戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第722.5話 新型SBF

不破「くっ、数が多すぎるぞ!!」

 

ヘルダイバー改の40mm速射砲で向かってくるSRV-5と着地したスペルグフF型を攻撃しながら不破は愚痴りながら言う。

 

『た、隊長ー!!』

 

僚機がスペルグフF型の58mmビームライフルで撃ち抜かれて爆散した。

 

不破「くそ、踏ん張れ!ここを通せば日本本土に敵がなだれ込んでくるぞ!!」

 

そう鼓舞する不破だが、不破率いる小隊がいるのは中央戦線で、いまだにヘルダイバー改の配備が進んでおらず、実質不破率いる小隊ともう1つの小隊のみである。

 

戦力差は歴然で、ギリギリ被弾を最小限にしながらなんとか持ち堪えていた。

 

不破「!?」

 

上からの危険信号を聞いて見上げると赤い機体がビームライフルを発砲しながら降下し接近していていた。

 

機体の後ろへ跳躍させて回避する。

 

ライト「ほう、今のを回避したか。劣等人種の地球人の中にも腕の立つ者がいるようだな」

 

着地した赤いサイティスのコックピットのモニターからヘルダイバー改(不破機)を見てライトは嬉しそうにすると僚機の白いサイティスが追い付いてきた。

 

不破「あれは、例の新型機か!!」

 

サイティスを見て不破は昨日のことを思い出した。

 

 

 

不破「敵の新型機…ですか?」

 

昨日の夜中、不破を含めたレイバー部隊は指揮所に呼ばれていた。

 

指揮所には前にレジスタンスが帝国軍の基地に侵入した際に撮影した新型機の写真が写されていた。

 

指揮官「そうだ。先の帝国軍3ヶ国同時侵攻時に出現した新型艦と新型ミサイルを見てレジスタンスのリュグロー氏が公開したデータにあった」

 

先の帝国軍のイギリス、ロシア、オーストラリアの3ヶ国同時侵攻作戦『ケルベロス作戦』にて現れた『レーゲン級ミサイル重巡洋艦』と『破壊重力ミサイル』を確認したリュグローが新型機のことを伝えたのである。

 

指揮官「まだ機体名などは分かってはいないが、帝国軍主力兵器であるスペルグフの後継機である可能性が高く、我々は特徴的な一本角から『サイクロプス』と呼称している」

 

不破「これが実戦配備される可能性があると?失礼ながらまだ開発段階なのでは?」

 

サイティス(地球側コードネーム『サイクロプス』)が実戦配備されるのはまだ先ではないかと考えて言う。

 

指揮官「撮影された当時はな」

 

指揮官がそう言うとその場にいた全員が察した。

 

指揮官「サイクロプスの性能はまだ未知数だ。遭遇したら十二分に警戒するように」

 

『了解しました』

 

 

 

不破「まさか本当に実戦配備してくるなんて…」

 

昨日の会議のことを思い返して不破は気を引き締める。

 

ライト「コズーア、ズコン、お前らは左右を殺れ!俺は真ん中の奴を殺る!!」

 

『了解!』

 

僚機にそう言って返事を聞いたライトは愛機を動かし、不破機に盾でタックルする。

 

他の僚機も不破小隊の2機に襲いかかる。

 

不破「ぐっ!?」

 

なんとか受け止める不破機。

 

ライト「楽しませてくれよ、地球人のパイロット!!」

 

楽しそうにしながらライトは言う。

 

 

 

「ライト司令率いるサイティス小隊、敵人型兵器の小隊規模と交戦!!」

 

ツェアシュテールングの艦橋にてライト率いる小隊が交戦したことを伝える。

 

レフト「あいつ…新型機なんだからデータ収集優先って分かってるのか?」

 

頭を抱えながらレフトはライトの姿を思い浮かべながら言う。

 

ザウラー「奴ニトッテハ久シブリノ前線ダ。少シハ多メニミテヤレ」

 

レフト「それはそうですが…」

 

ザウラーに言われてレフトは呆れていた。

 

ザウラー「ソレヨリモ、黒豹カラノ報告ハマダカ?」

 

待ちに待っている報告はまだかとザウラーはレフトに聞く。

 

レフト「いえ、まだ何も。ですが、そろそろポイントに着く頃かと」

 

ザウラー「今回ノ作戦ハ、タイミングガ重要ダ。奴ラガ間ニ合ワヌ場合ハ、今後の作戦ヲ考エ直サネバナルマイ」

 

レフトの報告にザウラーは言うのである。

 

 

 

大陸州で激戦が続いている頃、日本本土首都東京のとある場所に騎士の甲冑のような物が空間に浮かんでいた。

 

その物は異空間から伸びているコードと繋がり、先には例の潜水艦がいた。

 

クラーケン「ここだな」

 

黒豹こと『クラーケン』がその場所を見て不敵に笑っていたのだった。


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