Fate/Machina order   作:修司

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もっと沢山書きたいけど文才が文字数を伸ばせない・・・


魔神柱後編

 

 

 

 

ガアアアアアアアアアアアアアア?!!

魔神柱フラウロスは自分の身に起こっていることがわからなかった。

その身を悶えさせながら赤く大きな目玉から魔神に向かって地獄の業火を放つ。

しかし

 

なぜだ?!!なぜ効かない?!!

 

黒鉄の体にはかすり傷一つつけることが出来ない。 本来ならばその業火は対城宝具並みの一撃である。たかだか鉄の塊程度なら一瞬で蒸発できるほどの温度だ。

しかし、何度攻撃を行なっているにも関わらず応えた様子がないのだ。

 

 

 

 

なぜだ?!!ワカラナイワカラナエワカラナイ!!!?

 

 

 

 

魔神柱は己の中で自問自答する。

確かに、この身が長い年月の計画によって弱っていたことは認めよう。

末端の辺りなどが少し腐敗していたのかもしれない。

だがこれはそんな問題ではない。

 

 

「飛ばせ鉄拳!

ロケット!パアァァンチ!」

 

 

魔神の放った鉄拳が容赦無くその身を貫いて行く。

そしてその拳を元の位置に戻すと、拳を振り上げて魔神柱の目玉に叩き込んだ。

辺りにフラウロスの肉片が飛び散り王の間を汚していく。

 

「・・・・・・?!!」

 

声にならない叫びを上げてフラウロスは苦しむ。

なんの神秘も通っていないはずの攻撃がその身を削り傷つける。

何とか抵抗しようと触手を伸ばすが、魔神の力の前にはあまり意味をなしていない。

そして魔神はフラウロスを持ち上げ

 

き、貴様いったいなにを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その巨体を城の外に放り投げた。

 

 

 

 

「みなさん早く!早く避難してください!」

 

その頃マシュとネロ達は、兵士達に被害が及ばぬように避難を呼びかけていた。

「ええぃ!お前達あんなものを隠しておるなんて水臭いにもほどがあろう!?余もあれに乗りたい!」

「申し訳ありませんネロ皇帝!今は避難の最優先を!」

 

マジンガーZを見て子供の様なキラキラした目で戦う様子を見るネロにマシュが呼びかける。

 

いくら離れているとはいえ飛んでくる瓦礫もあるのだ。

逃げ遅れのない様にしなければならない。

しかしそんな時、城の外から勢いよく魔神柱が吹き飛んで来た。

その際飛び散った破片が、無防備な兵士達に降り注ぐ。

 

「あぁ!ダメ!間に合わない!」

 

それを盾で防ごうとするも今マシュの位置からでは間に合わない。

だが心配要らない。

今この場にいるのはマシュだけではない。

 

「アンサズ!」

 

「転身火昇三昧!」

 

竜とルーン文字の形をした炎が、兵士達に降り注ぐはずの瓦礫を吹き飛ばした。

 

「清姫さん!クー・フーリンさん!」

 

「詰めがあめぇぞ嬢ちゃん!」

 

「旦那様を影で支えるのも妻の仕事です・・・」

 

そう答えるのは最初の特異点で仲間になったケルト神話の騎士クー・フーリンと清姫。

彼らも兵士達を逃す為にマシュ達のサポートを行なっていた。

 

「しっかしあの小僧派手にやってやがんな」

 

城の方では今も凄まじい轟音が鳴り響いている。

そして兵士達が全員揃ったことを確認すると、マシュはそっと息を吐いた。

「兵士さん達の避難もこれで完了しました。あとは我々も先輩もサポートに専念出来ます」

 

「一刻も早く旦那様のお側に向かわなければいけませんね」

 

「いや、その必要はもうねぇだろう」

 

そう言うとクー・フーリンは魔神達の方向をあごで刺す。

 

その方向を見てみるとそこには完膚なきまで魔神柱を叩き潰しているマジンガーZの姿があった。

 

「そろそろ決着だ。ゆっくり向かってもかまわねぇだろ」

 

「いいえ、私は一刻も早く旦那様のお側に居りたいので」

 

そう言うが早いか清姫は物凄い速さでマジンガーの元に走って行った。

それを見てマシュやネロも急いで向かって行く。

「全く落ち着きのねぇ奴らだな・・・」

 

そしてクー・フーリンも呆れる様子でマジンガーの元に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴様ああああ!人間風情がこの私にいいい!

