Fate/Machina order   作:修司

20 / 42
昨日頑張ったんで今日はこのくらいで勘弁してくださいm(_ _)m


迷宮「後編」

 

 

 

 

 

 

 

「このでっかい腕もアンタ達の時代のもんなのかい?」

迷宮での戦いでバーサーカー(アステリオス)を押さえ込んだ立華に、ドレイクは不思議そうに呟いた。

 

「いや、まぁ・・・・一応そうだよ」

 

「はー、未来ってもんはわからないもんだね。あのデカブツを押さえ込んじまうなんて・・・」

 

アステリオスは今もマジンガーの腕から逃れようと暴れている。

しかしガッチリ抑えられているせいで逃れられる気配はない。

 

「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴガァ・・・・!」

 

「こんなところで倒す戦いなんかすれば俺たちも生き埋めになってしまう。ならば動きさえ封じれば何の問題もないってわけだ。」

 

「第1特異点でクー・フーリンさんがアーチャーを押さえ込んだ技を真似したんですね」

 

「なるほどな。確かにあの腕なら動く事は出来ねぇな・・・」

 

立華達はマジンガーの腕の近くまで行くとアステリオスをみる。

このまま押さえ込んでる間に通りすぎよう。

そう考えた矢先にネロがある事に気づいた。

 

「・・・・・む?」

 

「どうしましたネロさん?」

 

「いや、マジンガーの腕はどうするのだ・・・・?」

「何って押さえ込んでるんだからそのまま・・・・・あ」

 

現在マジンガーの腕はアステリオスを押さえ込んでいる。

このまま脱出しようと考えていた立華はマジンガーの腕をどうやって回収するか考えていなかった。

もし回収したらアステリオスはそのまま襲いかかってくるだろう。

しかもここは迷宮とはいえ地下であるのでこのままアステリオスを倒せば自分達は生き埋めになる。

しかし結界を解くにはアステリオスを倒すしかない。

 

「・・・・どうしよう?」

 

「というか動けなくなった者に集中攻撃というのもあまり好きじゃないねぇ・・・・・」

 

立華達はここで途方にくれた。

このあとどうすれば・・・。

そんな考えが全員の顔に浮かび上がってきたその時

 

 

 

 

 

 

「アステリオス?!!」

 

 

 

誰かの声が響いてきた。

 

「ちょっと!もうわかったわよ!私がついていけばいいんでしょ!煮るなりなんなり好きにすればいいわ!」

 

「ーーーさっさと帰りましょう。道案内は任せなさい。」

 

 

迷宮の壁から現れたその少女はアステリオスの前まで来ると立華達にそう言い放った。

明らかに何か誤解しているような様子だったのでマシュが声をかけようとして、ある事に気付く。

どっかで見たことある。

具体的に言うとセプテムあたりで。

 

「ステンノさん?」

 

「あの島の女神ではないか?」

「ほんとだステンノだ。ここで何してんの?」

 

その質問に彼女は少し驚いた顔をして立華達に言った。

「あなた達私(ステンノ)に会ったことあるの?」

 

「あれ?違うの?」

 

「私は女神エウリュアレ。なに、そんな事も知らないで追い回してたの?」

 

呆れるように呟くエウリュアレに立華は言葉をかける。

 

「そもそもなんか勘違いしてない?」

 

「勘違い?・・・ていうか貴方人間じゃない」

 

「俺たち別に君を追いかけてきたわけじゃないぞ」

 

「・・・・・はぁ?じゃあ一体どこの誰よ貴方達」

その質問にマシュは説明を始める。

 

自分達は人理を修復しにきた者である事。

ドレイクと仲間になってこの島に来た事。

地震のあと島から出ようとしたら結界によって船が動かなくなった事。

ステンノに関しては前の特異点の島で預かりものを受け取った事。

 

 

全てを話し終えた時エウリュアレは納得したように呟いた。

 

 

「そう・・・・貴方達がそうだったのね。通りでその腕からあの方の力を感じるわけね」

 

