしいが?」

 

 「勝手にすれば良いんじゃないかな?本人の自由だしね。ただ、コンセプトをコロコロ変えてるようなら外注した方が良いよ。有澤先生の所とかね。この機体スペックでミサイル主体の機体は厳しいんじゃない?君も分かるでしょ?」

 

 というか最初から私にコレを見せる気だったのだろう。態々私の意見を聞いてくるなんて。更識簪に頼まれたか?

 

 「大体だ、私じゃなくても山田先生に聞けば良いんじゃないか?山田先生も代表候補生だったんだから、そっちの方が色々と良いだろう」

 

 「あの子に頼まれてな。石井先生の話が聞きたいってよ。暇な日で良いんだが、格納庫に顔出せないか?少しあの子と話してやってくれ」

 

 予想通りだ。大内君が自主的にやる訳無い。だけど、更識簪と話すというのはなぁ。

 

 「あーそれは無理だね」

 

 断固として拒否する。

 

 「何でだ?お前暇だろ?」

 

 「暇だけど、私『更識』と関わりたくないんだよね。更識姉とか絶対突っかかって来るから。更識姉も私の事苦手だろうし。適当な理由付けて断っといてくれ」

 

 あのアマチュアの相手は疲れる。出来るならあまり関わりたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





更識姉との関係改善は先です。ですが壊滅的に仲が悪いという訳じゃありません。

石井さんは面倒だと思っていて、楯無は得体が知れないと思っている感じです。


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