Fate/Machina order   作:修司

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海の決戦「中編」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『立華くん、ヘラクレスと接触!以降は彼のバックアップに入るよ!』

 

「了解です。それでは私達はイアソンとの交戦を開始します!ドレイクさん!」

 

「あいよ!面舵いっぱい!」

 

舵を回転させドレイクは船をアルゴノーツに向ける。

マシュ達は立華がヘラクレスと接触した後速やかに船の方に移動していた。

立華の考えた作戦。

それは「自分一人がヘラクレスと戦い残りのサーヴァントをイアソンに向ける」という正気とは思えない作戦だった。

しかし立華にはマジンガーZという大きな力があったしマジンガーZもヘラクレスを圧倒し得るほどの力を持っていた。

立華は何とか全員を説得した後、ヘラクレスと自身の戦いによってみんなに被害が出ないよう海の中に沈んでいった。

「みなさん!攻撃お願いします!」

 

「ああ、了解だ!訴状の矢文 ( ポイボスカタストロフィ)!」

 

 

「宝具展開!愛を歌うわ!月女神の愛矢( トライスター・ア・モーレミオ)!」

 

( アイオブザ・エウリュアレ)

「女神の視線!」

 

「僕もやらせてもらうよ!五つの石 ( ハメシュ・アヴァニム)!」

 

アーチャーのクラスがアルゴノーツに向けて宝具を展開する。

そして辿り着いたマシュ達はそのまま船の上に乗り込んだ。

 

「では予定通り、私達は敵と接触し交戦に入ります。ドレイクさん達はそのまま遠距離からの援護をお願いします。」

 

「任せときな。死ぬんじゃないよ!」

 

「はい!」

 

「ようやく戦闘か!腕がなるぜ!」

 

「行くぞ!あのランサーには借りを返す!」

 

「焼きつくします・・・・・」

 

「グウウウウウウウウウウウウ!!!」

 

船から離れたのを確認するとドレイク達は一定の距離をとった。

遠距離からの支援に徹底することでマシュ達にまで被害を出さない為だ。

そしてマシュ達は船の甲板に躍り出ると目当ての人物---イアソンを確認する。

 

「よくもやってくれたなお前ら!ヘラクレスはどうした!?」

 

イアソンは彼女達が全滅していないことに疑問符をあげる。

ヘラクレスは確かに彼らを皆殺しにするためにかけていったはずだった。

しかしそれでも攻撃は止まず、挙句の果てには船への侵入を許してしまった。

やられてしまったか?いやありえない。

ヘラクレスを倒すにはBランク以上の攻撃を10回以上当てなければ勝てないはず。

しかしそこで隣で見ていたメディアが何かおかしいことに気づく。

「イアソンさま、彼らのマスターが見当たりません」

 

「なに?」

イアソンは言われて気づく。

確かに、自分に向かって無礼な態度を取っていたあの男だけが見当たらない。

おかしい、と思いつつマシュ達を見つめたイアソンはその瞬間ある考えが浮かんだ。

 

「まさかお前ら・・・!ヘラクレスをあのマスターと戦わせているのか?!!」

 

マシュ達はイアソンを強く睨みつける。

イアソンはしばらく口を開けたまま目を見開くとやがて大笑いし始めた。

「ははははははははははははッ!正気かお前ら?!大英雄ヘラクレスだぞ?たかが人間のマスターごときにどうにかできると思っているのか!」

 

「いいや!時間稼ぎにもなりはしない!お前達はわざわざ勝ちをくれに来てくれたようなものだ!」

 

「いいえ!私達は先輩を信じています!先輩だったら相手が何であろうとやってくれるはずです!!」

 

その答えにイアソンはニヤケながらマシュ達を見るとヘクトールとメディアに指示を飛ばす。

 

「ヘクトール。ちょっと遊んで来なよ。メディアは私の守りとサポート。馬鹿な奴らに我々の力を見せつけてやろうじゃないか!」

 

「はいはい。んじゃま、ちょっくら行ってくるよキャプテン」

 

「わかりました。防御壁展開」

それを見てマシュ達もイアソンを討つべく武器を構える。

 

