Fate/Machina order   作:修司

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生放送面白かったですね
いやー、アガルタ楽しみだなー・・・









昨日休んですみませんでした。


黒髭「前編」

アステリオスとエウリュアレを連れて立華達は、船のある砂浜に戻ってきていた。

 

「しかしお主は本当にあの女神とそっくりだな」

 

「ええ、まるで双子のようですね」

 

ネロと清姫はエウリュアレの顔を見てそう呟いた。

確かに彼女は立華の目から見てもとてもそっくりで、仮に並んだらどちらがエウリュアレでどちらがステンノなのか分からなくなるだろう。

 

「そんなの当たり前でしょう?私達はもともと「完成された女神」として一緒に生み出された者。だから私は「ワタシ」でもありワタシは「私でもあるの」

 

「なるほど。わからん」

 

「先輩。つまり分身のような事では?」

 

「マシュ頭いいね」

 

なるほどなるほど、と頷く立華を見てエウリュアレは思う。

 

 

 

本当にこの人間達あの方が言う者なのかしら・・・・・汗 と。

 

 

「ま、それはともかくだ。早速その結界とやらを解除しておくれよ。」

 

ドレイクはエウリュアレにそう言うと、彼女はアステリオスに結界を解くように言った。

 

「わか、った」

 

アステリオスはそう呟くと大きく息を吸い、辺りを揺らすほどの大声をあげる。それと同時に何かが崩れるような音が響き結界は解除された。

 

 

 

「もう、大声上げるなら最初に言っとくれ!」

 

「うはー、すごい声だ。下手したら鼓膜が吹っ飛ぶな」

 

 

 

 

結界が解除された事で動くようになったので、立華達は早速船の上に登る。 そして海賊達がアステリオスを見て騒ぎ出す。

 

「デカッ!?デカい上に、コワッ⁉︎」

 

「え、姐御⁈この二人も連れて行くんスか?!」

 

「なあにが怖いだ!歴戦の海賊だろうが、アンタ達!そうだよ、この二人は客人だ。名前はえっと・・・・?」

 

「覚えなさいよ。エウリュアレ。それからこっちはアステリオス。一応言っておくけど、私達はあのマシュって人間と同レベルの存在だから」

 

エウリュアレはそう言って海賊達に手を出したら殴るわよ、と伝えるとドレイクの案内された部屋へアステリオスと共に入っていった。

 

「そんな攻撃的な・・・・」

 

「いいえ、淑女たる者このような時には釘を刺しておくものですよ」

 

「おおう・・・・清姫よ、怖いぞ」

 

「女性って怖いね兄貴・・・・」

 

「いや、あの嬢ちゃんが特別なんだろう・・・」

 

清姫は口の端から炎を少し灯し笑顔で言う。側から見たら怖い。すごく怖い。

 

 

 

「よし、そんじゃあ立華達も乗ったね。それじゃあ出航だ!」

 

 

 

ドレイクはそう言うと帆を広げ舵を回して、船の船体を沖の方に向けた。とりあえず無事に動いたので立華はため息をする。

 

 

 

「やっと動いた。しかしこの特異点は本当に色々な出会いがあるね」

 

「確かにそうですね。と言うよりもキャラの濃い方が多いのかもしれません」

 

 

 

やはり英霊は個性がないとなれない者なのかもしれない。そう考えると立華とマシュはそっと自分の陣営を見て、大変だなぁ・・・・と呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、ちょっといいか?」

 

立華はしばらくしてエウリュアレのいる部屋をノックした。

中から歩く音が聞こえ、しばらくすると彼女がドアを開けてこちらを見る。

 

「何よ。こっちはずっと迷宮の中に居たから疲れてるんだけど?」

 

不機嫌そうにこちらを見るエウリュアレに立華は少し迷った後質問した。

 

「いや、君とステンノが言っていた神様について聞きたいんだけど・・・」

 

「・・・・・」

 

しばらく無言で見つめた彼女はゆっくりとドアを閉め始めた。 それを見た立華はちょ、ちょっと!とドアに手をかける。

 

 

「何よ。私から貴方に言うことなんて何もないわ。」

 

「でもさ、気になるんだよ。 なんでその神様は俺たちがあの島に来るのを知ってたのか。なんであの宝石を渡したのか。そしてその神様は何者なのか。少なくとも、俺はその神様と話した事はないし、会ったこともない。おんなじ力は持ってるって聞いたけど・・・・」

 

そう言って疑問符をあげる立華。

 

当然と言えば当然である。 見ず知らずの神様が過去で自分たちを待っていて、その力を託すなんて気にならない方が難しい。

 

 

