マリア「う、嘘でしょ………」
第一次日本大陸州戦から2日後、マリアは帝国軍襲来の報を聞いてすぐさま中央の戦線に来た。
だが、そこで彼女が見たのは大地を覆いつくさんばかりのSRV-5と数千はいるであろうベルク級の大軍勢であった。
マリア(昨日の倍…いえ、それ以上の大軍!?まだそんなに日は経っていないのに!)
目の前にいる大軍勢が信じられないでいるマリアはそう思っていた。
自衛隊も同じらしく、目の前にいる大軍勢に怖気づいてしまっていた。
マリア(それでも、なんとか凌がないと!!)
他の皆が来るまで、なんとしても持ち堪えねばならないと気持ちを奮い立たせて、覚悟を決める。
レフト「閣下、全軍所定の位置に着きました」
ツェアシュテールングの艦橋にて、自軍と自衛隊の布陣をモニターで確認したレフトがザウラーに言う。
ザウラー「ヨシ。作戦ヲ開始スル!第一次攻撃隊、発艦セヨ!!」
ザウラーの作戦開始の号令は幕僚団の1人『挑発星人 モエタランガ・エルタラ』が乗艦・指揮する『ベルク改級空母型地上制圧艦31番艦 プロヴ』に届けられた。
帝国軍兵士A「艦長!ザウラー閣下より入電!攻撃機隊を発艦させよ!」
エルタラ「来たか。攻撃機隊、全機発艦!!」
ベルク改級空母型地上制圧艦は従来のベルク級から後の砲を取り除いた代わりにV字に伸びた飛行甲板を備え、搭載機数は軽空母並みの航空戦力を保有する。
そんなベルク改級空母型地上制圧艦31番艦 プロヴの艦尾の左右が開き、爆装したシュラハトが出てきて出撃した。
エルタラ「いくら塹壕を深く掘ろうと、地雷を埋めようと空からの爆撃には耐えられまい!」
出撃したシュラハトを見てエルタラは言う。
自衛隊の籠る塹壕地帯上空にシュラハトはすぐに到達すると搭載しているミサイルを次々に投下した。
投下されたミサイルは塹壕目掛け飛翔し、爆発して塹壕の土ごと自衛官たちや地雷を吹き飛ばしていく。
マリア「上空からの爆撃!」
塹壕は確かに戦車や機関砲などから身を護るのには最適であるが、爆撃などの垂直攻撃には弱いのである。
マリア「くっ!!」
爆撃を回避しながらマリアは向かって来るミサイルを切り刻み、破壊する。
ヘルダイバー改や他の自衛官たちも対空戦闘を開始してミサイルを破壊していく。
するとシュラハトの右斜めから航空自衛隊の戦闘機『F-35 ライトニングⅡ』が現れた。
シュラハトはそれを確認すると高度を上げて機首に備わった13mm陽電子機関砲を発砲する。
ライトニングⅡも25mmガトリング砲で発砲し、空戦を開始した。
帝国軍兵士B「第一次攻撃隊が敵航空機と戦闘を開始しました!」
ザウラー「第二次攻撃隊、発艦!」
第一次攻撃隊が航空自衛隊のライトニングⅡと戦闘を開始したことを聞いたザウラーはすぐに次の攻撃を指示したのだった。
ザウラーの指示を聞いて幕僚団の1人である『双体星人 チェーン星人・ライト』が乗艦・指揮する『バルク改級空亡型地上制圧艦27番艦 グーゴマデ』の飛行甲板にはF型のスペルグフが出撃準備を完了させていた。
ライト「全機発進!」
出撃準備を完了させたスペルグフF型にライトは出撃命令を下した。
『不破二尉!敵SBF接近!』
不破「!?」
シュラハトの爆撃を生き残ったヘルダイバー改の部隊にいた不破は部下からスペルグフF型の接近を聞いて上を見上げると、グーゴマデから出撃したスペルグフF型が飛来していた。
不破「総員、近接戦闘用意!敵を1機も近づかせるな!!」
『了解!!』
接近して来るスペルグフF型に不破たちヘルダイバー改は40mm速射ビーム砲を発砲する、スペルグフF型も主武装である58mmビームライフルを発砲しながら着地しようとしていた。
帝国軍兵士A「第二次攻撃隊、敵人型兵器と交戦を開始!!」
レフト「予定通りですね」
ザウラー「イヤ、ココカラダ。第三次攻撃隊、前進セヨ!!」
第一次に続き第二次攻撃隊も戦闘を開始したと聞いてザウラーは余裕を見せず、第三次攻撃隊に指示を出した。
サウラン「行くぞ、第七戦闘団!前進だ!敵を喰らい尽くせ!!」
指示を聞いて幕僚団の1人『恐竜戦士 サウラン』が乗艦・指揮する『ベルク改級空母型地上制圧艦17番艦 ザウラ』と数万両のSRV-5が前進を開始しした。
地雷を失った大地に、SRV-5が踏み固めながら前進する。
マリア「このっ!!」
スペルグフF型の胴体を凪払うマリア。
すると新たに前進するSRV-5の大群を見つけた。
マリア「敵の地上機動部隊!」
着地してマリアはSRV-5に向かって行く。
マリア「やあぁぁぁぁぁぁーーーーーッ!!」
アームドギアを蛇腹状態にして鞭のように振るい、SRV-5の車体を凪払う。
マリア「はあぁぁぁぁぁぁーーーーーッ!!」
続けざまにアームドギアを振るい、SRV-5を撃破していく。
しかし、何万両といるSRV-5は続々と前進してきていた。
マリア(数が、数が多すぎるッ!それでも!)
マリア「それでも、ここで負けるわけには…!?」
いくら数が多かろうとここで自分が踏ん張らなければ自衛隊に勝ち目はないと考えていた時、数十両SRV-5が105mm三連装砲を一斉射、マリアは避けきれずに直撃を喰らってしまった。
マリア「あ…ぐっ……」
爆煙が収まるとギアの所々が焦げてしまっているマリアが立っていたが、すぐに膝から崩れ落ちてしまったのだった。