戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第744話 最終決戦・信じる唄と起きる奇跡

響「リルくん!!」

 

倒れているリルに響たちは駆け寄る。

 

貫かれた胸部から滝のように血が流れ、冥王星の氷の大地を赤く汚していた。

 

クリス「嘘だろ、おい…」

 

調「リルくんが負けるなんて…」

 

倒されてしまったミレニアムゴジラを見てスペースゴジラの強さを感じとる。

 

スペースゴジラ「残るはお前たちだけだ。シンフォギア!!」

 

ゆっくりと降り立ったスペースゴジラはコロナビームを発射した。

 

氷の大地がコロナビームの熱で溶け、威力で砕かれるように破壊された。

 

響「どりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

爆煙から飛び出した響はスペースゴジラの豪腕を繰り出す。

 

しかしスペースゴジラは指の爪先で響の豪腕を受け止めた。

 

響「!?」

 

爪先で豪腕を受け止められたのを見て響は驚く。

 

スペースゴジラ「無駄だ。いくら貴様らが父上や兄者に力を共有できる存在であっても。同じ血を引き我に傷1つ付けられはせん!!」

 

爪先で豪腕を受け止めたスペースゴジラはその爪先にエネルギーを収束させて衝撃波を放ち響を地面に向けて吹き飛ばした。

 

響「がはっ!!」

 

地面に叩き付けられた響は吐血してしまう。

 

翼「立花!おのれ!!」

 

マリア「待ちなさい、翼!!」

 

響が吹き飛ばされたのを見て翼がアームドギアを構えてスペースゴジラへ向かい、マリアが追いかける。

 

翼「はあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

アームドギアに炎を纏わせて斬りかかる。

 

スペースゴジラ「ふん…」

 

だがスペースゴジラは爪先で弾き飛ばした。

 

翼「うわっ!!」

 

マリア「危ない!!」

 

弾き飛ばされた翼をマリアが空中でキャッチして受け止めた。

 

スペースゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

空中で動けない2人に向かってコロナビームを発射した。

 

マリア・翼「「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 

コロナビームを喰らい、マリアと翼は吹く飛ばされて地面に叩き付けられてしまう。

 

切歌・調「「マリア!翼さん!」」

 

スペースゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

2人を心配して叫んだ切歌と調にスペースゴジラはテールスマッシャーを叩き込む。

 

切歌・調「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 

テールスマッシャーを喰らい2人は凪払われて頭から地面に叩き付けられた。

 

クリス「こんの野郎ぉ!!」

 

未来「このぉ!!」

 

皆が倒されていくのを見てクリスはエネルギーの矢、未来は複数の鏡からビームを一斉射する。

 

だが、スペースゴジラはフォトン・リアクティブ・シールドを展開、攻撃を全て未来に向けて跳ね返した。

 

未来「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

攻撃を全て跳ね返されて未来はその場に倒れてしまう。

 

クリス「おい…!?」

 

未来に駆け寄ろうとしたクリスだが自身の周辺が暗くなったのに気付いて振り向くとスペースゴジラが崩れて地面に突き刺さっていたバトルフィールドの残骸であるクリスタルをロケットのように打ち上げていた。

 

クリス「しま…ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

大量発生させたクリスタルをミサイルの如く発射する『ホーミング・ゴースト』を喰らいクリスはクリスタルと氷の大地に生き埋めにされてしまう。

 

スペースゴジラ「他愛もない。こんな連中と手を取り合ったところで勝敗は決したものだ」

 

辺りを見回し、響たちやミレニアムゴジラが倒れて動かないのを見てスペースゴジラは言うと巨大なクリスタルの柱を出現させ、さらに基地から3機のカメラを搭載したドローンのような円盤が出てきた。

 

 

 

所変わり冥王星海域ではボロボロになりながらもいまだに戦い続けているムサシがいた。

 

リュグロー「主砲斉射!!」

 

