戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第714話 第一次日本大陸州戦

伊丹「し、シンフォギア!」

 

現れたマリアを見て伊丹が叫んだ。

 

マリア「ここからは私が相手よ!」

 

そう言ってアームドギアを構えてSRV-5の群に向かって走り出した。

 

車長「し、シンフォギアだ!シンフォギアが出た!迎撃しろッ!」

 

車長が指示を出すとSRV-5の105mm三連装陽電子ビーム砲の砲身がマリアに向けて動き出す。

 

マリア「はあぁぁぁーーーーーーっ!!」

 

撃たれるより速く、マリアはアームドギアを蛇腹状態にして3両のSRV-5の車体を縦に両断して破壊した。

 

マリア「やあっ!!」

 

続けざまに蛇腹状のアームドギアを振るい、SRV-5を今度は5両破壊した。

 

伊丹「す、すげぇ…」

 

自分達が全く相手に出来なかったSRV-5を次々に撃破していくマリアを見て唖然とする伊丹たち。

 

何両かのSRV-5が陽電子ビームを発射したがマリアは跳躍して回避すると一旦、アームドギアを左腕に戻すと、再度左腕から短剣を円状に展開すると高速回転させ竜巻を纏いながらSRV-5に向かって突撃した。

 

車長「あ、あれがシンフォギアか……………」

 

マリアの『TORNADO†IMPACT』を目の当たりにして車長は部下と共に車体ごと凪払われたのだった。

 

 

 

帝国軍兵士A「中央部にてシンフォギアを確認!」

 

帝国軍兵士B「中央突破戦車群の被害が広がっています!!」

 

バビラー「な、なんだと!?」

 

報告を聞いてバビラーは驚いて声を上げる。

 

バビラー(ま、まさか宇宙金属で造られた戦車が圧倒されているだと!?)

 

地球側の攻撃を全て防ぎきった宇宙金属で造られたSRV-5が次々に撃破されていることを聞いてバビラーは出撃する前日のことを思い出した。

 

それは直属の上官である『双体宇宙人 チェーン星人・レフト』に呼び出された時だ。

 

レフト『バビラー。此度の日本国攻略作戦に際して、貴様の部隊が第一陣を任せることが決まった』

 

バビラー『おぉ!それはなんとも光栄の至極!』

 

自身の部隊が一番槍であると聞いてバビラーは嬉しそうにする。

 

レフト『進軍にあたり、我々が最も警戒すべき者たちのことを伝えておく』

 

出撃することになった部下にレフトはある画像を見せた。

 

バビラー『こ、これは?』

 

画像を見てバビラーは聞く。

 

そこには鎧を着た少女たちがロケットに仁王立ちして帝国軍の軍艦に向かっている画像だった。

 

レフト『シンフォギアと呼ばれる人間の強化兵士だ。宇宙軍の報告では数十隻のバルバスファ級とギャラガス級が撃沈された』

 

バビラー『な、なんと…』

 

『バルバスファ級宇宙駆逐艦』と『ギャラガス級宇宙軽巡洋艦』を沈めたと聞いてバビラーは驚く。

 

レフト『もしシンフォギアを確認したのならすぐに撤退し、我々に報告したまえ。その後の指示は追って連絡する』

 

バビラー『ハッ!』

 

バビラー(ふん。たかが劣等人種の強化兵士如き、私の部隊だけで殲滅してくれるわ)

 

上官に言われてバビラーは敬礼するが、内心は自分の功績にしようと考えていた。

 

 

 

バビラー「まさか、ここまで強いとは…左右にいる戦車を中央に集結させろ!シンフォギアとはいえ、数はこちらが上だ!数で押しつぶしてくれる!!」

 

"すぐに撤退しろ"という上官の命令を無視してバビラーはそう指示を出す。

 

マリア「左右がこっちに…でも、あまいわ!!」

 

左右に展開していたSRV-5が向かって来るのを見てマリアは笑ってそう言った瞬間、左右から来ていたSRV-5の側面から緑色の光線が飛んできて、宇宙金属で造られたSRV-5の車体を貫いた。

 

貫かれたSRV-5は溶けたような大穴が開き、すぐに爆発した。

 

