Fate/Machina order   作:修司

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お待たせしました!

昨日の暑さはひどいですね。

熱中症で一日中寝込んでましたよ・・・・。

ですがなんとか一本仕上げられました!


船の補修

 

 

 

 

「二度とあんな事はやめておくれよ・・・・」

ロケットパンチの推進力で浜まで戻って来たドレイクはそう呟く。

いくら海賊とはいえあのスピードで動くのは初めてらしくみんなグロッキーになっていた。

「アンタ達は平気そうだね・・・」

 

「まぁ慣れてますし」

「こんなものになれるなんて普段どんな事してんのよ・・・」

 

「め、が、まわ、る・・・・」

 

ドレイク達は立華達をドン引きした目で見ている。

しかし無理もないかもしれない。

対象に穴を開けるほどの衝撃を推進力にしたのだ。

無事に岸までたどり着いただけマシだと思う。

 

「しかしま、水が入る前に沈まなくて良かったぜ」

 

「ドレイクさん、船の方はーーー」

 

「駄目だね。とてもじゃないが動けやしない。でもあの腕で船を海岸まで運んだおかげで、修繕作業だけはなんとかなると思う」

 

「だが材料が足りない。この島の木を切って材木にするしかないか・・・・」

 

そう言ってドレイクは森の方を見る。

森からは鳴き声とともに自分達を襲うために魔物が複数寄って来ている。

 

「とりあえず状況を立て直したいです」

 

「やれやれ、じゃああいつら片付けたらあの大ボケ海賊に一発かますためにどうするべきか、一つ相談するよ!」

 

ドレイク達は襲いかかる魔物に船を護る為に、武器を構えむかえ討った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「船の性能にそれほど違いはなかった。問題はあの装甲の厚さかねぇ」

 

「はい、こちらの船に配慮したとはいえロケットパンチの衝撃を受けて沈まない辺り宝具としての能力でしょうか。・・・・・ドクター、黒髭について詳しく教えてください」

 

ドレイク達は魔物を倒しながら森の奥に入り、材木を集めていた。

そしてロケットパンチを食らったのにもかかわらず甚大な被害を免れた黒髭の船について考える。

 

『ああ、黒髭はそこにいるフランシス・ドレイクの100年後に生まれる海賊だ。本名はエドワード・ティーチ。カリブ海を支配下に置いた海賊の一人。船を襲う際、抵抗しなければ無傷で解放したが抵抗すれば皆殺し。ナッソーを拠点とした彼はヴァージニアからホンジュラスまでの海を愛用の船で荒らしまわった』

 

「愛用の船って?」

 

『『女王アンの復讐号』という。彼はそこに三百人の部下を乗せた。その船を中心に大船団を築き上げた彼は、まさに最強最悪の海賊の一人として君臨したのさ』

 

『・・・・・そんな大海賊が、ねえ。まさか、ねえ』

 

気持ちは解る。

歴史的大海賊がまさかあんな事になっているとは誰も思うまい。

というかあのネットスラングは聖杯の知識だろうか。

だとしたらなんと罪深いのだろう聖杯。

 

「ロマンよ、その先はいい。あまり思い出したくない」

 

「あれが精神汚染というものなのでしょうか・・・・」

 

「二人とも顔色が・・・・」

 

「海賊ってのはみんなクズだが、その中でもさらにクズ。キングオブクズ。それがあれ」

 

「みんな、すまない。同じ海賊として本当にすまない」

 

ドレイクが謝りながら凄い顔をしていた。

あまりにも酷すぎる同業者に、自分自身も申し訳無く思ったのだろう。

 

「そ、それはそうとドクター。宝具として可能性のあるエピソードとかない?」

 

空気を変える為にドクターに話しかける立華。

あれ以上考えるのは体に悪そうだ。

 

『いくつかあるが・・・やはりあの船そのものが宝具という可能性が一番高いと思う。戦闘中一番魔力の波動が大きかったし』

 

しかし見た所こちらも聖杯の力によって宝具並みの威力を出していた。

なのにもかかわらず明確にあちらの船の方が波動が強いというのはなぜだろうか。

 

「あとなんでエウリュアレを攫おうとしてたのかも気になる。聞いたところによると聖杯はついでっぽかったし・・・」

 

