創作意欲を上げるためのリハビリです。よかったら見てください。
あと今日の話は少ないです。
「・・・・・・やって、くれやがったな・・・あいつら・・・・」
燃える船の中で黒髭は憤怒に燃えながら呟く。
ドラゴンの直撃した船は辺りに部品を撒き散らしながら浮いていた。
部下達はほとんどが死に、アンとメアリーも船と飛び散ったドラゴンの破片に押しつぶされた。黒髭はエイリークが盾になったおかげでなんとか押しつぶされることはなかったが、腹にヘクトールの槍を突き刺され今にも座に帰りそうだ。
「はっ、まーったく派手なことすんね奴さんら・・・」
「・・・・・なるほどな・・・・・。道理で・・・・・裏が読めぬ相手だと・・・・・」
ヘクトールは槍を引き抜くと共に黒髭の隠し持っていた「聖杯」を掴む。それと共に黒髭は光の粒子となって消えていった。
「まったく、馬鹿に聖杯を預ければ時代が狂うって話だったのにさぁ・・・・・。こんな事になるなんて知らねえぞ・・・・・」
しかしヘクトール自身もドラゴンの衝突により虫の息となっており、その足取りもふらついている。最後の力を振り絞りボートを出すとその上に身体を放り出す。
そして聖杯の魔力を解放した瞬間、ボートは目的地へ進んで行く。
「本命は女神の方だったんだが・・・・こいつはちょっとキツイかな。一旦引き上げて体制を立て直さねえと・・・・」
ボートは進む。
傷ついた英霊を乗せて。
煙に巻かれて動くボートに、立華達は気づくことはなかった・・・・
「兄貴、どんな感じ?」
「ああ、直撃だ。船は衝撃でバラバラだ」
海岸のそばで立華達は燃える船を見ていた。
立華の作戦を聞いた後ドレイク達は船を島の陰に隠し、いつでも飛び出せるようにしていた。直撃を受けた船がもしまだ持ちこたえていたら、そのまま追撃を行うはずだった。
しかし見た所その必要はなさそうだ。
「先輩!聖杯の回収を行いたいので来てくれませんか?」
マシュの呼ぶ声に立華は答え、マジンガーを回収してもらいパイルダーで船のあった場所へと飛んで行く。
「しかし随分と大胆な発想でしたね・・・・」
「ああ、俺もドレイク達に毒されて来たのかもしれないな」
この作戦を提案したところドレイクから男らしい良い案だと肩を叩かれた。そしてマジンガーから放たれた神秘の砲弾は、黒髭の船をバラバラに吹き飛ばした。
これで聖杯を回収すれば今回の特異点は解決する。
そう思い船の残骸に近づくが・・・・・
「あれ?聖杯がない・・・・」
「おかしいですね・・・・聖杯は本来持ち主を求めるため海に沈むということはないと思うのですが・・・・」
そう、聖杯が見つからない。
本来ならば海の上であろうと持ち主を求め浮かぶかのようにあるはずなのにだ。
立華はロマンに聖杯の反応を調べてもらおうとした瞬間
『大変だ!聖杯が船にいたサーヴァントに奪われてその場所からどんどん離れている!』
「なんだって!?」
「まさか!?」
ロマンの言葉に二人は驚きの声をあげる。
まさかあの衝撃から生き残っていたサーヴァントがいるとは。 二人は慌てて岸に戻り、待っていたドレイク達に言う。
「みなさん船に乗ってください!聖杯があの中の誰かに持ち去られました!」
「なんだと!」
「!」
サーヴァント達はその声に反応してすぐさま船へと乗り出す。 パイルダーは船の上へゆっくりと着陸するとドレイクの元へ急ぐ。
「へっ!海賊からお宝を横取りするなんざやってくれるじゃないか!」
「ドレイクさん!」
「わかってるよ、野郎ども!帆を張りな!」
ドレイクの掛け声に部下たちが答え、マストの上に登っていく。
しかし立華はそれに待ったをかける。