バビラー「な、なにが起きている!?」

 

爆発したSRV-5を見てバビラーは艦長席から立ち上がった。

 

帝国軍兵士A「司令!敵人型兵器による攻撃で左右の戦車部隊の損害が広がっています!!」

 

バビラー「そんなバカな!?地球軍の人型兵器が帝国の戦車を破壊するなど不可能なはずだ!!」

 

帝国軍兵士A「そ、それが敵は光学兵器を使用していると報告が!」

 

バビラー「なにぃ!?」

 

地球軍の人型兵器こと陸上自衛隊の純国産軍用レイバーである『ヘルダイバー』が光学兵器を使っていると聞いてバビラーは度肝を抜かれてしまった。

 

今までのヘルダイバーでは確かにSRV-5を撃破できなかった。

 

しかし、この場にいるヘルダイバーは違う。

 

レジスタンスにより改装を受けて帝国軍よりも低出力だが、十二分な威力を有する『40mm速射ビーム砲』を装備したヘルダイバーこと『ヘルダイバー改』である。

 

不破「第二小隊はそのまま前進!敵を地雷原に追い込め!第一小隊は私と共に敵戦車を他の地雷原に追い込むぞ!!」

 

『了解!!』

 

ヘルダイバー改部隊の隊長である不破の指示で、次々にSRV-5は追いたてられ、地雷原地帯に戻されてしまい地雷で動けなくなったり、ヘルダイバー改の40mm速射ビーム砲で撃ち抜かれていた。

 

帝国軍兵士A「戦車部隊の損耗率が上がっています!!」

 

帝国軍兵士B「司令!ここは一旦撤退を!」

 

バビラー「ぐっ…て、撤退だ!全軍、占領地まで撤退だ!!」

 

戦車部隊の損耗率が上がっていくのを見てバビラーは奥歯を噛み締めて撤退を指示したのだった。

 

マリア「逃げたみたいね…」

 

砲を向けているが車体を90°反転させて逃げていくSRV-5を見てマリアは帝国軍が撤退を開始したのを見て安心した。

 

後ろでは自衛官たちが勝利に歓喜して声を上げているのが聞こえていたのだった。

 

 

 

バビラー率いる帝国軍地上部隊による第一次日本国大陸州戦はマリアとビーム兵装を使用できるようになったレイバー・ヘルダイバー改とマリアの前に撤退。

 

日本国大陸州攻防戦は地球側の勝利となった。

 

バビラー「申し訳ございません!部隊を預かる身でありながらまんまと敗北してしまいました!!」

 

日本との国境から占領地域まで撤退して、艦橋内にてバビラーは上官であるレフトに頭を深く下げて謝罪していた。

 

レフト『構わん。敵がビーム兵装を持っていたのには少々驚かされたが、シンフォギア相手では仕方あるまい。全滅する前によくぞ撤退を指示したな』

 

バビラーから報告を聞いてレフトは怒らず、屈辱に耐えて撤退を指示したことを決断したことに感心していた。

 

レフト『それで、シンフォギアの数は分かるか?』

 

バビラー「確か、あの場には1人しかいなかったかと」

 

聞かれてバビラーはそう答える。

 

レフト『そうか。報告ご苦労。しばらくは兵士と共に休んでいてくれ』

 

バビラー「ははっ!!」

 

レフトに言われて通信を切り、バビラーは敬礼した。

 

 

 

レフト「報告します。日本国大陸州においてやはりシンフォギアが現れました」

 

モスクワ基地きてレフトはザウラーに会ってシンフォギア出現を報告していた。

 

ザウラー「ヤハリ現レタカ…」

 

レフト「ですが、一つ朗報がございます」

 

ザウラー「何ダ?」

 

レフト「現在、日本国を守るシンフォギアは1人だけとのこと」

 

ザウラー「ソウカ。ナラバ全軍ニ招集ヲ掛ケヨ!総攻撃ヲ仕掛ケ、他ノシンフォギアガ日本国ヘ到達スル前二方ヲ着ケルノダ!!」

 

レフト「はっ!!」

 

1人しかシンフォギアがいないと聞いてザウラーは総攻撃の準備を指示するのだった。


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