Fate/Machina order   作:修司

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セプテム編やっと終わりです。
ここまでありがとうございます(´∀`)


セプテム編エピローグ

戦いは終わった。

兵士達はその疲れを癒す為に自分の家に帰っている。そんな中荒野の真ん中に、一体の巨人が立っていた。

そしてその巨人の手の上に乗っているのはローマ帝国第五皇帝ネロ・クラウディウス。

 

 

彼女はその場所で、朝日に染まる自分の国を見ていた。

 

 

「・・・・・余の国は美しいだろう?立華、マシュ」

 

「・・・ああ」

 

「はい、綺麗です・・・とても」

 

国の中からは朝早くであるにもかかわらず帰ってきた兵士達を出迎える声で溢れている。

まだ影のさす街並みに朝焼けの光が照らし、それはまるで一枚の絵画のごとく輝いていた。

 

「・・・・・」

 

3人とも口を開けずその光景を眺めている。

沢山の犠牲があった。

今回の戦いで、国の人々は大きく傷ついた。

その傷は決してすぐには塞がらないだろう。

 

だが、今だけは太陽がその傷を暖かく癒して居るように見えた。

やがてネロが口を開く。

 

「この光景を見ると、やはり余は間違っていなかったのだと感じる・・・・・」

「ネロさん・・・?」

 

「あの時・・・・神祖様の下れと言う誘いを蹴った時・・・・・」

 

「実は少しだけ後悔したのだ・・・・。笑ってしまうよな、皇帝である余が後悔など・・・・」

「何と言っても神祖だ。曲がりなりにも建国王に他ならぬ」

 

「もしも任せていたら余は一体どんな景色を眺められたのであろうかと・・・・・それはどんな光景だったのだろうかと考えた」

 

ネロはそう言うと少しだけ顔を下げる。

そして再び顔を上げると腕を広げ藤丸達に向き直る。

 

 

「だが余は間違っていなかった!この光景を見よ!たとえ神祖のローマであろうとも、過去も現在も未来であっても、余のローマが一番なのだ!」

「神祖から続く絢爛たる余のローマこそ至高の芸術!なればこそ余があの方のローマに圧倒される事はない!」

 

 

そう言ってネロは笑う。

その笑顔は今まで見てきた彼女の中でも、まるで大輪の薔薇のように輝いていた。

 

 

「・・・ああ。そうかもな・・・」

 

「ええ、そうですね・・・」

 

そう言って藤丸達も静かに笑う。

彼らはそのまま朝日が昇るまでローマの街並みを眺め続けた。

 

その光景を忘れないように、ずっと、ずっと・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ってしまうのか?」

 

「はい、この時代は修正されます。そしてきっと、連合との戦いもなかったことになるでしょう・・・」

 

ネロを町の近くにおろし、藤丸達は帰る準備をしていた。

この国は悪くない。

だが次の戦いが・・・未来を取り戻す戦いが彼らを待っている。

 

「正直言って残念だ。無念だ。まだ余はなんの報奨も与えておらんと言うのに」

「立華、お前であればきっと余にとって配下ではなく、もっと別のーーー」

そこまで言ってネロは

 

「いや、やめておこう。お前達の行く先にもきっとローマがあろう」

そして自分たちの足元が光に包まれる。

お別れの時だ。

ネロはそのまま藤丸達を見つめ、言う。

 

「だから別れは言わぬぞ。礼だけ言おう」

 

 

カルデアへと戻る光の中、藤丸達は確かにその言葉を聞いた。

そしてその言葉は藤丸達にとって何よりの報奨となるのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう!そなた達の働きに、全霊の感謝と薔薇を捧げるぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかえりみんな、そしてお疲れ様。聖杯を見事に回収したね」

 

帰りを出迎えてくれたのはロマンだった。

「ただいま帰りました。ドクター」

 

「あ〜、今回も疲れたぜまったく・・・」

「お疲れ兄貴」

 

「旦那様・・・・・ネロさんと浮気なんてありませんよね・・・・?」

 

「清姫何言ってるの?」

 

帰るなり想い想いの言葉を漏らす藤丸達。

マシュがダヴィンチちゃんに聖杯を渡すと全員が元の部屋へ戻っていった。

 

「どうしたのマシュ?」

 

「はい、ネロさんをあの世界に残した事が申し訳なくて・・・・」

 

そうしてマシュは言う。

たとえなかった事になったとしても最後の瞬間彼女は一人きりになったと。

尊敬していた先達を倒し。

死別した好敵手達とも別れ。

あの広い帝国にただ1人皇帝として残された。

この先誰に頼ることもない、1人のままで・・・・・。

 

その言葉に立華は頭を掻いて言う。

「・・・・今回の戦いは辛かった?」

 

「ーーーいいえ、いいえ。それはきっと、違うと思うんです」

その言葉に立華はそっと頷き懐からあるものを取り出す。

それは金色に輝く板のようなものだった。

 

「マシュ、もしかしたら。もしかしたらだけどーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たぞ立華!マシュ!今度こそ余に乗せろ〜!」

 

 

 

ーセプテム編終了ー

 

 

 




何気に今回初めて召喚したな・・・
はい!と言うわけでブーディカさんではなくネロちゃまをお呼びしました!
何故かって?このカルデア・・・・ジャブがいないんですよね。

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