460mm三連装陽電子ビーム砲からビームが放たれ、バルバスファ級宇宙駆逐艦やギャラガス級宇宙軽巡洋艦、ヴァルゼース級宇宙戦艦の正面装甲を抉るように貫き撃沈していく。

 

ユウコ「はあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

同海域の別の場所ではユウコが駆る蒼色に塗装されたスペルグフW型が帝国軍側のスペルグフを58mmビームライフルとビームサーベルで撃破していた。

 

帝国兵士A「本当に同じバトルファイターなのかよ!?」

 

帝国兵士B「まるで性能が違う!ば、化け物だ!!」

 

同じ機体であるはずなのに性能が違うと感じてパイロットたちはユウコ機に恐怖していた。

 

 

 

帝国兵士C「SBF隊、味方艦隊、損害続出!!」

 

ガルバスターの艦橋にて味方の損害が舞い込んできていた。

 

ヴァロルド「中々どうして…楽しませてくれる。第1021雷撃戦隊は右翼から敵艦を攻めろ!」

 

ボロボロのはずなのに全く倒される気配がないムサシと一騎当千の勢いで味方のスペルグフを撃破するユウコ機を見てヴァロルドは楽しむように指示する。

 

帝国兵士D「司令!大本営より入電です!」

 

ヴァロルド「今は手が離せん。後にしろ」

 

通信が来たと聞いて顔には出さないが少し不機嫌になりながらヴァロルドは言う。

 

帝国兵士D「それが第一級イグ線通信です!」

 

ヴァロルド「なんだと?繋げ」

 

しかし優先度が高い通信と聞いてヴァロルドは繋げさせる。

 

スペースゴジラ『随分と苦戦しているようだな、ヴァロルド』

 

ヴァロルド「総統!?」

 

艦橋のモニターに映し出された通信相手にヴァロルドは驚いて敬礼する。

 

ヴァロルド「申し訳ありません。敵の士気が高く、中々決定打を欠いている状態で…」

 

スペースゴジラ『まあいい…それより、ガルバスターの超長距離通信を使ってこの回線をオープンで太陽系に繋げ』

 

ヴァロルドの戦況を聞いてスペースゴジラはあまり関心がないのか自身が使っている回線を繋げるように指示する。

 

ヴァロルド「は?それでは敵にも聞こえますが…」

 

スペースゴジラ『構わん』

 

ヴァロルド「はっ!」

 

スペースゴジラに言われてヴァロルドは従うのであった。

 

 

 

ベロニカ「!、リュグロー!回線に強制的に何か映りだした!」

 

リュグロー「なんだと?いったい何が…」

 

ムサシの艦橋にあるモニターを見るとスペースゴジラの姿が映し出された。

 

リュグロー「アイツは!!」

 

映し出されたスペースゴジラを見てリュグローは艦長席から立ち上がった。

 

スペースゴジラ『全軍に告ぐ、勝敗は決した!貴様らの最後の希望であった、シンフォギアと我が兄ミレニアムゴジラを討ち取った!もはや抵抗は無駄である!』

 

自身が倒し、地面に横たえる響たちとミレニアムゴジラを映し出して言う。

 

 

 

スペースゴジラ「これを踏まえ、地球軍に告ぐ!降伏せよ!!」

 

地面に横たえる響たちとミレニアムゴジラを見せつけたスペースゴジラは降伏を勧告した。

 

その時だった。

 

?「ま、まだ…だ…」

 

スペースゴジラ「!」

 

声が聞こえて振り向くと響が立ち上がっていた。

 

響「まだ…私たちの胸の唄は…終わってない!!」

 

胸に手をやりながら響は叫ぶ。

 

スペースゴジラ「愚かな。そのまま死んでいれば楽であったものを…」

 

スペースゴジラは起き上がった響を見て言っていると他の面々も起き上がり始めた。

 

クリス「へっ!お生憎様だったな!!」

 

