戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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ケルベロス作戦を成功させた帝国軍は本格的な地上戦力を送り込み始めた。

その中で、宇宙大怪獣帝国軍占領国ロシア首都・モスクワ基地に1人の帝国軍人が降り立った。

宇宙大怪獣帝国軍陸上軍団司令長官、名は『恐竜戦士 ザウラー』である。


第710話 日本へ(序)

ザウラーの乗艦する宇宙大怪獣帝国陸軍地上戦艦・『ツェアシュテールング級地上制圧戦艦1番艦 ツェアシュテールング』がモスクワ基地の司令部に到着すると停止して、司令部施設からタラップが延びてきて、ツェアーシュテールングのハッチに固定された。

 

タラップ内部で、ハッチが開きザウラーが護衛の兵士と降りてきた。

 

タラップの中間まで行くとモスクワを制圧した第七大艦隊司令官・宇宙大怪獣帝国軍六王第六位『冷凍怪獣 マーゴドン』(階級:大将)の人間体と副官『グローザ星系人・グロウ』(階級:大佐)の2人がザウラーを敬礼して迎えていた。

 

マーゴドン「ザ、ザウラー上級大将、遠路遙々(えんろはるばる)御越しいただき恐悦至極です!」

 

少し緊張しているのか、マーゴドンは噛みそうになりながら言う。

 

ザウラー「ソウ畏マルナ、マーゴドン大将」

 

マーゴドン「わ、私のことをご存じで!?」

 

自分のことを知っているザウラーに驚いてしまう。

 

ザウラー「貴官ノ活躍ハ聞キ及ンデイル。此度ノ戦デ、前任者(サンドロス)以上ノ戦果ヲ挙ゲタデハナイカ。今後トモ活躍ヲ期待シテイルゾ」

 

驚いているマーゴドンの肩に手を置いてザウラーはそう言うとタラップを再度歩きだした。

 

マーゴドン「は、はい!」

 

期待されていると言われてマーゴドンはザウラーの後ろを付いていく。

 

 

 

 

 

ザウラー「此度ノ先行作戦、ヨクゾ成功サセタ。本日ヲ以ッテ、地球侵攻作戦指揮ヲ宇宙軍から我ガ地上軍ニ引キ継ガレタ。尚先行作戦艦隊デアル第二カラ第七大艦隊各司令官ハ各地上拠点防衛任務ニ付キツツ、地上軍ノ支援ヲ行ウ。以上ダ」

 

ザウラーは宇宙大怪獣帝国軍占領国ロシア・首都モスクワに建設された基地にある円卓に並べられた机とイスがある会議室にて、大型モニターに映る各占領地域や国を守る六王たちに向かって今後の地球侵攻作戦のことを伝える。

 

ザウラー「何カ質問ハアルカ?」

 

EXタイラント『いいえ、ありません』

 

ブラックエンド『こちらもありません』

 

ルガノーガー『アタシもありません』

 

ムルロア『ありません』

 

ガモス『俺も無いぜ』

 

マーゴドン「ぼ…私もありません」

 

ザウラーに聞かれて、宇宙大怪獣帝国軍六王第一位兼同軍オデッサ基地司令官『EXタイラント』を筆頭に、同軍六王第二位兼同軍北米大陸カルフォルニア基地司令官『円盤生物 ブラックエンド』、同軍六王第五位兼同軍北米大陸ニューヨーク基地司令官『凶獣 ルガノーガー』、同軍六王第三位兼同軍イギリス・首都ロンドン基地司令官『宇宙大怪獣 ムルロア』、同軍六王第四位兼同軍オーストラリア首都・キャンベラ基地司令官『殺戮怪獣 ガモス』、そしてマーゴドンがそれぞれ言う。

 

ザウラー「デハ、各地上軍司令官ノ司令ガアルマデ待機セヨ」

 

そこまで言い終わり、ザウラーが敬礼すると各六王も敬礼して通信を切った。

 

ザウラー「マーゴドン大将」

 

マーゴドン「はい!」

 

ザウラー「我ガ幕僚団ヲ呼ンデクレ」

 

マーゴドン「え?」

 

ザウラーに言われてマーゴドンはキョトンとしていた。

 

 

 

ザウラーの下には6人の直属の部下がいる。

 

彼らは長年ザウラーの下で戦い続け、支え続けた猛者たち。

 

帝国軍内では彼らを『ザウラー幕僚団』と呼ばれている。

 

作戦会議にて、ザウラーは幕僚団と今後の作戦会議を行われていた。

 

レフト「現在地球に存在する国家の内、3ヵ国と重要拠点は我が軍の占領下に置かれている」

 

円卓中央にホログラムで投影された地球の地図で、占領国となったイギリス、ロシア、オーストラリアと占領地になったカスピ海・黒海、北米を示しながら左半身が青い宇宙人ーザウラー幕僚団第四機甲師団指揮官『双体宇宙人 チェーン星人・レフト』(階級:大佐)が言う。