「・・・・・・ただの趣味じゃねえか?」

 

クー・フーリンの言葉に再び嫌な空気が走る。

エウリュアレ本人なんか絶望しきった顔でアステリオスの頭に抱きついている。

とにかくこのままでは黒髭の船には勝てない。

なんとか奴の攻撃から船を守れればいいのだが・・・・。

 

「船の上にZが出せればいいんだけど・・・・」

 

「先輩さすがにそれは・・・」

いくらなんでも沈んでしまう。

30メートル近くの金属の塊だ。

こればかりはロケットパンチを撃つことしかできない。

そこまで考えていると、再び遠くから獣のような声が聞こえてきた。

 

「また来たか・・・・。清姫?お願いできる?」

 

「はい、お任せください」

 

そう言うと清姫は扇子に炎を灯す。

すると木の陰からワイバーン群が現れ立華達に襲いかかる。

「ハッ!!」

 

清姫の放った火の玉は群に直撃し、けたたましい鳴き声と共に地面に沈んでいった。

何匹か逃れたワイバーンもいたが、すぐさま清姫が炎を出した事で地面に落ちる。

その様子を見ていたネロは何かを思いつく。

 

「ム?」

 

「ネロさん?どうかしましたか?」

 

「イヤな、何か思い出せそうな感じがしてだな・・・・」

 

「へぇ、これが本物のドラゴンかい!ホントにトカゲみたいだねぇ!」

 

ドレイクは落ちたワイバーンを見て驚いている。

そして角や牙を触っている様子を見て、ネロが声をあげた。

 

「そうだ!こいつらを材料にすると言うのはどうだ!清姫の炎を受けても割れてない鱗を見るに衝撃には強いのではないか!」

 

「・・・・ネロ!それだ!」

 

「は?龍でアタシの船を補修するってこと?」

 

ネロの考えに立華は声を上げる。

確かに清姫の炎を受けてヒビ一つ入ってない鱗を使えば砲弾の一撃も耐えられるかもしれない。

ドレイクはその提案に疑問符を上げると、今度はエウリュアレが口を開く。

 

「・・・・・あら、いいわね。竜種の鱗ってのは、鎧に加工すれば鋼より頑丈よ。ただ相当な力を持つものでないと加工は難しいけど・・・」

「うー・・・」

 

「あなたがいたわね。やれる?」

 

「う」

 

彼女の言葉にアステリオスは答える。

アステリオスはマシュのシールドバッシュを受けても身じろぎ一つしなかったほどの力を持っている。

加工にはちょうどいい。

 

「アステリオスさんなら問題なさそうですね。では、さっそく鱗を剥いできます!」

 

マシュはそう言うとアステリオスと共にワイバーンの元に向かう。

その間立華は他のワイバーンの反応がないかロマンに聞く。

 

「ドクター、近くにワイバーンと同じ反応はない?」

 

『あるよ。ここから少し歩いたところに複数の反応が見られる。船の補修ほどではないけどそれなりに沢山いるよ』

 

「なるほどな。だったら話は早え。下手に考え事するよか性に合ってるさね」

 

腕がなるぜ、と言い杖を振りまわす。

船の上での戦闘ではやはり物足りなかったのかもしれない。

 

「よしわかった。ネロと兄貴は鱗のワイバーンの討伐を。清姫とマシュは剥ぎ取り。アステリオスと俺は船の補修を手伝うよ」

 

「先輩?船の補修なんて大丈夫ですか?」

 

その言葉に立華は大丈夫と答える。

幼い頃藤丸十蔵と共に過ごしてきた彼は、妹と共に祖父の仕事や作業を真近で見てきた。

そのおかげから彼は手先が器用になり、一度作業を観たのなら大体作り出せるほどになっていた。

ネロとクー・フーリンは他のワイバーンを探しに行き、清姫も鱗を剥ぐ為に倒したワイバーンのもとへ行く。

 

「それじゃあアンタ達に任せても大丈夫そうだね!立華とアステリオスには後で鍛治に会わせてやるよ!」

 

銃を構えてドレイクはクー・フーリン達に着いて行く。

そして立華とアステリオスも船へ鱗を運ぶためマシュの元に向かうのだった。

 

 

 

ー続くー

 




みなさん読んでくれていつもありがとうございます。

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