Fate/Machina order   作:修司

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今回少ないですすんません!


セプテム編
魔神柱 前編


「・・・・いや、いや。ロムルスを倒しきるとは」

 

 

 

 

 

俺達は今、新たな特異点であるローマ帝国にて裏切り者・・・レフ・ライノールと再会した。

 

 

特異点に到着した自分たちはそこで戦っていたローマ帝国第五皇帝・・・ネロ・クラウディウスと共に、特異点の原因であるローマ連合帝国と衝突した。

 

 

連合帝国ではネロ以前の歴代ローマ皇帝が聖杯の力によって操られ、ネロのローマ帝国を飲み込もうとしていたのだ。途中ネロ自身も、自分が間違っていたのか?自身も神祖に下ったほうが良いのではないか?と思い悩むが連合帝国の下の兵士達の顔を見て誰1人笑っていないと、笑顔のない国があってたまるものかと宣言し神祖ロムルスと戦う覚悟を決める。

 

 

 

 

 

 

 

そしてロムルスをカルデアのマスターと共に打ち倒し一息ついたところに・・・・カルデアを爆破し人類を裏切った張本人、レフ・ライノールが姿を現したのだ。

 

「デミサーヴァント風情がよくやるものだ。冬木で目にしたときよりも、多少は力をつけたのか?」

 

そして自分たちをどうでもいいものだとでも言うように見渡すと

 

「だが所詮はサーヴァント。悲しいかな、聖杯の力に勝ることなどあり得ない」

 

「・・・・・!」

 

その視線に反発するように自分たちは戦闘態勢を整える。

 

『すっかり裏切りが板についたんじゃないか、レフ教授』

『と言うより、そっちが素なのかな。カルデアにいた頃より活き活きとしているよ、君。』

 

「ドクター!無駄口は後だ!それよりも準備を!」

 

俺の言葉にドクターは大丈夫、いつでも行ける!と答える。

「?・・・ほう、いっぱしの口を聞くようになったね、少年。聞けばフランスでは大活躍だったとか。まったくーーーおかげで私は大目玉さ!」

 

「本来ならばとっくに神殿に帰っていると言うのに、子供の使いさえ出来ないのかと追い返された!おかげでこんな時代で後始末だ。聖杯をふさわしい愚者に与え、その顚末を見物する愉しみも台無しだよ」

 

その言葉を聞き自分たちは理解した。

その時代をを狂わせる人間、あるいは英霊に聖杯を授けてしまえば自体は勝手に狂っていく。事実フランスではそうだった。

だが今回はーーー

 

「神祖は人類の滅びを望んでいなかった。だからーーー」

 

『君が自らの手で干渉するしかなかったと言うコトか』

 

「ほざけカス共。人間になんか始めから期待していない」

 

そう言うとレフはこちらの方を睨み

 

「君もだよ、藤丸立華」

 

「凡百のサーヴァントをかき集めた程度でこのレフ・ライノールを阻めるとでも?」

 

その言葉に自分は口元に少し笑みを浮かべて言う。

 

「どうかな?この藤丸立華。あの時の何も出来なかった時とは違うぜ!」

 

「あぁ、君は確かに成長した。無駄にあがけば無駄に苦しむとも分からない、その愚かさが実に成長したとも!人理を守るぅ?ーーー馬鹿め。貴様達では既にどうにもならない!」

 

 

「抵抗してもなんの意味もない。結末は既に確定している。貴様達は無意味!無能!哀れにも消えゆくお前達に!今!私が!王の吸愛を見せてやろう!」

 

 

 

次の瞬間・・・レフはその体をかがめると噴き出すかのようにその体を別の存在へと変化させていった。

体は醜く膨れ上がり中から黒い触手がその体を包んでいく。

そしてそれは柱の形となるとーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いくつもある大きな眼球を開いた。

「・・・・・!」

 

「なんだあの怪物は・・・・・!醜い!この世のどんな怪物よりも醜いぞ、貴様!」

 

『サーヴァントでもない、幻想種でもない!これはーーー伝説上の、本物の悪魔の反応か・・・・・⁈』

 

 

「改めて紹介しよう。私は、レフ・ライノール・フラウロス!」

 

「七十二柱の魔神が一柱!魔神フラウロスーーーこれが王の窮愛そのもの!」

 

 