 

ライト「ここを含んだ、主な3ヶ所を拠点に地球の各方面に陸上戦力を派遣できるようになったわけだな」

 

主な地上攻略の拠点となった3ヶ国から矢印で進撃ルートの例が出されたのと同時に、右半身が赤い宇宙人ーレフトの弟で、ザウラー幕僚団第四機甲師団SBF部隊隊長『双体宇宙人 チェーン星人・ライト』(階級:中佐)が言う。

 

エルタラ「このモスクワ基地を起点とすれば、ヨーロッパ方面はイギリスのロンドン基地と挟撃、個としてはアジア方面に進軍は可能ですね」

 

今いるモスクワを拠点とする進撃ルートを策定している燃え盛る炎のような外観を有する宇宙人ーザウラー幕僚団第四機甲師団攻撃隊隊長『挑発星人 モエタランガ星人・エルタラ』(階級:少佐)が言う。

 

デルタ「現状、地球軍は電撃戦に備えた防衛策を取っているようです。このことから地球にも電撃戦の概念か、もしくはレジスタンスの悪知恵と考えて良いかと」

 

地球側が電撃戦に備えた陣形で構えていると骨と筋肉が逆転した様な姿をした宇宙人ーザウラー幕僚団第四機甲師団戦闘機隊隊長『デスレ星雲人 デルタ』(階級:少佐)が言う。

 

サウラン「ふん。劣等人種が守りを固めたところで、我々の前には通用するかよ」

 

デルタの言葉にザウラーによく似た外見だが、クリスタルが短く、身体もザウラーよりも細い宇宙人ーザウラー幕僚団第四機甲師団第七戦闘団隊長『恐竜戦士 サウラン』(階級:少佐)が言う。

 

クワラン「サウラン、敵を侮るなよ。窮鼠猫を嚙むってことわざがあるだろ」

 

サウランに昆虫のような頭部に鋏のような形状の短剣が付いた両腕を持つ宇宙人ーザウラー幕僚団第四機甲師団雷撃機隊隊長『スラン星人・クワラン』(階級:少佐)が言う。

 

ザウラー「クワランノ言ウ通リダ。劣等種族トハイエ、自ラノ故郷ヲ蹂躙サレテ黙ッテイル種族ナド存在セヌ。必死ニナッテ戦ッテクルダロウ」

 

サウラン「は、はい……」

 

ザウラーに言われてサウランは怯えながら返事をする。

 

レフト「それでザウラー閣下。今後の作戦は如何なさいますか?」

 

幕僚団代表で、レフトがザウラーに今後の作戦行動を聞く。

 

ザウラー「敵ガ取レル手ハ限ラレテイル。シカシ、我ラ帝国ガ警戒スベキハ地球人ニアラズ」

 

ライト「我々が経過すべき存在?地球怪獣ですか?」

 

ザウラーの言葉にライトが首をかしげて聞く。

 

ザウラー「地球怪獣モ警戒ハスベキダロウ。ダガ、真ニ警戒スベキハコノ者タチダ」

 

指をパッチンと鳴らすと、円卓中央の映像が切り替わり、鎧を着た少女たちが映された。

 

デルタ「これは…地球人?」

 

少女たちを見てデルタは拍子抜けの顔をする。

 

ザウラー「コノ者タチハ、シンフォギア。神ヲ殺ス存在。ソノ力ハ地球怪獣ノ王デ、スペース陛下ノ兄君ト互角」

 

少女たちこと響たちシンフォギアが神殺しで、実力はミレニアムゴジラと互角と聞いて幕僚団はざわついた。

 

サウラン「まさか?たかが地球人の小娘だろ?」

 

信じられないとサウランは言う。

 

クワラン「いや、これまで送り込んだ工作兵とサンドロス大将がこんな辺境の地で相次いで敗退したのも納得がいく点はありますな」

 

サウランにクワランが顎に手をやりながら、これまで送り込んできた帝国軍の工作部隊やサンドロスが敗北したことを思い出して言う。

 

ザウラー「我々ノ第一ノ目標ハ、シンフォギアノ撃滅。彼ノ者タチヲ倒サネバ、我ラノ地球侵攻ノ大キナ妨ゲトナル」

 

立ち上がり、ザウラーは幕僚団に言う。

 

その言葉に幕僚団はザウラーのこれから言うことを察していた。

 

ザウラー「明日ノ明朝、シンフォギアノ拠点国家、『技術大国 日本』ヘ向ケ、進撃スル!!」

 

シンフォギアの拠点としていると考えている日本へ進軍することを決定した。

 

『はっ!!』

 

ザウラーの決定を聞き、幕僚団は立ち上がって敬礼したのだった。


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