楽しかったです!
そして投稿です!
ドレイクの船で戦っているエイリークは、持っている斧を横薙ぎに振るいネロを弾き飛ばした。
「見事だ。こちらの攻撃を咄嗟に後ろに下がることで受け流している」
「貴様こそ我が剣撃をその大斧で防ぎ切るとはたいしたものだ!」
ネロはそういうと高く飛び上がり炎を刃に灯しながら切りかかった。
エイリークは斧を構えるとその攻撃を正面から受け止める。
「これを防ぎきるか!」
「伊達に王をやっていない!」
ドレイクの船に衝撃によるクレーターが出来る。
受け止めた剣の力点をずらすとそのまま跳ね上げる。
武器が上に上がったことにより、ネロは今無防備だ。
「!!!」
「獲った!」
しかしそう簡単にやられはしない。
「私の事も忘れてるんじゃない?」
そこにエウリュアレによる弓の攻撃がエイリークの体をかする。
その間にネロは体を後ろにブリッジさせ、横を向いた瞬間地面を蹴る。
それによりその場から瞬時に離脱する事が出来た。
「隙を見せたとはいえ今のを避けるか!」
「こちらこそ!伊達に皇帝はやっておらん!」
落ちて来た剣を掴み。ネロは再び嵐の様な剣撃を浴びせた。
その一つ一つを時に体を逸らすことで、時に斧で防ぐ事で対応する。
そしてお互いの一撃がぶつかった時、周りに衝撃がはしり風が吹く。
金属同士の擦れる音が響き武器から火花が散る。
(このままでは埒が明かんな・・・そろそろ決定打を与えたいのだが・・・)
ネロはそう考えながら剣に炎を灯す。
エイリークは炎に怯み一旦距離を取る。
その時
「なんだと?!」
ネロは剣をそのまま振り抜くと、炎は剣から離れかまいたちの様にエイリークに襲いかかった。
「だが、舐めるな!」
炎のかまいたちを防ごうと斧を振り回す。
しかしそれが間違いだった。
「今度こそ隙ありだ!」
「!!?」
ネロは炎で自分の体を隠してエイリークの隙をついた。
咄嗟の出来事にエイリークは反応出来ず、ネロの一撃をもろに受ける。
「チッ!そろそろ限界か・・・・!」
「まて!クッ!」
エイリークは斬られた肩を抑え黒髭の船へと戻って行く。
ネロはそれを追いかけようとするが船の大砲による揺れで足を取られてしまい逃してしまう。
「仕方ない・・・・!この船にも上がってくるやつらがいる。ここは防衛に集中した方が良さようだな・・・・・!」
ネロはそう言うと今度は敵の海賊達に向かって行った。
「大砲撃て、撃て、撃てエエエッ!」
ドレイクは部下に命じてありったけの大砲を撃っていた。
しかし装甲の違いからかあまり攻撃が通っている様子が見られない。
「クソ、ダメです!こちらの砲弾が弾かれちまいます!」
「装甲の分厚さが段違いです!やべ・・・・こっちきました!」
しばらくするとお互いの船は撃つのをやめ、その船体をぶつけ合わせる。
轟音の後黒髭の海賊達はドレイクの船へと乗り込んでくる。
「チッ、まったく!撤退するしかないか・・・・・!」
「この状況で逃げられますか!?」
「やるしかないだろ!砲弾、再装填!煙玉を使う。煙幕張りな!」
ドレイクの言葉にマシュは問いかける。
そこへ先ほどまで戦っていたランサーが隙を見て仕掛けて来た。
「よそ見してていいのかな〜」
「マシュ!危ない!」
「・・・・・・ッ!」
盾と槍のぶつかる音が響く。
マシュはシールドバッシュを放とうとするがランサーは寸前で躱し再び槍を振るう。
「さっきからしつこい、あの、男・・・・!」
「一撃一撃が受け流されてマシュの攻撃が通らない・・・・!」
マシュの放つ攻撃は空振りランサーの攻撃は一つ一つが確実にこちらを消耗させてくる。
シールダーという防御に徹底したクラスであってもこのままでは長く持たない。
「はっはァ!背中見せて「甘い!」ウゴァア?!」
背中から迫って来た海賊を足払いでバランスを崩し、そのまま海に突き落とす。
なぜか前回の特異点から明らかに身体能力が上がっている立華は、並みの兵士程度なら複数相手でも立ち会えるほどになっていた。
「先輩!あまり無茶は!」