マリア「私たちがこれくらいのピンチには慣れてるのよ!!」

 

翼「どんな時にでも勝利の奇跡とこの胸に高鳴る唄を信じ続けてきた!!」

 

調「だから私たちは何度だって立ち上がる!!」

 

切歌「体がバラバラになってもアタシたちは絶対に負けたりはしないのデス!!」

 

未来「それが私たちのシンフォギア!!」

 

起き上がったクリスたちは次々にスペースゴジラに言う。

 

スペースゴジラ「くだらん…ならば、その唄とやらと共に死んでゆけ!!」

 

響たちの言葉を聞いてスペースゴジラはコロナビームを発射して響たちを吹き飛ばした。

 

スペースゴジラ「何が唄だ、何が手を取り合うだ。そんなもの、宇宙ではなんの役にも…」

 

7人『Gatrandis babel ziggurat edenal…Emustolronzen fine el baral zizzl…Gatrandis babel ziggurat edenal…Emustolronzen fine el zizzl…』

 

スペースゴジラ「!?」

 

吹き飛ばして姿が消えた響たちを見て勝利を感じていたスペースゴジラだったが突如聞こえてきた唄に驚いていると目映い光が煙の向こうから放たれた。

 

スペースゴジラ「ぬおっ!?な、なんだ!?なにがおき…」

 

光に目を逸らしていると左頬に硬い何かが命中し、自身を殴り飛ばしてきたのを感じた。。

 

響「この拳も、唄も、シンフォギアだあああああーーーーーーーーー!!!!!!」

 

装者の髪の裾が炎を纏ったように光り、パーツの一部も光ったような状態のギア―かつてアヌンナキの一柱『シェム・ハ』との最終決戦時に発動した決戦形態『バーニングエクスドライブ』となったギアを纏った響の鉄拳がスペースゴジラの左頬を捉えて殴り飛ばしたのである。

 

スペースゴジラ「なに…!?」

 

殴り飛ばされたスペースゴジラは両足と尻尾を地面にめり込ませてブレーキをかけて止めた。

 

翼「はあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

だがそこへ翼が歌舞伎の連獅子のように髪を振りかざす。

 

スペースゴジラ「そんなもの!!」

 

翼の攻撃に対してフォトン・リアクティブ・シールドを展開するが、防げずに破壊されスペースゴジラの胸部に斬り傷をつけた。

 

スペースゴジラ「なんだと!?」

 

斬られたスペースゴジラは驚く。

 

マリア「調!切歌!」

 

「「うん!/デース!」」

 

翼に続き高速で接近しながらマリアが両腕の剣、切歌が巨大化した鎌、調が戦輪でスペースゴジラを斬り付けた。

 

スペースゴジラ「ぐおあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

連続で斬られたスペースゴジラは体から赤い血が吹き出していた。

 

クリス「ほだえやがれぇ!!」

 

未来「いっけぇ!!」

 

さらに続けてクリスはビッグマグナム、未来は巨大な鏡からビームを発射する。

 

放たれたビームは螺旋に描きながら1つとなりスペースゴジラに命中する。

 

スペースゴジラ「ぬあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!この…調子に乗るなぁ!!」

 

かなりの威力があるビームを何とか弾き飛ばすスペースゴジラ。

 

スペースゴジラ「くっ…人間風情が……!?」

 

だが大ダメージが入っているのか片膝を着いてしまうと響たちの後ろから赤い炎が飛んで来てスペースゴジラをさらに吹き飛ばした。

 

スペースゴジラ「ぐお…い、今の攻撃は…まさか!?」

 

炎を喰らってスペースゴジラは響たちの後ろを見ると巨大な陰が爆煙の中でユラリと動いていた。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

煙を吹き飛ばすように、響たちと同じく背鰭が炎を纏ったように光り、傷が塞がっているミレニアムゴジラが雄たけびを上げたのだった。


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