「エウリュアレさんはなぜアステリオスに結界を?私達はそれを解こうと考えてここまで来たのですが・・・」

 

「そうだよ。こちとら出航出来なくていい迷惑だよ」

 

その言葉にエウリュアレは訳を話し始める。

 

「別に貴方達を閉じ込めた訳じゃないわ。あれは外から来る連中を防ぐためのものだったのよ」

聞く所によると彼女はとある海賊から逃げてきた所をアステリオスに出会ったらしい。

しかしその海賊があまりにしつこく追って来るため、島全体に結界をして外の連中からみを守っていたという。

 

「そうだったのですか。ですが解除していただかないとこちらも立ち往生で・・・・・」

 

 

「・・・・・うん、なら仕方ないわね」

 

そう言うとエウリュアレは割とあっさり承諾をする。

ドレイクは意外そうな顔でエウリュアレを見た。

 

「おや、意外にあっさり納得したね」

 

「簡単な足し引きの問題でしょ」

 

「貴方達が外に出るにはアステリオスが死ぬか結界を解除するしかないんだから。だったら解除する方がマシ。・・・・・一人になるよりは、はるかにね」

 

「・・・・なるほど。いいね、うん、気に入った」

 

ドレイクはそう言って少し考えると顔を上げ、エウリュアレ達に質問した。

 

 

 

「アンタ達、よかったらアタシの船に乗らないかい?」

 

「・・・・・は?」

 

「アタシはね、面白いものがすきなんだよ。世界一周とか、冒険とか、地下迷宮とか、怪物とか、世の中には面白いものばっかりだ!なんでか面白いもんほど金目のものなるってのが世の常なんで海賊に落ち着いちまったが、まぁそれはそれだ」

 

「アンタ達は金目の匂いがする。福利厚性は期待しないで欲しいけど給金なら弾むよ」

 

その言葉にエウリュアレは驚いた顔をする。

自分だけならまだしもまさかアステリオスも一緒に誘われるとは思ってもいなかった。

 

「でも・・・・いいの?」

 

「ああ!あんだけタフで体力あって、おまけによく見りゃいい男だ!こんな人材逃したらそれこそ笑い者になっちまう!」

 

そう言うとドレイクは立華達の方を見て質問する。

 

「アンタ達も構わないだろう!」

 

「ああ、俺たちは特に問題ない」

 

「はい。エウリュアレさ間接的にとはいえ、我々の事もご存知なので特に問題はありません」

 

立華達もこれに頷く。

これから先にもどのくらい敵の戦力が来るのか分からない以上仲間が増えることには越したことはない。

立華達の反応を見てドレイクは人の良い笑顔でどうだい?、と聞く。

 

「・・・・・アステリオス。貴方はどうする?」

 

「いく」

 

「・・・・・いいの?」

 

「おまえ、が、いく、なら、ついていく。ひとりは、さびしい」

 

その答えにそう・・・・と呟くとエウリュアレは頷いた。

 

「・・・・・なら、いいわよ。船に乗ってあげる。それにそこの人間があの方の言っていた者なら、どういう者なのかも知りたいし・・・・」

 

そう言うとエウリュアレは、ドレイクに色々注文し始める。それに少し困った顔を浮かべるドレイクを見てマシュが呟いた。

 

 

「・・・・先輩」

 

「ん?どした?」

 

 

 

 

「私、ドレイク船長が世界一周出来たの、すこし納得出来た気がします」

 

その言葉に立華は確かに、と頷くとネロ達と共にドレイク船長へ近づくのだった。

 

 

ー続くー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

「アステリオス?どうしたの?」

 

 

「うぐ・・・・・そろそろ、はなして、ほしい・・・・」

 

 

「「「「「「「・・・・・あ」」」」」」」

 

 

そういえば掴んだままだった。

 

ー完ー

 

 

 

 

 





アステリオスの光景がかなりシュールですね笑

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。