前回の形のある島でステンノに聞こうと思ったが、涙を流すその様子を見てとてもじゃないが話せる雰囲気でなかった為結局何も聞かぬまま帰ってしまった。

 

「そりゃあありがたかったけどさ、何も知らないままはいありがとうございますとは受け取りずらいだろ」

 

「・・・・そうね・・・・」

 

エウリュアレはしばらく考えた仕草をすると再びドアを閉めてしまった。

 

「ちょ!おーい!」

 

「貴方があの方について知りたいのなら、せめて全部終わってからにしなさい。そう簡単に話せる事じゃないのよ」

 

「で、でも「いい加減にしないとアステリオスぶつけるわよ」「りつか、えうりゅあれ、かおこわい。」わ、わかったよ」

 

立華はドアの前から離れるとマシュ達の元に行く。

 

「あ、先輩どこに行ってたんですか?」

 

「ああ、エウリュアレ達の言う神様の事について聞きに行ったんだけど何も教えてくれなくてさ・・・・」

 

「そう言えばステンノさんから、その神様の話を聞いてませんでしたね」

 

「剣の事とか泣いてた事とか色々聞きたかったんだけど・・・・」

 

そう言うと立華は頭を傾げる。

するとそこに清姫が立華の背中からぬうッと出てくる。

 

「旦那様。あまりその神様の事について、えうりゅあれさんにお聞きにならない方がよろしいかと・・・・」

 

「俺はたった今君に聞きたいことが泡のように思い浮かぶんだけど」

 

立華の声を無視して清姫は続ける。

 

「あの目は誰かを見つめている目です。何処かへ行った方の背中をずっと見つめ続ける瞳・・・・それが私にはよくわかる」

 

そう言ってドアの方を見つめる清姫。

その目はまるで鏡に映る自分を見つめるかのような光を灯していた。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・てか割とマジでどこから後ろにいたの?」

 

「やっと動いた、とおっしゃられていた所からですわ旦那様♡」

 

「あの時俺海を背にしてたんだけど?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えうりゅあれ、おこっている?」

 

「・・・・大丈夫よアステリオス。少し昔の事を思い出しただけ」

 

エウリュアレはそう言ってアステリオスとは別の方向に寝返りをうつ。自分達はあの約束の後、心を閉ざした妹に飲み込まれてその生を終えた。だがこうして受け取った者がいると言う事は約束は果たされたという事だ。

 

 

私(ステンノ)が判断したと言う事は間違いではないのだろう。

 

 

 

しかし、やはり納得のいかない部分があった。

 

「・・・・・・・どうして、会いに来てくれなかったの・・・・」

 

 

 

そう言ってエウリュアレはそっと目を閉じ、意識を夢の中へと落として行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姐御!前方に船一隻!」

 

あれから数時間たって、マストの上にいた海賊が突如望遠鏡片手に声を上げた。その声を聞いたドレイクはすぐさま意識を向けその部下に聞く。

 

「海賊かい?!」

 

「そうです!・・・・・ああ、あれだ。あの旗だ!姐御!あの船、俺たちをしきりに攻撃して来た連中と同じ旗を掲げてます!」

 

ドレイクはそれを聞くと身を乗り上げて部下の刺す方向を見つめる。立華達はその様子を見て戦闘態勢を整えようとした所で、忘れていた声を聞く。

 

『マシュ?!良かった、やっと通じたか!一体そっちで何がおこっている!?』

 

「あ、ドクター久しぶり。なんか全然忘れてた」

 

『え、もしかして忘れられてたのかな僕!?みんなのロマン、頼れるロマン先生ですよー?』

 

「先輩、ドクター、後にしてください!」

 

マシュはドクターに相手の旗を解析するよう頼み、盾を構える。 ドクターも送られた画像を元に当てはまる物を探しだす。

 

「また戦闘か?鯖しか釣れなくて飽き飽きしていた所だ」

 

そこへ先ほどまで釣りをしていたクー・フーリンが近づく。 その時ロマンから解析結果が送られて来た。

 

「出来たドクター!」

 

『ああ!その旗は伝説の海賊旗だ。おそらく史上最高の知名度を誇る海賊だ!』

 

「史上最高の・・・・知名度・・・・。まさか!」

 

『そう、黒髭だ!真名はエドワード・ティーチ!気をつけるんだみんな!』

戦闘態勢が張られる中ドレイクの声が響く。

 

「あー!あいつ!あいつだ!アタシの船を追いかけ回してた海賊!」

「ここであったのが100年目だ。水平線の彼方まで吹き飛ばしてやる!」

 

苛立った様子のドレイクに周りの海賊が震える。

そして船はお互いの姿が目視出来るほど近づいた。

 

「こそこそ・・・・」

 

「?・・・・女神さま何してんの?」

 

「いいから黙っときなさい」

「おい、聞いてんのかそこの髭!」

 

相手の船の船長らしき男にドレイクは叫ぶ。

髭の男はこちらを見るなりドレイクに言った。

 

 

 

「はぁ?

