転生して気が付いたらIS学園で教師やってました。   作:逆立ちバナナテキーラ添え

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前半はいつも通りゾ

後半からはやりたいことをやったゾ

足らないフロム脳を絞って書いたので余りクオリティは高く無いです。

好きなこと書いただけです。

後、ちょこっと戦闘描写あります。

では本編ゾ(ボキャ貧)


すっげぇキツかったゾ~(実戦)

 「遅かったじゃないか……」

 

 「え……?」

 

 「言葉は不要か……」

 

 「何だこの鈴!?(驚愕)」

 

 石井のような気がしてきた。(自我喪失)

 

 いやぁ、たまげたなぁ……。まさか、凰さんが怒りの余りにCV:中田○治になってしまうとは。完全にプロトタイプネクストに乗ってるあの人だよ。ということは、一夏君はアナトリアの傭兵だった……?ねーよ。カニスで十分だわ。(辛辣)

 

 「貴様に毎日酢豚を食わせてやると言ったな。訂正しよう。貴様には私特製の麻婆豆腐を毎日三食食わせてやろう」

 

 「いいぜ。三食は無理だけど、麻婆豆腐も好きだからな!!」

 

 あぁ、何てことを……。凰さんが笑いを堪えるのに必死になってるじゃないか。このままでは一夏君が死んでしまう!!この鬼畜!!外道!!神父!!いいぞ、もっとやれ!!

 

 そんな感じで、クラス対抗戦当日です。アスピナ出身の愉悦神父と化した凰先輩と我らが粗製、空気にもなれないへっぽこパイロット一夏君の試合だ。あの一夏君フルボッコ事件から三日間、ひたすら相手の射線を予測する訓練をして今日に至る。途中からセシリアちゃんにも手伝って貰っていたんだけれど、

 

 『へぇ、調子に乗って殺されに来たのね?』

 

 『いい的よ、あなた』

 

とセシリアちゃんが楽しそうで何よりでしたまる。だがそのおかげで、一夏君の動きは見違えるように良くなった。被弾率もぐんと下がったし、シールドエネルギーの減衰率も低くなった。いい傾向ですね。予想以上の成長具合に冷や汗出ますよ^~。は?(自己嫌悪)

 

 そうこうしている内に試合が始まった。最初に動いたのは一夏君だった。相も変わらずな開幕特攻で凰さんに突っ込んでいった。

 

 「突っ込めって言ってんだよォ!!俺のゴーストがそう囁くんだよオォン!!アォン!!」

 

 汚い。

 

 「他愛なし……」

 

 そのクソ汚い突進は凰さんに呆気なく避けられてしまった。当然の帰結である。だが、これで衝撃砲の心配は今の所は無くなったと言える。回避の後、凰さんが距離を開けて衝撃砲を使えば引き撃ちする凰さんを一夏君が追う構図になり、これまでレッスンで繰り返しやってきたシチュエーションになった筈だ。しかし今、凰さんと一夏君は互いの近接用武装で切り結んでいる。凰さんとしても、距離を開けて中距離で一夏君を近付けないで戦う方が安定した試合運びが出来る。それを態々相手のフィールドで戦う意図は分からない。だが、相手と切り結びながら近接用の散弾に切り換えて衝撃砲を使うことは出来ない。セシリアちゃんがビットを全基展開している時に身動きが出来ないように、激しい戦闘中──しかも一撃必殺の手段を持つ相手に僅かな隙も見せられない。想定外ではあるが一応、一夏君に有利な状況ではある。

 

 「ほう、中々どうして……やるじゃないか……」

 

 隣で織斑先生が言っている。まぁ、ルーキーにしてはと付くのだろうけれど。

 

 「お前が訓練を付けたのだろう?やはり、教官職もいけるのではないか?」

 

 「まぁ、何度か色んな国からお誘いは受けましたよ?でも、柄じゃないんですよね。そういうのって」

 

 「教官は嫌で教師は良いのか?」

 

 「どうなんでしょうね?でも、今の職場は気に入ってますよ。飯も美味いし、退屈しない。それだけで私は十分なんですよ」

 

 「気楽な物だな」

 

 「そんな物ですよ」

 