「へぇ・・・・・手っ取り早くマスターを始末すればどうにでもなると思ったんだけどねェ・・・。なかなかいい筋してんじゃない?」
そう言ってランサーはマシュを盾ごと蹴りあげるとその右手の槍を投げつける。
しかしマシュは盾を横に振り回し弾き飛ばす。
「そう簡単にやられません!」
「なるほどなるほど。でもこの程度で潰れるようじゃ生かしておく価値もないしな。せいぜい「お前こそよそ見してんじゃねえか?」ッ?!!」
急遽二人組のサーヴァントを相手にしていたクー・フーリンが火の玉をランサーに向けて放つ。
「兄貴!あの二人組は?!」
「ああ、蛇の嬢ちゃんの炎で足止めしてこっち戻って来た・・・・・。そろそろ難しくなりそうなんでな」
「旦那様!お怪我はありませんか?!」
立華は少しずつ動いている船の様子を見てマシュ達に一旦戻るよう伝える。
全員が揃ったことを確認したドレイクは部下に帆を広げるよう命じる。
「これで良し!帆を開け!面舵一杯!こいつらから離れるぞ!あの図体じゃ速度はこっちの方が上だ!」
「わ、わかりやした!」
風邪を受けドレイクの船は動き出す。
しかし二人組のサーヴァントはそう簡単には逃さない。
「あ、船同士を繋いでいた綱が全部うたれた。撤退するつもりらしいね」
「ふぅん、銃の腕は私と互角みたい。さすがフランシス・ドレイク。生きて世界一周を成し遂げた最初の人物だけあるかしら」
「ーーーさて、このままではさすがに悪いし。少しは手伝いますか」
「真面目だねアンは」
「うふふ。私も服を焦がされ黙っているほど、お人好しではありません」
「海賊だからね」
「ええ、海賊ですから」
そう言って身の丈ほどの銃を持つサーヴァント「アン・ボニー」はドレイクの船の底に照準を合わせその引き金を引いた。
轟音がドレイクの船に響き渡る。
「く・・・・!何が起こった!?」
「船底で爆発が起こったらしいです!」
「なんだとぉ・・・・・!」
それを聞き立華は船底の方を見る。
その場所からは煙がモウモウと上がっており、このままでは水が入って来て沈没するのは目に見えていた。
「駄目だ、追いつかれる。船底の穴を塞ぎにいく!アタシが行くからアンタ達は船のバランスを取れ!」
「無茶言わないでください!おい、全員姐御を止めろ!」
海賊達がドレイクの体を抑える。
しかしドレイクはそのまま船底の穴を塞ぎに行こうとし、部下たちを引きずる。
立華はそれを見てマシュとドクターに言った。
「このままじゃまずい・・・・・。マシュ!盾を黒髭の船に向けてくれ!」
「あ、先輩!ロケットパンチですね!」
「ああ!ドクターも操作をよろしく頼む!」
『良し!任された!』
黒髭の船では本人がこちらをバカにするように煽っていた。
「お〜いBBA〜。このままだと追い付いちゃうぞ〜。その前にエウリュアレと聖杯落としてけよ〜」
「ねえアン?やっぱりさっきの船に寝返ってたほうが良かったんじゃ?」
「本当ですね。そうすればこんな女性に痴漢でもやるような声を聞かずに済んだかもしれませんしね」
「拙者の辺りが酷すぎてつらい・・・。しかしこのままだと楽に済みそうでごじゃるな〜www」
そう言うと黒髭は身を乗り出してドレイクの船を見る。
そしてふと、あの大きな盾がこちらを向いている事に気付いた。
「?一体何をし『ロケットパアアアアンチッ!』ファ?!!」
すると次の瞬間盾の方から黒い巨大な腕がこちらに向かって飛んで来た。
「な、なんじゃありゃあああああ!?」
「!ヤバイ・・・・・!」
腕はそのまま黒髭の船の横に直撃して船体を大きく傾ける。
バランスを崩した船は横に倒れそうな勢いである。
「ちょっとちょっと?!!何あれ?!なんでロボットの腕?!!ファンタジーしてたらいきなりロボットゲーが割り込んで来たんですが?!!」
腕はそのままドレイクの船の方に飛んで行き、指を開いて船を推し始めた。
船は凄まじい勢いで進んで行き、黒髭達が船体を元に戻す頃にはもうすでにドレイクの船と共に姿を消して言った。
「ポカーン・・・・・・」
あまりの出来事に困惑していたのか、黒髭達はそのまま腕の消えた方向をジッと見つめ続けていた。
ー続くー