「来ます!」

 

「ガアアアアアアッ!!」

 

ヘクトールの突き出した槍とアステリオスの斧によって発生した衝撃波が周りの竜牙兵を吹き飛ばす。

ヘクトールは一旦後ろに下がると今度はクー・フーリンに向けて槍を突き出す。

「ハッ!そんな大振り当たるかよ!」

 

「知ってるよそんな事・・・」

クー・フーリンはその突きを避けるが槍の行く先にいたのは

 

「くうッ⁉︎」

 

「ネロさん!!!」

 

「慌てるでない!」

 

「今のを避けんのか〜。やっぱ攻めって苦手だわ」

 

槍によって手先を傷付けたネロはすぐさま剣に炎を灯し横薙ぎに振るう。

高くジャンプする事で避けたヘクトールは着地し船の甲板を蹴り上げる。

するとかけらが清姫のところに飛んで行き一時的に視界を妨げた。

「・・・・甘いですね」

 

しかし清姫は口から灼熱の焔を吹き出しかけらを消滅させた。

焔は消えずそのままヘクトールの元へと流れて行く。

焔を確認した瞬間それを避けようとする。

しかし

 

「マジ!?」

 

焔は通りすぎる事なくヘクトールを追尾し始めたのだ。

これは清姫のスキルである「ストーキングB」による合わせ技である。

この焔に狙われた獲物はその身を焼き尽くされるまでついて行く。

「旦那さま以外の方を長々と追いかけるつもりはありません。早々に焼けてくれませんか?」

 

「あいにくおじさんそんなお人好しじゃないのよ」

ヘクトールは近くにいた竜牙兵を焔に投げつけ追尾から逃れる。

そして前方から突撃して来たアステリオスの顎に蹴りを食らわせた。

脳を揺らされ足元がふらついた隙に槍で腕の健を切り裂く。

 

「アステリオスさん!?」

 

「野郎さっきからちまちまと!」

 

身体強化を使い持って杖で立ち向かっていく。

やはりランサーのクラスで有名なクー・フーリンだけあって、ヘクトールも中々攻めることができない。

だが

 

「こいつ・・・・!」

 

「俺が避けるだけでいっぱいだなんて何であんたキャスターしてんだい?」

 

避ける避ける避ける。

決定打を与えられない。

ネロも一緒になって斬りかかるがそれでも攻め切ることができない。

二人は一度その場から離れ武器に焔を灯し火の玉を放つ。

その様子を見ていたマシュは額に汗が滲んでいる。ネロとアステリオスはやはり先ほどの傷が痛むのか顔を曇らせ腕を抑えている。

弱体化

 

ヘクトールはそれを重点的にして攻めているのだ。

 

「一番決定打を与えられる二人が・・・・・!」

 

「やっぱヘクトールっつー名は本物みたいだな」

 

ヘクトールはかつてトロイア戦争にて軍勢を指揮し、個人の勇猛さをもってアカイア勢を敗北寸前まで追い込んだことがある。

防衛、持久戦のスペシャリストである彼を追い詰めるのは至難の技である。

長い戦いになる。

マシュたちがそう感じ始めていると。

 

「・・・・・・・」

 

間合いをつめたまま頰を掻き、ヘクトールはイアソンに叫んだ。

 

「キャプテン!流石にちょいと時間がかかりそうなんで。

 

 

 

 

 

 

 

...........

お願いしてもいいですか?」

 

 

 

それを聞いたマシュ達はイアソンの方を向く。

イアソンはここより少し高いところでメディアと共に結界の中にいた。

 

「ははははははははは!散々やられておいてそれか!だが許そう!私としてもさっさと終わらせたいのでね。メディア!」

 

「わかりました・・・・」

 

イアソンがメディアに命じると杖を振り魔法陣を展開する。

それを見ていたドレイク達は急遽攻撃を加える。

 

「まずい!あいつら何かするつもりだよ!!」

 

「やらせるか!!」

 

アタランテが弓を引いて魔法陣向けて矢を放つ。

しかし防御も同時に展開している為か効いている様子がない。

 

「オイオイオイオイ!やばいんじゃねえか?!!」

 