「待ってくれドレイク!多分今のままじゃ間に合わない!」
「はぁ?!アタシの船が遅いってのかい!」
「いや、そうじゃない。ドクター!マシュ!」
「了解です!」
『またあれをやるのかい・・・・?』
ドクターの声にサーヴァント達は嫌な予感を感じる。
ドレイクも思いついたその考えに顔を青くする。
船内のそんな様子を見てオリオンとアルテミスは頭に疑問符を浮かべた。
「な、なんだ?何が始まるって言うんだ?」
「オリオンさん、アルテミスさん、捕まってください。
ぶっちぎります!」
「全員対ショック体」
しかしドレイクの叫びよりも早く、船はロケットパンチの推進力で凄まじいスピードで目的の方向まで進んでいった。
「にどとするなととととととっ?!!?」
「ドレイクさん聞こえません!」
「失礼します。お邪魔しますねマスター」
とある船の上。
そこで薄紫の髪の杖を持った少女が金髪の男に話しかけた。 男は振り向き人の良さそうな笑顔を浮かべ答える。
「おお、どうしたのかな!愛しい君よ!」
その言葉に少女は淡々といった感じで報告する。
「ヘクトール様から連絡がありました。どうやら女神の奪取に失敗したそうです」
「・・・・・はぁ?」
報告を聞いた瞬間金髪の男はその顔を憤怒に染めると近くにあった樽を蹴り飛ばす。
「何やってんだよあいつは・・・・この私が、誰よりも強く無敵の存在になるために必要な物を撮り損ねただぁ?あの役立たずのクズが!」
樽はその力に耐えられず砕ける。その様子を見ていた少女は先ほどと同じように男に話しかけた。
「イアソン様、しかし黒髭の持つ聖杯の奪取には成功した模様です。今はそれを届けに戻ってきているとの事」
「・・・・・!ふう、落ち着いた。いや、すまないね。つい取り乱してしまった。しかしヘクトールの奴手ぶらではないようだね」
壁に手をついて金髪の男「イアソン」は少女に再び笑顔を向ける。 そんな変わり身を一切きにする様子もなくイアソンは少女に語りかける。
「しかし君も疲れているようだね。大丈夫かい?」
「なにしろ長時間この船の動力炉になっているんだ。辛くなったら言って欲しい。ほら。ほんの少し、ほんの少しぐらいなら休憩も考えてあげるからね」
「あ、ありがとうございます・・・・・!でも大丈夫です、そのお気持ちだけで頑張れます!」
少女の言葉を聞きイアソンは満足そうに頷く。
「それではイアソン様、ヘクトール様を迎えに行きましょう。どちらにしろ次のアレを探しに行くには聖杯は必要ですから」
「我らアルゴナイタイのメンバーは絶対不敗の英雄達。寄せ集めの彼らに勝てる道理はありません」
イアソンは先ほどまで浮かべていた人の良さそうな笑顔を崩し頰を裂いたような笑みを浮かべると腕を広げて言う。
「そうだね!その通りだ!我々は最強だ!間違いなく、文句なしに最強だ!なにしろ世界最強最大の英雄と魔女がついている!ああ、1人どうしようもない女がいたが」
「ふん、月の女神などに純潔の誓いを立てて、私の誘いを断るとはな。今頃は鮫に食われてる頃か。いい様よ」
そしてイアソンは船の真ん中に立ち乗組員の前に出ると演説のごとく語りかける。
「さあ諸君!!出立の準備だ!」
「『契約の箱』を!『契約の箱』を手に入れよう!それは黄金の羊など歯牙にもかけぬ究極の財宝。私は!聖杯と『契約の箱』とで、この四海の王になる!!」
乗組員達はその言葉に雄叫びにあげた。
イアソンはそんな中で高笑いをし、いずれ来るこれからを想像する。
そうして原初の海賊船『アルゴノーツ号』は、そのままヘクトールを追う立華達の船の元へ向かう。
その上に岩色の巨人を乗せながら・・・
-続く-
この金髪 ビキビキ
この金髪ワカメめ!