Fate/Machina order   作:修司

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あとがきで皆さんにお礼があります。


海の形

「するってぇと何かい?アンタ達はこの魔法のジョッキーーーいや、この聖杯を回収しに来たと?これがあれば自分の国に帰れるって?」

 

夜になり立華とマシュはドレイクの元にきていた。

用件はドレイクの持っている聖杯を何とか譲ってもらおうと交渉するためだ。

「・・・・はい、一応そういうことになります。」

 

マシュは言いにくそうにそう呟いた。

「ふーん。まぁアンタ達に負けたのは確かだし、命以外はくれてやるって言ったしね。」

 

そういうとドレイクは胸から聖杯を出すと立華に投げ渡した。

聖杯は立華の腕に収まるとドレイクは言う。

 

「ほいよ、受け取りな。遠い時代から来たんだろ。遠路はるばるご苦労さん」

 

「あ、ありがとうございます。聖杯を回収したのでこの時代は解決ーーー」

 

「・・・・いや、やっぱりしないんじゃないか?」

 

「ですよね・・・・」

 

そう言って頭を下げる2人。

よく考えたら聖杯を受け取った時点で自分達の体が消えていくはずなのでここにいる時点で事件は解決していない。

 

『多分その聖杯はこの時代にもともとあった聖杯なんじゃないかな?』

『レフ・ライノールが配置したと思われる聖杯。それは七つの人理定礎を乱している。でも、この海にはそれ以外の聖杯があった。ドレイク船長はその聖杯に認められた人物だ」

 

「じゃあこの海がここまで乱れてるのって二つの聖杯がきっこうしてるからじゃないか?」

 

『多分ね。世界を救ったドレイク船長の正しい聖杯とレフ・ライノールのこの時代に蒔いた聖杯。だからドレイク船長がいる限り、この時代は崩れない。その代わり元の形にも戻らない。元の海に戻すにはーーーやはり、レフの聖杯を回収するしかないだろう』

「なるほど、最終目標は変わらないんだな」

 

すると話を聞いていたドレイクが立華に質問する。

 

「そういやアンタ達何と話してるんだい?あれかい、小人でも飼ってんのかい?」

 

「小人・・・・いや、俺たちをサポートしてくれるロマンっていう仲間だよ。俺たちしかこの時代に来れないからここにはいないけど」

 

その言葉にドレイクはふーん、と呟くと立華達は答える。

 

「ドレイク船長、この聖杯は返すよ。これは俺たちが探しているものとは少し違った。そしてもう一つ頼みがあるんだがこれとは違うもう一つの聖杯を探すのを手伝って欲しい」

 

「はい、それを回収しなければこのままではこの海は永遠にこのままです」

 

「お宝をあっさり返されるのは初めてだね。しかしその物騒なこと・・・・・本気かい?」

 

「 「マジだ(です)」」

ドレイク船長はそのあまりの事態に言葉をなくす。

冒険好きな彼女からすればその事実はとんでもない事なのだろう。

 

『僕からも頼みたいMs.ドレイク。君は君の時代を取り戻さなくてはならない。君の側にいるマシュと立華くんはこういう事態を解決するための存在、君の言うところの「無敵の人間」たちを幾度と打倒したプロフェッショナルだ』

 

「なるほどね。ロマンとか言ったか?よくわかったよありがとう」

 

ロマンはどういたしまして、と答えると再びドレイクに聴く。

 

「それで、返答は?」

 

「こちとらもともと協力するつもりだったさね。いくらあたし達でも奴らを相手にするのは骨が折れるからね」

 

「ドレイク船長・・・・!ありがとうございます!」

 

「は〜あ、でもこんな海だと大してお宝もあったもんじゃないのかねえ。」

 

ドレイクはしけてやがる、と言うように息を吐く。

しかしそこにロマンが待ったをかける。

 

『いや、あるかもしれないよお宝』

 

「え、あるの?」

 

『うん。良きにつけ悪しきにつけ、大航海時代とは世界をひとまわり広げた、不可避の出来事。未知の海や見果てぬ水平線の向こうに夢を託す。そう言った思念が集結してできたこの海なら財宝があっても不思議じゃないね』

 

その言葉を聞いたドレイクは顔を上げ口元に笑みを浮かべ言う。

 

「つまりあるんだね?!船に詰めないほどの金とか銀とか香辛料とか!」

 

『その可能性は充分あるよ。このドクターロマンが保障する』

 

「・・・・・・・たまらない。燃えてきた、燃えてきたよ!よーし、野郎ども、まずはしこたま飲むよ!」

 

「まだ飲むんですか?!」

 

「当たり前よ!明日からの航海はこれまでにない無理難題だ!生きて帰れる保障はないからしこたま飲むんだよ!」

 

 

「金銀財宝!香辛料!美味い酒や未知の冒険があたし達を待ってるよ」

 

そう言ってドレイクは仲間達の元で再び酒を飲み始める。

マシュと立華はしばらくボーゼンとしていると不意にクスリと笑って、酔っ払いやネロの唄を聴きグロッキーになったもの達の元へ看病をしに行くのだった。

 

 

 

ー続くー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「そういえば先輩。お宝があると聞いてもあまり驚きませんでしたね。先輩そう言うの好きそうなんですけど・・・・」

 

『あ、確かに。男の子だけどそういうワクワクするのはあまり興味がないのかな?』

 

 

「・・・・・確かにそういうことは好きだけど・・・・・」

 

「「?」」

 

「ほら、前回形のある島でさ・・・・」

 

「・・・・あー、」

 

『確かにあの剣を見た後ではそこらの財宝ではなびかなくなりかもねぇ・・・・』

 

「あれほどのものはなかなかないでしょうしね・・・・・」

 

おわり




ふとランキングを見たら自分の作品がのっていました。
これも皆さんの応援のおかげです。
こんな趣味全開の作品を読んでいただきありがとうございます。
これを元に、皆さんの楽しめる作品を書き続ける用頑張っていきたいと思います。



さて・・・・・・マジンガーがでねぇ汗

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