 世間話をしている間にも試合は進んでいく。相変わらず一夏君の雪片と凰さんの双天牙月がぶつかり合っている。鍔迫り合いから互いを突き放し、またぶつかり合う。衝撃砲を使う気配が全くない。どうもキナ臭くなってきた。そう思っていると凰さんが双天牙月を拡張領域(パススロット)へと仕舞った。そして──

 

 

 

──一夏君の腹に正拳突きを決め、一夏君を吹き飛ばした。

 

 「なっ……!?あれは……」

 

 「知ってるのかチフデン!?」

 

 「あれは……マジカル☆八極拳だ……」

 

 何だってえええええええ!?いや、CVだけで飽きたらずディテールまで似てきちゃったよ。どうすんのアレ?私は関わりたくないよ。

 

 「武器など前座。我は元より無手こそ得物なり、我が八極に二の打ち要らず──」

 

 と思ってたら、色々混ざってました。本家八極拳とか、目からビームを出す施しの英雄とかごちゃ混ぜだね。あぁ、もうめちゃくちゃだよ……。

 

 「いいじゃん!!盛り上がって来たねぇ!!」

 

 何だあの一夏君!?(驚愕)アヴァロンも無しに蘇えったよ?しかも声変わってるし……どういうことなの?

 

 「まあ、やるんなら本気でやろうか! そのほうが楽しいだろ!? ギャハハハハハハッ!!」

 

 「そうか、天地を返しおったな!?素敵だ、やはり人間は素晴らしい」

 

 「行けよォ!!零落白夜ァ!!」

 

 「猛虎硬爬山──ッ!!」

 

 そして──

 

 「学園上空に所属不明のIS反応!!警備部隊がスクランブルします!!」

 

 ──決着は着かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇

 

 「警備部隊が全滅……二十秒足らずでか……」

 

 「第三防衛ライン突破されます!!アリーナ直上迄の到達予測、七十秒です!!」

 

 「三個小隊を残して全ての部隊を出せ。生徒が避難する時間を稼げ!!」

 

 私の飼い主の悪戯か、随分と長い付き合いになる亡霊からのラブコールか。はたまた、委員会(老醜)機構(アラスカ)の仕業か。この茶番を誰が仕組んだかは知らないが、随分とお優しいことだ。やろうと思えば、学園の防空識別圏を気付かれずに越えることが出来た筈だ。()()はそういう代物だ。それを態々こちらに知らせて真っ正面から人の家に上がり込んできた。慇懃無礼、その言葉が相応しい。そして襲撃の目的が手に取るように分かってしまうのも困り物だ。

 

 「一夏君を見定めに来たって所か……」

 

 隣で織斑先生も苦虫を潰したような顔をしている。この襲撃を画策した元凶が私の飼い主である可能性はここで限りなく低くなった。誰かさんは一夏君を見定めるつもりだろう。彼がどういう存在か、彼が誰かさんにとって利益をもたらす存在か、首輪を付けられるのか、それともイレギュラーとなり得るのか。どの勢力もそれを知りたがっている。今回はその当て馬だ。一夏君のデータを取り、それを元に彼を測っていくのだろう。この襲撃で一夏君が死ぬことが無いことも分かっている筈だ。万が一の時は私が介入する事を見越している上でのこれだ。全く以て嫌らしい限りだ。本当に、いつも通りだ。

 

 「クソが……誰だか知らないが、私の弟を茶番に巻き込んだことを後悔させてやるからな……」

 

 「それは結構ですが、今は生徒の避難と所属不明機の迎撃に集中してください」

 

 「分かっている……山田先生、生徒の避難の進捗は」

 

 「それが……現在管理部のサーバーが攻撃を受けていてアリーナのゲートが開閉不能になっています。シールドも同じく……」

 

 「所属不明機、最終防衛ラインを突破!!シールドの一部を破壊してアリーナに侵入しました!!織斑君、凰さんと交戦を開始!!」

 

 「アリーナのゲートの破壊を許可しましょう。緊急事態ですから。学園長には私から言っておきます。それと、織斑先生は更識楯無との個人回線を持ってましたよね?」

 

 「あぁ、持っている」

 

 「それならゲートの破壊と避難誘導に専念するように伝えてください。絶対に戦闘に参加しないように厳命してくださいね」

 

 「何を企んでいる……?」

 