 

そう叫ぶや否やマジンガーに向かって触手を伸ばすフラウロス。

あれに攻撃が通じないのは理解した。

ならば頭の人間そのものにダメージを与えてやれば良いだけのこと。

そう考え様々な方向から触手を伸ばす。

これならあの拳も使えまい。

四方から迫り来る触手にマジンガーは一度距離を取り、触手を迎え撃つ様に身構える。

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルスト!ハリケエエエエエン!!!」

 

マジンガーの口のスリットの部分から嵐が噴き出した。

 

ルストハリケーン

 

ルストと名のつくが酸などという代物ではない。

それは光子を加速させ対象の構成している物質の原子を崩壊させ塵へと返す破壊の嵐。

その嵐を身に受けた触手は次々と動きを止め塵と化して行った。

な?!

 

そして撃ち終わるが早いか、マジンガーZはフラウロスの元に物凄い速さで突っ込んで行く。

フラウロスの元に着くとその腕で動くことが出来ぬよう拘束した。

 

は!離せ?!!

 

「これでもう逃げられねぇぞ!」

 

フラウロスは振りほどこうともがくがそのパワーの前にはビクともしない。

しかしこれはチャンスだ。

残りの触手によって人間そのものを攻撃すれば

 

 

 

 

 

 

 

 

ドルルルルルルルルルル・・・

 

 

 

 

 

 

するとフラウロスの耳にマジンガーZのエンジン音が聞こえた。先ほどまでこんな独特な音は出ていなかった。

その瞬間フラウロスは嫌な予感がした。

まずい。

 

一刻も早く振りほどかなければこれはマズイ!

 

その考えがよぎるとフラウロスは声を出すことも惜しいがごとく暴れ出した。

しかしもう遅い。

マジンガーZの胸の放熱板から凄まじいまでの熱を感じる。

自らが起こす業火以上のその気配に恐怖し、声にならないうめき声を吐き出す。

そしてついに、魔神の怒りの炎がフラウロスの身に叩きつけられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブレスト!ファイヤアアアアアアアアッ!!!!!

 

 

 

 

解放された熱の波はフラウロスの体を溶かし続けてもその勢いを衰えさせず、ローマの空へ紅の火柱を作った。

 

あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ''あ”あ?!!?!!

熱い暑い熱いあついあ”づいあつい”あ”づいあつい?!!

 

もはや恐怖の感情すらフラウロスの中にはない。

彼の中を埋め尽くすのはただ己の体を溶かされる苦しみのみ。

しかし助けるものなど誰もいない。

「・・・・・・・・・?!!」

 

フラウロスはマジンガーの頭にいる藤丸立華が目に入る。

そして自らの焼ける轟音の中、なぜか彼の声だけがはっきりと耳に入った。

 

それは無念だった。

あの日あの場所で助けることが出来たかもしれない人への無念。

手を伸ばしても届かなかった時の悔しさ。

 

「所長やカルデアのみんな、そしてマシュの仇だ・・・・・。観念して」

 

そしてそれは咆哮となってフラウロスへと叩き込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地獄に落ちやがれエエエエエエエエエエエエ!!!!!!

 

 

 

そしてフラウロスは藤丸の言葉を耳に残し・・・

 

 

 

その身体を完全にこの世から消滅させた。

 

 

 

ー続くー




みなさん沢山の評価ありがとうございます!

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