「おぞましい・・・・・・悪逆そのものではないか、これでは!」

 

その言葉を皮切りに魔神柱ーーーフラウロスはその目を輝かせ

辺りを業火で包み込んだ。

 

「ほざけカス共が、さぁ!どうする藤丸立華!」

 

「たったそれだけのもの達でこの私にどう立ち向かう!」

 

 

ネロその言葉を聞き藤丸を見やる。

しかし藤丸の目はあんな化け物を見ても一切動揺していない。むしろ待ってましたとでも言わんばかりに勇敢に睨みつけていた。

 

 

「笑わせんな!お前が何者であろうと関係ない!」

 

「俺だって、真の魔神の力を見せてやる!マシュ!」

 

「了解です!転送ゲート、展開!」

 

「ドクター!」

 

『わかった!転送開始!』

 

その言葉を始めとし、カルデアのチームは何かを準備し始めた。

それを魔神柱フラウロスは何かをされる前にと瞳を輝かせ、再び藤丸達を燃やし尽くそうとした瞬間ーーー

 

 

 

 

 

 

 

巨大な陰がその前に立ちふさがった。

 

「な!?」

「なんだと⁈」

 

その姿を見てフラウロスは困惑する。

ネロは最初その大きさに全貌を眺める事が出来なかったが、それは巨大な人型だった。

自身の十倍はあろうかと言うほどの巨体。

 

全身は黒鉄色で辺りの炎の光を反射して輝いている。

そしてその巨体はフラウロスの業火をくらい続けてもびくともしていない。

まさしくそれは黒鉄の城

 

「パイルダー準備整いました、先輩!」

 

「了解!行くぞ!」

 

巨人の後ろで藤丸は赤い乗り物に乗り込む。

その瞬間乗り物・・・ホバーパイルダーは空へと飛び上がった。

そして巨人の頭に当たる部分に向かっていく。

 

「パイルダアアアア!」

 

パイルダーはそのまま巨人の頭急降下し、巨人と一つになった瞬間ーーー

 

 

 

 

「オオオオオオオオン!!!」

 

巨人の瞳に光が灯った。

 

ネロはその感情が分からなかった。

今まで美しい、と感じるものは多く見てきた。

しかし今目の前にいる巨人に感じているこの気持ちはなんだ? 美しいではない、しかし心の奥から湧き上がってくる熱い気持ち。決して嫌なわけではないこの気持ちは。

 

 

 

それは現代の誰もが一度は感じる感情。

誰かの為にその身を盾として、平和を求めて悪を討つ背中。

その感情はまさしくーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「かっこいい・・・!」

 

 

一方フラウロスが感じているのは別の感情だった。

なんだあれは。

ロボット?いや、違う。たかが機械仕掛けのおもちゃにこんな感情は芽生えない。

フラウロスは目の前の巨人から感じるオーラを何処かで見た事があった。

それはいつだったか、この時代に来る前にのぞいた歴史・・・

ローマが生まれるよりも昔・・・神代の時代にて。

 

迫り来る神々を相手にその身を盾にして人間共を守っていた者。

 

雷と光を操りこの星をかの白い巨人から守った全知全能の黄金の神。

 

 

 

 

あの黄金の神に似ている。

 

 

 

 

「き・・・!貴様は一体、なんだ!」

 

声が震えている。

フラウロスが感じている感情、それは魔神が感じるはずのない感情。

 

 

 

 

その名はーーー 恐怖。

 

「聞いて驚け!」

藤丸が叫ぶ。

この場に漂う絶望を吹き飛ばすかのように

 

「これこそ、おじいちゃんの作ったスーパーロボット!」

 

 

 

「マジンガーZだ!」

 

そしてローマの地に、二つの魔神の名を冠する者達が君臨した。

 

「行くぞレフ・ライノール!マジーン・ゴオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある島で1柱の女神と2人のサーヴァントが、マジンガーZの出現した方向を眺めていた。

「ちょっと、何もない方向見てどうしたのよ?」

 

「フム、以外にも心配で眺めているのでわないカ?」

 

「こいつが⁈ないない!」

 

バーサーカー(タマモキャット)の意見を真っ向から否定するエリザベート・バートリー

そして女神はマジンガーのいる方向を眺めながら、それを懐かしむように静かに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼウス・・・・・・」

その瞳に一筋の涙を浮かべながら

ー続くー

 




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