 「織斑先生も分かっているでしょう?今回の襲撃であちら側がそれなりの成果を手に入れることが出来なければ近い内に必ず、更に規模の大きい実験を仕掛けて来るであろうことぐらい。彼女は邪魔です。彼女の正義感が一夏君を殺すかもしれない。アレはまだアマチュアだ。彼女の持ちうる力を全て使っても元凶には勝てませんよ。誰の為にもなる最善の手段を提案している。一夏君も元凶も更識楯無もあなたも、誰もがこの場を丸く納められるんですよ。あなたにとっても悪い話ではないと思うのですが」

 

 暫く、沈黙する織斑先生。聞こえるのはアラート音と、アリーナから聞こえる戦闘の音。管制室に人の声はなく、皆織斑先生の判断を待っていた。

 

 「分かった……お前を信じよう」

 

 確信していた返答が来ただけだった。ありがとうございます、と言うと織斑先生は頷いてインカムを耳に付け更識楯無と話し始めた。モニターには所属不明機と交戦する一夏君と凰さん。シールドエネルギーは多いとは言えない。連射されるハイレーザーライフルをなんとか回避しているようだ。初めての実戦にしてはよくやれている方だと言えるだろう。ただ、敵が全身装甲(フルスキン)の為か私が教えたことが活かせてないようだ。まぁ、無理もない。私が教えたのは()()()()()()()()を前提にした技術なのだから。

 

 しかし、このままでは些か雲行きが悪くなる可能性がある。だからほんの少し、テコ入れしよう。

 

 「オルコットさん、聞こえるかな?」

 

 セシリアにコアネットワークで話しかける。

 

 『はい!!御無事ですか、先生?』

 

 「管制室にいる教員は全員無事だよ。それよりも今何してる?」

 

 『ゲートを破壊して避難誘導の補助を。第三ゲート前ですわ』

 

 「そうか、ならそれは誰かに代わってもらいなさい。君にはこれからアリーナで交戦中の一夏君たちに長距離射撃での支援を行ってもらう。君のメインアームの最大有効射程から所属不明機を狙撃してくれ」

 

 『シールドはどうするのですか?』

 

 「所属不明機の攻撃で大幅に減衰している。恐らく君のメインアームのレーザー出力なら貫通できるだろう。観測手(スポッター)は必要かい?」

 

 『いえ、ですが管制室とリンクを繋いで擬似的に戦術データリンクを……』

 

 「了解した。ポイントとコースは一任する。よろしく頼むよ、期待している」

 

 これで少しは一夏君たちも戦いやすくなっただろう。射程外からの狙撃支援に対抗出来る兵装をアレは積んでいない。装甲が硬いことがネックだが、確実に入るダメージは無視出来ない筈。そしてターゲットが分散しハイレーザーライフルの弾幕も幾らか薄くなる。懐に入って、一夏君が『零落白夜』を一振りすれば幕引きだ。むこうも及第点を付けるだろうから、次の実験のハードルが馬鹿みたいに高くなることは無いだろう。

 

 「え……これは……」

 

 「どうしました?」

 

 オペレーターを務めている同僚が声をあげた。声色からして、困惑しているようだった。

 

 「避難が完了した区画に生徒の反応が……モニターに出します!!」

 

 そこに写ったのはサイレンで赤く染まった通路を全力疾走する篠ノ之箒(お転婆娘)だった。武士道を死ぬことと見つけてしまったかのように、戦場へまっしぐらである。これで彼女が死んでも自業自得としか言えないが、仕事上そういう訳にもいかないし、一応は教師なのだ。生徒を見捨てて減給だなんて真っ平御免だ。

 

 「何で篠ノ之さんが!?」

 

 「私が行きます。山田先生、織斑先生が戻ってくるまでの指揮を頼みます」

 

 管制室を出て、通路を走る。彼女が向かったのは入場用カタパルトがある方だ。大方一夏君を応援しようとでも思ったのだろう。もしくは心配したか。

 

 あぁ、いけない。余り誉められたことでは無いとは分かっているが、口の両端が吊り上がってしまう。

 

 身体中を巡る血が熱くなるのを感じる。僅かだが、気分が高揚する。早く、早くその場に辿り着きたいと、()()混ぜろと()が叫ぶ。

 

