転生して気が付いたらIS学園で教師やってました。 作:逆立ちバナナテキーラ添え
ISの公式外伝のゲームが出るとか……敵は地球外生命体だとか……
おい、対話しろよ。(00並感)
ワンサマーがメタルワンサマーになる所まで想像しました。
最近、感想欄でネタ多すぎるとの御指摘を頂くようになりました。
安心してください。次回辺りからまたシリアス入ります。語録とか少なくなるけど、語録期待ニキたち申し訳無い。(語録無視)
石井さんの胃に穴を開けよう!!(ニッコリ)
では、ほんへ
ぬわああああん疲れたもおおおおん。
やっと仕事が終わった……。私の身体はもうドボドボダァ!!
石井……でした……(綴るッ)
無人機襲撃から二日が経ちました。幸い一般生徒から怪我人が出ることも無く、警備科の人達も重傷者はいなかったそうだ。施設の損害も対抗戦が行われていた第三アリーナのみで、最低限の損害で収まったという訳だ。いやぁ、死人とか出なくて良かった良かった。
私の精神は死ぬ寸前だけどな!!(過労)
あの後私たちを待っていたのは地獄だった……。各国からの状況確認の電話、損害の確認、雪崩れ込む書類、学園長への報告、十蔵さんとのお茶会という名の面談、警備体制の見直し。二徹しました。カフェイン中毒で死んでしまう……。途中意識が飛んだら、
「また石井殿が死んでおられるぞ!!」
って声が聞こえてきました。木霊でしょうか?いいえ、谷口さんです。誰ですか?
そしてさっき、ついさっきやっと終わったのだ!!
やったぜ。
だが、私よりも大変だった人達もいる。織斑先生と大内君だ。
まず、織斑先生だ。あの人は私と同じように教務科と警備科を掛け持ちしている。かつ、主任である。私なんぞより圧倒的に仕事量が多い。ちょくちょく私の方にも仕事を回して貰っていたのだが、それでも間に合わなかったのかPCを枕に目を開いたまま寝る織斑先生が目撃された。それを見た山田先生が小さく悲鳴を挙げていた。私もヒェッ……とか言ってしまった。あれは下手なB級ホラーよりも怖いね。寝言で
「イチカニウムが足りない……」
とか言ってたので一夏くんには全力で逃げてもらいたい。まぁ、骨ぐらいは拾ってあげようと思う。
そして大内君。整備科のオカン。彼、というより整備科はこの二日間で最も肉体的疲労が溜まった部署だろう。無人機に撃墜された機体の点検、修理や人手が足りない管理科の施設修繕に駆り出され、二十四時間体制でガレージには整備科員の悲鳴と慟哭が響いていたという。(ブラック的な意味で)ホント、整備科は地獄だぜ!!
そんな修羅の国と化した整備科で一人の鬼が誕生しました。Vが目覚めたのか、殺意の波動に目覚めたのか、モードが反転した裏コードなのか、悪鬼羅刹のような形相で黙々と仕事をこなす男。大内君はヴェノム大内となり、理性をかなぐり捨てた社畜になってしまったのだ。その眼光はまるで野獣のようであった……。整備科の主任はこう言っていた。
「あれはヤバい。なんか時々Arrrtherrrrとか唸っているし。あたし村上なんだけど?」
チフクレスならぬオオスロットになっていた。何故私の周りには狂化持ちばかりなんだ……。整備科にヘルプで呼ばれた時も私をアーサーだと勘違いしていた。石井だってば。てか、ヴェノム大内とかオオスロットとかキャラが定まってない。ブレブレの大内君である。
そんな二日間を乗り越え、私たちは生還出来た。
朝焼けを見ながら紫煙を燻らせる。事件の後、四日間は休校になることになった。だから、もう二日間は教壇に立つことはない。だからこうして早朝からゆっくり出来るのだ。
これから何をしよう、と考える。何だかんだと忙しくて一夏君たちの見舞いにも行けてない。もう寮に戻っている頃合いだろう。何かお土産を持って顔を見に行こうかな?一夏君には果物で、セシリアちゃんにはケーキとかどうだろう。箒ちゃんは謹慎処分になっちゃったから本でも差し入れしようかな。今時は電子書籍で何でも読めるけど、やっぱり何処か味気ないからなぁ。紙の本の方が私はしっくり来る。槙島さんも紙の本を読みなよ、って言ってるしね。SFとか好きかな?