BBAの声など一向に聞こえませぬが?」

 

 

 

 

 

「ーーーーーーーーーーーーーーは?」

 

瞬間空気が凍った。

具体的に言えばこちら側の空気が凍った。

 

「・・・・・・・・・・・・え?」

 

「おまえ、今、何、言った?」

 

「だーかーらー!BBAはお呼びじゃないんですぅ。何その無駄乳ふざけてるの?」

 

「まあ傷はいいよ?イイよね刀傷。そういう属性はアリ。でもね、年齢がね、困るよね。せめて半分くらいなら、拙者許容範囲でござるけどねえドゥルフフフフフ!」

 

それを聞いた立華は動揺するよりも先にマシュ達を盾の後ろに隠す。

 

 

(マシュ何あれ?!英霊ってそこまでして個性確立させないとなれないの?!完全にやばい人だよあれ!)

 

(・・・・・・・は!?すみません、意識が飛んでいました。その・・・・あれは英霊なのでしょうか・・・・・?)

 

(いや、絶対認めんぞ。もしあれと余が同じ存在と断言するのなら余は英霊をやめる)

 

(・・・・・旦那さま?私鳥肌が立って来たのですけど。蛇なのに)

 

そして言われたドレイクに全員が目を向けると

 

「・・・・」

 

「姐御?姐御ー。死んでる・・・・(精神的に)」

 

(ダメね、凍ってるわ。ムリもないわね、私も最初に遭遇した時、こうなったもの)

 

(まじかよよく生き残れたね)

 

(・・・・・・ほんとに、ね)

 

黒髭は船を見渡しエウリュアレ氏、エウリュアレ氏はどこ?、と探している。すると盾に気づきこちらに話しかけて来た。

 

「ちょっとー、そこの盾ー。後ろにエウリュアレ氏いるんでごじゃろう?出せよー、エウリュアレ氏出せよー」

 

その声にエウリュアレはビクッとなって腕を摩る。 確かにあれは逃げるよなぁ・・・・・。 立華はアステリオスの隣に立ちマシュ達を隠す。

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・撃て」

 

「はい?」

 

するとドレイクはゆらりと体を揺らしながら部下に言う。

 

「大砲」

 

「あ、姐御?」

 

「大砲、ありったけ、全部、いいから撃て。さもないとアンタ達を砲弾がわりに詰めてから撃つ」

 

「ア、アイアイ・・・・マム!」

 

そういうと部下の海賊は周りに指示を飛ばし、大砲に火をつける。そんな様子を見ても黒髭は余裕の表情を崩さない。

 

 

 

「あれ、BBAちゃん?おこなの?げきおこ、なの?ぷんすかぷん?」

「船を回頭しろッ!!あんのボケ髭を地獄に叩き落としてやれェェッ!!」

 

怒髪天!と言う様にドレイクは頭に血が上っている。 船はそのまま方向を変え大砲の砲身を黒髭の船に向ける。

 

 

「あらやだ怖い。んー、ブラッドアクス・キングさーん」

 

黒髭は近くにいたサーヴァントに話しかけると指示を飛ばす。

サーヴァントは頭に牛の様なツノが生えており、黒髭と同じ様なコートを着ている。 そして右手には血管の様な委託が施された戦斧(トマホーク)を持っていた。

 

「ちょいとBBAからあれ取ってきてくれない?その間に拙者はエウリュアレをペロペロする人類の義務に勤しんでくるから!」

 

「・・・・・はぁ、船長。頼むからそれらしい態度をとってくれ。俺の方が恥ずかしくなる」

 

そう言うとランサーのサーヴァント「エイリーク」はこちらの船まで飛び移りその戦斧を振り下ろした。

 

「ネロ!」

 

「わかった!」

 

空中で武器同士がぶつかる音が響く。

そして二人はドレイクの船に着地すると再び戦いだす。

「清姫と兄貴はあの二人組のサーヴァントを相手にしてくれ!マシュと俺はもう一人のランサーをやる!」

 

「おう、任せな!」

 

「わかりました!」

 

そう言うと二人は女海賊達に向かっていく。

「マシュ!やるぞ!」

 

「はい、いつでもいけます!先輩!」

 

そして立華とマシュももう一人のサーヴァントを相手にするために黒髭の船へと乗り込んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ー続くー




エイリークはランサーで召喚してみました。

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