戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第720話 進軍再開

帝国地上軍本隊による日本国大陸州戦線は圧倒的な日本側の不利が続いていた。

 

戦局を重く見た自衛隊は戦線を縮小、戦線整理を行った。

 

敵の攻撃で防衛網に穴が開かないように戦線を縮小、大陸南側で防衛陣地を再構築し、迎え撃とうとしていた。

 

マリア「はあ~…」

 

簡易ベッドにマリアは倒れこんだ。

 

ここまでずっと殿として帝国軍の攻撃を受け止め、進軍を阻止しており、疲労がピークに達していた。

 

マリア(そろそろ、私1人じゃ限界ね……)

 

今までは何とか自分1人で戦線を持ち堪えさせていたが、帝国軍の異常なまでの波状攻撃の前に自衛隊の大陸州方面1個師団が壊滅してしまった。

 

自分が付いていながら1個師団を壊滅させられてしまったことにマリアはショックが大きかった。

 

マリア(私に、もう少し力があれば……)

 

アガートラームのコンバーターユニットを手に持って、見つめながらマリアはそう思っていた。

 

マリア(翼たち…もう日本に着いた…頃…かしら…?)

 

翼たちが日本に着いた頃かと思っていた時に、睡魔に襲われてそのまま眠ってしまった。

 

 

 

陸上自衛隊の後退陣地から数百km離れた土地に宇宙大怪獣帝国軍第四機甲師団本隊は野営していた。

 

連戦連勝と勢いに乗り、将兵の指揮はかなり高い状態にもかかわらず無理な追撃はせずに兵士を休ませていた。

 

第四機甲師団総旗艦『ツェアシュテールング級地上制圧戦艦1番艦 ツェアシュテールング』の艦橋にてザウラーはレフトと共に他の幕僚と通信していた。

 

デルタ『報告します。我々別動隊は日本国に対し、本土奇襲作戦を成功させました。ですが、機龍及びMOGERAの半身の破壊には失敗しました』

 

横須賀と八王子への奇襲が成功はしたが、機龍とスターファルコンの破壊は失敗したことをデルタは報告する。

 

サウラン『珍しいな、デルタたちがしくじるなんてよ』

 

ライト『何か原因でもあったのか?』

 

そうサウランとライトは聞く。

 

クワラン『それは…報告にはない7人目のシンフォギアと遭遇し、重爆撃機隊が攻撃を受け3割、護衛の戦闘機隊は壊滅させられた』

 

エルタラ『7人目のシンフォギアだと?情報部の報告では6人のはずだろ?』

 

クワランから7人目のシンフォギア(未来)が現れて重爆擊機(ドゥルンド)隊と護衛戦闘機(ディノルヴァ)隊が壊滅させられたことを聞いて、エルタラが確認する。

 

デルタ『恐らく、日本本土防衛用に残していたのやもしれん。閣下、シンフォギアはもしや我々の考えている以上の数がいる可能性が…』

 

ザウラー「イヤ、ソレハアリ得ヌ」

 

デルタの予測をザウラーは否定する。

 

デルタ『それはどういうことでしょうか?』

 

否定されてデルタは聞く。

 

ザウラー「モシモ我々ノ情報ヨリモ多イ数ノシンフォギアガイタナラバ、我々ガ3ヶ国ヲ占領スル前ニ投入シテイルハズダ。ソレヲシナカッタノナラバ…」

 

レフト「数は少ない可能性がある」

 

ザウラー「ソウダ。ダガ、油断ハ禁物ダ。タッタ1人に重爆撃機隊ト護衛部隊ガ壊滅サセラレタノダ。1人デモ我々カラスレバ脅威デシカイナイ。全軍、明日ノ明朝ニ作戦第二段階ヲ…」

 

シンフォギアが少ないと確信を持っているザウラーは明日の明朝に再度進行することを伝えたその時だ。

 

?『少し待て、ザウラー』

 

画面が強制的にノイズが走り、1人の人物の姿が映った。

 

ザウラー「殿下!!」

 

映された人物が宇宙大怪獣帝国総統『宇宙戦闘獣 スペースゴジラ』だと分かり、ザウラーを初め幕僚たちやその場にいた兵士たちは敬礼した。

 

スペース『ザウラー。貴様に一つ特殊任務を与える』

 

ザウラー「特殊任務デ、御座イマスカ?」

 

スペース『そうだ。特一級任務に相当する』

 

『特一級任務』と聞き、ザウラーは冷静だったが周りや他の幕僚たちはざわついた。

 

ライト(特一級…殿下から直々に与えられる任務。与えられた本人の意思関係なく実行せねばならない…)

 

レフト(ほとんどが過酷な任務故に成功すれば英雄として、失敗すればすべてを失うといわれている…)

 

エルタラ(それを成功させたのは帝国の中で、ザウラー閣下を含め僅か2人のみ…)

 

サウラン(だが、今までの戦いで特一級の任務があるとすれば環境が厳しい惑星くらいだろ)

 

デルタ(なぜ殿下はこのような星で特一級任務を…?)

 

クワラン(この星に何があるというのだ?)

 

辺境中の辺境である地球に特一級任務が発令されるとは予想外なのか幕僚団面々は驚しかなかった。

 

ザウラー「承知致シマシタ。コノザウラー、殿下ノ御命令トアラバ」

 

初めから断れないと分かっていながらザウラーは任務を受領すると言う。

 

スペース『それでこそ陸の竜将だ。それでは任務を伝える…』

 

ザウラーの言葉を聞き、スペースは不適に笑いながら任務内容を伝える。

 

 

 

翌朝、ツェアシュテールングの艦橋にてザウラーは腕を組み、目を閉じて司令官席に座っていた。

 

そして朝日が艦橋内に差し込みザウラーの顔を照らした瞬間、目を開いた。

 

ザウラー「全軍作戦開始!」

 

作戦開始の発令をザウラーが出した時、ツェアシュテールングを旗艦とする地上軍が進軍を再開したのであった。


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