「突撃します!」

 

マシュも魔法陣を見て冷や汗を流した。

なぜならあれはまずい、という事が一番わかるからだ。

そう、あの魔法陣はただの魔法陣ではない。それはマシュの盾にも搭載されているもの。英霊の座へとアクセスし、一騎当千のつわものどもを呼び寄せるもの。

 

超巨大な召喚陣である。

 

「君たちは大きな勘違いをしている!いや、そもそも忘れている!我々の手の中に聖杯はあるのだぞ?ならば戦力差など

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いくらでも覆す事ができる!」

 

次の瞬間イアソンの聖杯が輝き、召喚陣の中から何かが溢れ出て来た。

 

 

 

「な!?」

 

「あ、あれはまさか?!!」

 

 

その黒い影は船の甲板ーーーマシュ達の前に溢れると、その一つ一つが形をあらわにしていった。

「まさか・・・これ一つ一つが・・・英霊!!?」

 

マシュは悲鳴に近い声をあげた。

無理もない。今もなお勢いを止めず溢れ出て来ているもの。その全てがシャドウサーヴァントとして溢れているのだ。

それを見てイアソンは再びワライを上げてマシュ達を見下した。

 

「どうだ?私の無敵の軍勢は!だから言ったのだよ、無駄だとね!

ヘラクレスも大きな手段ではあるのだが私の源はこの聖杯なのだ!これがある限り!私の神話は覆らない!!!」

 

そして最初の時と同じように手を挙げると、それを見ていた影達がいっせいにマシュ達に襲いかかって来た。

 

「さあ!あの悪の軍団を叩き潰すのだ!!!」

 

冗談のような光景が広がっている。

大剣を構えたサーヴァントがネロに向かって振り下ろす。

 

「ぐぬう!?」

 

空中で一回転して斬りかかるが片腕が傷ついて入る状態ではうまくさばききれない。相手も大剣を器用に操りネロの乱舞をさばく。そして再び振り降ろされた時、ネロは後ろに吹き飛んで行く。そこには三体のサーヴァントが。

 

「ネロさん!危ない!」

 

咄嗟にマシュはシールドバッシュをすると共にネロを守る。金属同士のぶつかる音が船に響くが、同じくシールドを構えていた三体に効いている様子はない。

「マシュよ、まずいぞ!!!こやつら全員雑魚ではない!!!」

 

「ッ・・・・・・!先輩は、先輩はまだ・・・・?」

 

マシュはヘラクレスと共に海の中に入っていった立華のことを頭に浮かべる。そんな時マシュの耳に立華のサポートをしているはずのロマンの声が聞こえた。

 

『マシュ?!!マシュはいる?!!』

 

「ドクター!!?先輩はどうしたんですか?!!」

 

マシュは咄嗟に立華の安否を訪ねる。

しかしドクターから聞かされたのは最悪の事態だった。

 

 

『大変なんだ!立華くんの・・・・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立華くんの反応がロストした!!!』

 

「「「「 「!!!」」」」」

「・・・え?」

 

その言葉に咄嗟に動きを止めてしまったマシュに、サーヴァント達が迫る。

 

「!しまッ」

 

「ぐむううッ!!!」

 

横薙ぎに振るわれたメイスがアステリオスの横顔にぶつかる。

その巨体故にしばらく耐えていたが、耐えられなくなり船の端まで吹き飛ばされる。

 

「アステリオスさん!!」

 

「やべぇな・・・・!時間稼ぎにすらならねえぞこんなもん・・・・!」

 

クー・フーリンは船からウィッカーマンの一部を召喚する事で打たれ弱い清姫を守っていた。しかし宝具の一撃一撃には耐えられずにすごい速さで崩れて行く。

 

「ドクターさん・・!旦那さまの身に一体何が・・・・!?」

 

 

『ああ、途中まで確実に捉えて居たんだけど急に消えるみたいに反応がなくなった・・・!こちらでもなんとかラインを探しているが見つからない。このままでは・・・・このままでは彼が意味消滅してしまう!!!』

 

「そんな・・・・!」

 

「もう無理だ!敗れる!」

 

