戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第716話 敵の真意

藤尭「司令!先ほど中井防衛大臣より緊急電!日本国大陸州にて帝国軍の再侵攻を確認!敵総数約70万!!」

 

弦十郎「やはり再侵攻を行ってきたか!!」

 

報告を聞いて弦十郎はある程度予測していたのか、奥歯を噛み締めて言う。

 

弦十郎(何とか持ち堪えてくれ、マリアくん!!)

 

たった1人で大陸州にいるマリアが持ち堪えてくれることを信じるしか出来なかった。

 

 

 

大陸州では帝国軍の猛攻の前に自衛隊の防衛線は崩壊しかけていた。

 

SRV-5とベルク改級空母型地上制圧艦の砲撃の前に10式戦車や自衛官は吹き飛ばされていく。

 

ヘルダイバー改はスペルグフF型の数に押されてしまっていた。

 

マリア(こ、こんな…ところで…)

 

倒れていたマリアは悲鳴を聞いて朦朧とする意識から立ち上がろうとしていた。

 

マリア「こんなところで、負けられないのよ!!」

 

ギアが輝きながら吠えるように立ち上がるマリア。

 

輝きが消えたその姿(ギア)は『アマルガム』となり、ドラゴンの姿となった左手のアームドギアを構えてSRV-5に向かって走り出した。

 

マリア「はあぁぁぁぁッ!!!」

 

アームドギアの口を開けて数両のSRV-5を噛み砕く。

 

マリア「やあぁぁぁぁッ!!!」

 

さらに首部分を鞭のように振るい、数両のSRV-5を凪払う。

 

マリア(戦車ばかり倒しても意味はない!狙うは部隊の旗艦のみ!!)

 

SRV-5と共に接近する『ベルク改級空母型地上制圧艦17番艦 ザウラ』に向かっていく。

 

帝国軍兵士「サウラン司令!シンフォギアが近づいてきます!!」

 

サウラン「対地戦闘始め!!」

 

向かって来るマリアの姿をレーダーで捉えて船体の左右に在る『35mm連装陽電子ビーム砲』と『20mm単装陽電子ビーム砲』を編み目のように一斉射してマリアを攻撃する。

 

しかしマリアは編み目の如く放たれる攻撃をアームドギアを盾にして一気に接近し、跳躍した。

 

マリア「うおぉぉぉぉーーーーーッ!!!」

 

気合いの声と共にアームドギアから白銀の閃光をカタパルトに向かって放った。

 

マリアの攻撃で船体は数Mほと押し戻された。

 

サウラン「被害報告!」

 

帝国軍兵士A「左舷カタパルト中破!艦載機離着艦不能!」

 

マリアの攻撃で左舷のカタパルトが捲れ上がり、溶解した部分もいくつもあった。

 

帝国軍兵士B「左舷ドッグ内にて火災発生!弾薬庫付近の隔壁閉鎖!自動消火装置作動中!!」

 

カタパルトに続いて左舷ドッグにも火災が起き、スプリンクラーや兵士たちがホースから放水して消火活動を行っていると報告が上がる。

 

サウラン「くそ、シンフォギアめ!!」

 

サウラン(だが、これで奴らの目はこちらに集中しているようだな。このままこちらに引き付けておかないとな)

 

被害報告を聞いてサウランは悔しそうな顔を表にしながらも、内心では冷静且つ笑っていた。

 

マリア「よし、これで少しは戦力が削げれた!」

 

片方のカタパルトを破壊できたのを確認したマリアは言う。

 

カタパルトが破壊されれば航空機は戻ったり出撃したりすることがスムーズに行うことができなくなる。

 

ベルク改級空母型のように2連装のカタパルトを持つなら尚更だった。

 

だが…。

 

マリア「攻撃はここまでね…」

 

少し悔しがりながら、マリアはその場を離れていく。

 

理由としては他のSRV-5が地雷原を超え、自衛隊の防衛陣地を襲っていたからだ。

 

帝国軍兵士「第三次攻撃隊が敵地雷原を突破!敵歩兵・戦車部隊と交戦を開始!」

 

レフト「よし、敵全戦力は把握しているか?」

 

報告を聞いてレフトは聞き返す。

 

帝国軍兵士「敵全戦力把握及び別動隊の反応無し!」

 

レフト「どうやら敵は今だに、こちらの真意に気づいていない様子」

 

報告を聞き、ザウラーにレフトは笑いながら言う。

 

ザウラー「慢心ハスルナ。如何ナル戦ニオイテ慢心程ノ厄介ナ敗因ハ存在シナイ」

 

レフト「はっ、仰る通りです」

 

ザウラーに言われてレフトは肯定して言う。

 

ザウラー「ダガ、今ハ好機!別動隊ニ打電!敵ノ巣ヲ突ケ!!」

 

そうザウラーは叫ぶように指示を出した。

 

同時刻、日本国大陸州から離れた帝国軍勢力圏で、日本海に面するボストチヌイ港に2隻のベルク改級空母型がいた。

 

帝国軍兵士「艦長、ザウラー閣下より入電!敵は現在大陸州国境付近にて本隊と戦闘を行っている模様です!」

 

デルタ「手筈通りだな。戦闘機隊、発艦だ!」

 

指令を聞いて、ザウラー幕僚団の1人『デスレ星雲人・デルタ』乗艦・指揮し、他のベルク改級と違い艦橋の両サイドにパラボラアンテナのような装置が付けられている『ベルク改級空母型地上制圧艦43番艦 ボーアッスル』からF35に似た戦闘機『空間艦上戦闘機 ディノルヴァ』が発艦する。

 

帝国軍兵士「戦闘機隊上がりました!」

 

クワラン「よし、雷撃機隊発進!!」

 

ディノルヴァの編隊が上がったのを確認して、ザウラー幕僚団の1人『高速宇宙人 スラン星人・クワラン』が乗艦・指揮し、ボーアッスルと同じく、艦橋の両サイドにパラボラアンテナのような装置が付けられている『ベルク改級空母型地上制圧艦4番艦 クワイラ』から機体がディノルヴァの倍はあり、大型のミサイルを1基抱えている航空機、帝国軍の雷撃機である『空間艦上雷撃機 ザンサーダ』が上がる。

 

帝国軍兵士「ディノルヴァ、ザンサーダの各編隊、ワープ光線発射ポイントに着きました!」

 

デルタ・クワラン「「ワープ光線、照射!!」」

 

報告を聞いて、デルタとクワランはスイッチを押すとボーアッスルとクワイラの両艦の艦橋両サイドに付けられているパラボラアンテナのような装置『ワープ光線照射装置』が起動し、七色の光をディノルヴァとザンサーダに放った。

 

放たれたワープ光線にディノルヴァとザンサーダは揺らめくように消えてしまったのだった。

 

帝国軍兵士「各編隊、ワープ完了!」

 

ワープ光線で、ワープが完了したと聞いて両将はニヤリと笑っていたのだった。


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