そんなことを考えていて、最後の仕事を忘れていた。私としたことが、やはり疲れが溜まっているんだろう。
スマホを取り出して、大学の恩師に電話を掛ける。普通こんな早朝に掛けたら迷惑千万なのだが、私の恩師は質実剛健というかなんというか、実に規則正しい昔かたぎな人だ。漢なのだ。こんなクソ早い時間から起きて座禅組んでるような人である。
「あ、もしもし。先生ですか?」
『む?石井か。どうしたのだ、貴様から掛けてくるなど珍しい……』
「そうですか?割りと掛けてると思うんですけどね……」
『して、何用だ?世間話をするために態々掛けてきた訳ではあるまい』
「えぇ。まぁ、そうですね。では、ビジネスの話を。先生の会社に依頼したいことがありまして」
『ふむ……話せ……』
「現在、IS学園に配備されているEOSの強化改修をお願いしたくてですね。受けて下さるのなら後程、詳細データをお送りしますが、大まかに言えばマトモに動かせるようにしてください。兵装に関してはお好きなように、ロマンたっぷりでどうぞ」
『面白そうな話だ』
「気にいって頂けましたか?」
『受けるのは構わん。が、条件がある』
「何でしょうか?」
『代表候補生レベルの技量を持つパイロットが欲しい』
「とうとう倉持に喧嘩吹っ掛けるんですか?」
『モノは出来ている。後はそれを十全に扱える者と稼働データだけだが、日本籍の代表候補生は倉持が独占している。そこで貴様だ』
「いいでしょう。そちらは私が当たります。では後日、正式な発注書とデータを送らせて頂きます」
『うむ』
「では、失礼します。有澤先生」
ふぃ~。これで警備体制も少しは強化されるかなぁ。有澤先生の所だったら変な物作らないし。個人的に倉持技研が気に食わないっていうのもあるけど。プロジェクトを途中で投げ出したり、納期を守らない連中より実用性とロマンと溢れ出る変態性が合わさって最強に見える有澤重工だ!!シュープリスの背部兵装であるグレネードキャノンを造ってくれたのも先生だ。束曰く、実弾兵装のヤベー奴だそうだ。
さて、これで今度こそ本当に仕事終わりだ。シャワーを浴びて少し寝たら、車を出そう。お土産を買ったら一夏君たちに会いに行こう。あぁ、織斑先生にも何か贈ろうかな。日頃御世話になりっぱなしだしね。後、山田先生にも。
そうして自室に戻りシャワーを浴び、仮眠を取って駐車場へ向かう。雲一つ無い快晴だ。そんな天気に似合わない表情をしている人がいた。
「どうしたんですか?山田先生」
山田先生だった。非常に困ったような顔をしていた。何かの書類とにらめっこをしているようだが、どうしたのだろう?
「あ、石井先生。お疲れ様です。お出掛けですか?」
「えぇ。昼飯ついでに買い物に行こうかと。山田先生こそ何してるんですか?もう仕事は全部片付いた筈でしょう?もしかしてまだ残っていたとか?」
「い……いえ、もう全部片付きましたよ?ですが……」
何やら言いづらそうにしている。苦笑いを浮かべて、手元の書類をチラチラ見ている。
「遅れて転入してくる生徒の件はご存じですか?」
「えぇ、確かフランスとドイツの代表候補生だとか。それがどうかしたんですか?」
「学園長に最後の書類を渡しに行った時に、その二人のプロフィールを渡されたんですけど……」
そう言って山田先生はおずおずと書類を出して来た。プロフィールを見ただけで困り果てるような問題児なのだろうか?ほんの少しの好奇心を胸にその書類を受け取った。
「は……?」
この世界でISを使える男は二人しかいない。一夏君と、他でもない私だ。その二人しかおらず、世界中で調査が行われたが誰一人としてISを起動させることは出来なかった。三人目など幻に過ぎなかった。そもそも、三人目など
しかしこの書類にはフランスの
「あの……このデュノア君って……あのデュノアですか?」
「はい……フランスのデュノア社の御曹司だそうです」
デュノア社。世界中に散在するIS関連の軍事企業の中で三位のシェアを誇る大企業だ。デュノアが開発したラファールは第二世代の傑作機として世界中に配備されている。
しかしデュノア社の現状は良いとは言えない。端的に言えば斜陽企業なのだ。第三次
その御曹司がこのタイミングでISを起動させ、転入してくる。キナ臭さしか無い。
「この時期に三人目の男性操縦者だなんて……びっくりですよ……また忙しくなりますね」
山田先生の言葉に返事をしながら思った。鴨が葱を担いでやって来た、と。
私はデュノアに御曹司がいるなんて初めて聞いた。デュノアの家系に男は現社長以外いないのだ。
書類はもう一枚あった。ドイツの代表候補生の方だろうと思って私はそれを見た。
ラウラ・ボーデヴィッヒ。
その写真とプロフィールを見た私の気分は最悪だった。
ARCHIVE#1
・有澤隆晶
有澤重工、第3代社長。元は大学で教授として教鞭を振るっていた。石井とは教え子と恩師の関係。今でもたまに食事をするらしい。
有澤重工は日本の重工企業である。近年IS関連の市場に進出、その高い技術力と一部のユーザーから熱狂的に支持されるロマン溢れるパーツで注目を集める。内装系とグレネード関連の技術は世界的にも評価が高い。しかしIS自体の開発は行っておらず、これは倉持技研からの妨害が要因であると思われる。
石井の専用機『シュープリス』の背部兵装であるグレネードキャノン『OGOTO』は有澤隆晶自ら開発した物である。その他にも兵装を提供しているらしい。
現在の有澤重工は三代前に有澤製作所と如月化学が合併して出来た企業である。噂ではキサラギ派なる派閥が謎の研究をしているとのこと。
そんな感じです。ACVDのアーカイブ的な。
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