瞬間清姫とクー・フーリンに無数のサーヴァント達が組み伏せる。いくら二人でも数の暴力には対処できずに床に抑えつけられてしまった。

 

「・・・・やべえ・・・・しくじった・・・!」

 

「この・・・・!離しなさい!」

 

「清姫さん!クー・フーリンさん!」

 

 

 

 

 

 

その頃ドレイク達の船の方も対処に追われていた。

 

「こいつら!大砲がきかない!」

 

「船長!もう限界です!このままでは船に乗り込まれちまう!」

溢れたシャドウサーヴァント達はドレイクの船にも乗り込もうとしていた。彼らは主人の命令通り、エウリュアレを捕まえようと集まっているのだ。

 

「くっ!貫いても貫いてもきりがない!」

 

「きゃー!ダーリン助けてー!」

 

「俺に引っ付いてる暇あったら撃ち続けてくれたのむから!?」

 

なんとか船に近づけないよう近くの物から倒し続けてはいるが、奴らは消え去る前の死体を踏み台にして登って来ようとする。

「波も強くなって来たな・・・!このままだと持たないかも、ね!」

 

宝具をブラックジャック「殴打武器」のように使いながらダビデは呟いた。

このままでは船に彼女らを迎えに行けなくなってしまう。

 

「この!この!女神に重労働させるなんて何様のつもりよ!」

 

彼女達はどんどん追い詰められて行く。

 

 

 

 

 

「ぐううう・・・!ぐあがあうううううう!」

 

「アステリオスさん!?今助けます!」

 

マシュはシールドを構えてサーヴァントの群れに突進して行く。しかし行く手をはばまれるばかりで近づく事が出来ない。

その間にもアステリオスはサーヴァント達の鎖や拘束用の宝具により縛られていく。

「この!これで・・・!倒れて!」

 

サーヴァントはどんどん溢れて全員を拘束して行く。

「ここで余の宝具を使うのは・・・!」

ネロも五体満足ならば、全員を一気に殲滅する事も可能だっただろう。だがヘクトールとの戦いで弱体化してしまった今の状態ではとても出来るようなことではない。

次の瞬間ネロは剣を弾き飛ばされ手ぶらになる。

そこを狙ってサーヴァント達がネロに向かって槍や弓を放つ。

 

「ぐ、う、くっ、あああああああああッ!」

 

そしてネロは船のマストに縫い付けられ全身の激痛によって気を失った。

 

「りつ・・・・か・・・・」

 

「ネロさあああああああああああああああんッ!!!」

 

マシュはシールドを横薙ぎに振るいサーヴァント達を吹き飛ばす。立華さえ辿り着けばこの状況をなんとか出来る。それを考えてマシュはある事に気付く。

 

(先輩とのラインが・・・・・・消えている?!)

 

それはとんでもない事態だった。

サーヴァントとマスターをつなぐライン。それが切れているのだ。それはすなわち、立華が死んだという事に他ならない。

 

(そんな・・・・・!そんな・・・・・!)

 

 

 

「先輩・・・!」

 

横から放たれたモーニングスターによってマシュの盾が弾き飛ばされる。丸腰になった彼女をサーヴァント達が押さえつけ、マシュは甲板のイアソンの前で拘束された。

 

「ご苦労さまー。随分楽しませてもらったよ」

 

マシュの前でイアソンが手を叩きながら笑う。

そんな様子を見たマシュはイアソンを強く睨みつける。

 

「ああ?なんだい?その目はさ!」

 

「ッ!」

 

平手がマシュの頰を打つ。

イアソンは彼女の顎を上げて見据える。

 

「なんだいなんだい?マスターとのラインも繋がってないじゃないか。やっぱりあの男はくたばったらしいね?」

 

「・・・・!そんな事はありません!先輩は・・・!先輩は!」

 

「あーあーもういいよ。お前達はこれが終わった後でじっくり可愛がってやる」

 

そういうとマシュを突き飛ばしイアソンはドレイク達の方を見つめる。

 

「もうすぐ女神も私の元に来る。そしたら後は契約の箱を手に入れるだけ!ははは!やはり正義というのは勝つと決まっているんだね!」

 

