バトルシーンが難しい・・・
ー 神話の時代ー
「おのれ、外の世界の神風情が我々の邪魔をするか!!!」
まだこの世界に物理法則が存在しなかった時代、世界は神秘で包まれていた。
地の底には冥界があり、天空には神と天使が暮らしている。
そして神々は人間に試練と称し、様々な苦難を与えていた。
英雄や益荒男の最も多く生まれた時代である。
そんな時代の海の上。
そこでは、無数の神々がある一柱の神を取り囲んでいた。
「貴方には関係のない話でしょう。なぜそこの蛇共を庇うのです」
そう問いかけるのは古代ギリシアにて守護の女神とされた「アテナ」。
彼女はとある女神の美貌に嫉妬の感情を抱き、その女神とその姉妹をとある島にて怪物となるよう人間達をけしかけていた。
「そこの怪物共はいずれ人間を殺し続ける。そうなることは貴様も望んだことではないだろう」
そう唱えるのは雷を身にまとった古代ギリシアにて天空神として讃えられた全知全能の神「ゼウス」。
彼もその女神達が人々に殺し、犯される様を見ようと考え彼女達の苦しむ様を眺めていた一柱である。
ゼウスの言葉により周りの神々が黄金の神を責め立て始める。
他の神々はアテナが人間をけしかけていたことなど知らずに二神と共に批難を浴びせる。
その怪物共をよこせと・・・
我々の邪魔をするなと・・・
周辺の島々は、神々の怒りにより震え海は大きく波を立てた。
そんな中黄金の神はふと、自身の足元の島で震えている三姉妹を眺めた。
とても力のあるとは思えない者達だ。
二柱の女神達は一番下の女神をそっと抱きしめている。
彼女に周りの神々の罵倒が聞こえないように。
自身が風で飛んだ小石に当たることも構わずに。
自身も震えていることを隠すように。
黄金の神はその姿を目に収めた後再び神々に向き直る。
そして痺れを切らして直接手を下そうと神々が思い始めたその時ーーー
愚か者!!!!!!!!!
黄金の神の放った一言でオリュンポスの神々は皆一様に動きを止めた。
渦巻いていた荒波は収まり曇天に濁っていた空は何処までも続く青空へと変わっていた。
「・・・・・⁈」
そして静まり帰った海に再び黄金の神の声が響く。
「確かに私自身は、とある因果によりこの世界に来ただけのよそ者に過ぎぬ!」
「この世界の者達の行いに手を出すのは間違いだろう!しかし!私は貴様達神の在り方が気に食わない!!!!」
「弱い者達を踏みつけ!無垢な者達を食い物にし!人間達を自らの遊具とする!!!!!!」
「神とは本来見守る者だ!人間達の積み上げたものを見守り!それを無慈悲に奪おうとする者達から守る事!!!」
「それこそが本当の神の在り方なのだ!」
太陽の光でその身を輝かせ黄金の神は言い放つ。
そして黄金の神は自らのローブで三姉妹を神々に晒されないように庇った。
「だからこそ!私は無慈悲な貴様達と戦う!この世界の人間達を!この無垢な花達を守るために私はッ!!!」
命を賭けよう!!!
「・・・・戦っている。異界の神が、我々の為に・・・・・」
その声は人間達の元にも届いていた。
異界の神は迫り来る神々から一歩も引く事なく自分たちに背を向けていた。
なんの関係もないはずの我々を、本当の意味で守る為に戦ってくれている。
人々は涙を流しその黄金の神を讃えた。
そして足元の女神達もその顔を驚愕に染めていた。
彼女達は神として様々な神達を見て来た。
その在り方は様々だったが、たかだか人間や自分達の様な弱い者に手を差し伸べる様な者達は一柱もいなかった。
神としてはあり得ない。
だからこそ、その黄金の神の在り方はこの世界ではあり得なくーーー
同時にとても美しいものに感じた。
「上姉様・・・・?」
女神の姉は妹に呼びかけられるまで気づかなかった。
神である自分が、その瞳から涙を流していることを・・・。
本当の感情を表に出していたことを・・・。
黄金の神の放った言葉を皮切りに、再び神々が襲いかかる。
そんな中黄金の神は腰の剣を掲げて叫んだ。
「来るなら来い!そして聞け!我は異なる世界の者にして、全知全能の神!
ゼウス!!!又の名をZマジンガーである!!!!!!」
これは過ぎてしまったお話。
はるか昔の神話である。
ーendー
ゼウス「来いよ神々!権能なんか捨ててかかって来い!」
神々「テメェなんか怖かねぇ!野郎オブクラッシャー!」