 戦いは忌避すべき物であると思っている。命を奪うという非生産的な行為が持つ意味はどれ程の物なのだろうと何度考えたことか。戦場は地獄であり、私は幾度となく地獄を這いずり回り、地獄を更に凄惨な物にしてきた。

 

 それと同時に私は理解している。戦いこそが人間という種──人類の可能性であるということを。戦いが、闘争が無ければ人々は締観と無気力の内に壊死するだろう。戦いがあったから人類はここまで来れたのだ。

 

 どちらにも傾けないのは、私が臆病者だからなのだろう。

 

 

 

 身体は闘争を求める。

 

 私は私がいつか辿り着く場所を口にする。

 

 「行こう、『シュープリス』」

 

 私は、何処までも堕ちていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『メインシステム、通常モードを起動しました。これより、作戦行動を再開。あなたの帰還を歓迎します』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇

 

 『一夏さん聞こえますか?これより支援を開始します。射線に入らないようにお気をつけください』

 

 アリーナでは一進一退の攻防が繰り広げられていた。いや、実際には決め手に欠ける勝負が延々と続いていたという方が正しいのかもしれない。

 

 第三世代機二機を投入しても仕留めきれない程の装甲の硬さ。必殺のジョーカーを使わせない為の厚い弾幕。どちらも中近距離で真価を発揮する機体を駈る織斑一夏と凰鈴音にとっては分の悪い相手だった。

 

 しかし状況は好転する。長距離、敵の射程外(アウトレンジ)からの狙撃支援が来たのだ。これにより、敵の意識が分散した。端的に言えば動きが乱れたのだ。これまで無機質に、機械的に動いていた挙動が乱れ、若干のラグや隙を見せるようになった。

 

 「鈴、奴の動きが乱れてきた。今がチャンスだ」

 

 「そうね。あんたの見立て通りって所かしら」

 

 一夏はこの謎の機体との戦闘中に拭い切れない違和感に悩まされていた。何処か感じる気持ち悪さ、不気味さ。まるで人形と戦っているような手応えの無さ。そこで彼は一つの仮説を立てた。眼前の機体が無人機ではないか、という物だ。

 

 この仮説は正しい。事実、IS学園を襲撃してきたこの所属不明機は無人機である。この事実に一夏が気付くことが出来たのは彼が剣道という形で人と相対する経験を持っていたこと、彼の本来持ち合わせていた才能、そして戦闘の中で成長したこと。これらの要因が重なり合い、無人機であるという結論に辿り着いたのだ。

 

 「今しか無い!!行くぞ、鈴、セシリア!!」

 

 「了解!!」

 

 『狙い射ちますわ』

 

 三機が仕掛ける。アウトレンジからの狙撃、狙撃の射線に入らないギリギリの機動で放たれる不可視の衝撃砲。そして起動されるジョーカー、『零落白夜』。

 

 「獲ったァ!!」

 

 一夏は確信した。背後からの完璧な奇襲。最高の軌跡を描きながら、必殺の一太刀が入る。口元には勝利を確信した笑みが浮かぶ。

 

 

 

 『一夏ぁ!!男なら……男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!』

 

 

 瞬間、時間が酷く遅く感じるようになった。振り上げた一撃は、前に進もうとする足は元に戻らない。確実に敵を破壊する為に前に進んでいる。

 

 ハイレーザーライフルの銃口が声を挙げた者へと向けられる。ハイパーセンサーのお陰で表情が鮮明に見える。事態を飲み込めてない表情だ。

 

 「ヤメロオオオオオオオオオオ!!」

 

 そして引き金は無情にも引かれた。眩い光が篠ノ之箒へと走った。爆煙が上がり、篠ノ之箒がいた場所を隠した。

 

 同時に視界が暗くなっていくのを感じた。何かが欠け落ちそうな、その瀬戸際に立つ感覚。

 

 『気を抜くな』

 

 声がした。聞き慣れた男の声だった。煙の向こうに死神がいた。その腕の中には五体満足の幼馴染み。

 

 最高の軌跡。必殺の一撃が振るわれた。その一撃と共に一夏の意識も沈んでいく。朦朧とする中で最後に聞いたのは死神の声だった。

 

 『よくやったな』

 

 織斑一夏は意識を手放した。

 

 

 

 

 




石井さん「着々と胃に穴を開ける準備が進められている気がする」

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