「はい。イアソンさま、これで貴方は再び王になれる。今度こそ正しく民を導く事が出来ます」

 

「ははははははははは!さあ、それじゃあヘラクレスを呼び戻すとしよう!そのためにお前達を殺さずに生かしたんだからね!」

 

どうしようもない絶望がマシュ達に降り注ぐ。

ここでヘラクレスが来たら完全にこちらに勝機は無くなるだろう。

マシュは何度もラインを確認するが立華との念波は繋がらない。

(先輩!先輩!答えてください!先輩)

 

 

「お願い・・・・!」

 

マシュは悔しさに涙を流す。

きっとイアソン達はこのまま船にいるエウリュアレを捕まえるだろう。

そしたらもう誰も止められない。

今までの事が全て無駄になってしまう。

そんな思いが頭に浮かんでは消えて行く。

マシュは動けない中奥歯を噛み締め、立華の顔を思い浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ここで皆さんに質問したい。

 

彼らが戦っている海は四つの島に囲まれており、風があまり吹くことのない場所である。

そんなところでダビデはこう呟いた。

 

 

 

波が強くなっている

 

 

 

これは一体なにを意味するのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に異変に気付いたのはヘクトールだった。

 

(波が・・・・・)

 

船の端で見ていたヘクトールはだんだん船の揺れが大きくなっている事に気付いた。

この辺りはいつも穏やかで、渦潮なども起こることなどない。

強い風なども吹いている様子もない。にもかかわらずどんどん船は揺れているのだ。

 

「なんだ?」

 

次に気づいたのはクー・フーリン。

彼は地面に押さえつけられていた故にその異変に気付いた。

(衝撃音・・・?)

 

床に耳を当てると聞こえて来る。

船の底。いやもっと下の海底で何かの音が聞こえて来るのを。

 

「おや?なんだか船が動いてないかい?」

 

碇を下ろして止めていたはずの船がだんだん動いている。

イアソンのそんな疑問符にマシュは顔を上げる。

それはだんだんと早くなっている気が

 

(一体・・・)

 

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全令呪をもって命ずる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マシュ達の耳に、今一番聞きたい人の声が響いた。

 

 

「ッ・・・!!!」

 

「今のは・・・?」

 

 

 

至急!全員でドレイクの船に転移せよ!!!

 

 

 

それが聞こえた瞬間マシュ達は全員ドレイクの船へと転移し、アルゴノーツを眺める形になる。

 

「!なんだ!今一体何が起こった!?」

 

イアソンは突然目の前で敵が消えた事に驚愕した。

そしてドレイクの船を見てそこに全員が逃げていることを確認した。

 

「無駄な足掻きを・・・!メディア!奴らを至急追いかけてくれ!」

 

「かしこまり・・・!」

 

しかしそれを追いかける事は出来なかった。

アルゴノーツは突然現れた巨大な渦潮によってどこにも動けなくなってしまっていたからだ。

 

「くう?!なんだ!なぜいきなり渦潮が!!?」

 

「イアソンさま!おつかまりください!」

 

 

ぉぉ ぉ ぉぉ

 

 

ドレイク達は突然現れたマシュ達に驚いていた。

 

「なんだいアンタたち?!いきなり船の上に現れるなんて?!」

 

 

「みなさん!今・・・!今・・・!」

 

「おう!確かに聞こえたぜ!」

 

おお ぉぉぉ ぉおお

 

マシュはアルゴノーツを飲み込もうとしている渦潮を眺める。

渦潮が目にわかる速さで強くなって行くのと同時に聞き覚えのある声がだんだん強くなって行く。

おおおおおおおおおお

 

 

 

 

そして渦潮から竜巻と言っても良いくらいの速度に達したとき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!」

 

 

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオッ?!!?!!」

 

 

 

 

渦の真ん中からそれはついにその姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジンガーZ!!!先輩!!!」

 

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 

それを見たマシュは涙に濡れた瞳でその名前を叫ぶのだった。

 

巨大魔神見参!!!

 

 

 

ー続くー

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そろそろオケアノス終わるなあ・・・・・

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