戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第708.5話 新型(前編)

英国臨時政府首都・インヴァネス上空では、帝国軍の爆装した攻撃機 シュラハトを翼、マリア、クリスの3人が次々と撃墜していた。

 

クリス「今ので何機目だ?」

 

新たにシュラハトを1機を撃墜したクリスが近くにいたマリアと翼に聞く。

 

マリア「さあね。その内、全部撃墜王(エース)だらけになるわよ」

 

翼「それも生き残れたらの話だがな。2時上空に5機!行くぞ!!」

 

クリスの質問にそう答えながら新たな5機のシュラハトを確認して迎撃に向かう。

 

 

 

翼たちがインヴァネス防衛に専念しているころ、帝国に占領されたイギリス・イングランド東海岸に位置するシティ『キングストン・アポンハル』でも戦闘が行われていた。

 

響「どりゃあぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

気合の声と共に響のドリルナックルが空中にいた1隻のバルバスファ級宇宙駆逐艦の横腹に風穴を開けて撃沈する。

 

切歌「デエェーーーーーーーーーーーーーーーース!!」

 

調「やあぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 

切歌と調は鎌とヨーヨー型のアームドギアで爆装してインヴァネスへ向かおうとしていたシュラハトの羽を破壊して撃墜する。

 

その内の1機が1隻のラルベアー級多層式宇宙空母の中段飛行甲板に飛び込んでしまい、爆発。

 

出撃準備中だった他のシュラハトを爆発に巻き込んで誘爆を引き起こす。

 

最終的に爆発はラルベアー全体に広がり、飛行甲板が捲れ上がりながら炎によって船体が燃えて海面に落下して撃沈する。

 

藤尭「敵空母1隻撃沈を確認!」

 

友里「帝国軍まだ混乱しているようです!」

 

キングストン・アポンハルの港出入り口付近に待機していたS.O.N.G.本部の発令室で戦況を藤尭と友里が伝える。

 

弦十郎「よし、敵に反撃の隙を与えるな!弾薬の浪費と出血が目的だからな!」

 

長期戦に持ち込んで帝国軍に浪費を強要させて、帝国軍が疲労して油断した瞬間に民間人を救助する計画だった。

 

弦十郎(ここまでは順調だな…このまま行けば……)

 

作戦が上手くいっていることに弦十郎は願っていた。

 

 

 

ムルロア「ほう、レジスタンスと地球軍もなかなかやるな」

 

キングストン・アポンハルから陸側にてギルヴァスター級弩級宇宙戦艦5番艦 ギガドーラー艦橋にてムルロアは3ヶ国の状況を確認して言う。

 

リベン「いかがなさいますか?」

 

副官のリベンが分かってはいるが敢えて上官であるムルロアに聞く。

 

ムルロア「残念だが、提督の方が一枚も二枚も上手だったようだな。作戦第二段階を発動!重力の手土産をくれてやれ!!」

 

リベンに聞かれてムルロアはS.O.N.G.やレジスタンスの動きはすでにヴァロルドの予想の範囲内であることを言うと指示を出した。

 

 

 

ムルロアが指示を出した時、その異変は起きた。

 

異変が起きたのはオーストラリア首都・キャンベラ戦線であった。

 

キャンベラではレジスタンスの奇襲により帝国軍第五大艦隊は混乱とフレンドリーファイア(味方への誤射)を引き起こして損害を大きくしていた。

 

また、レジスタンス来援により士気を取り戻した地球怪獣軍団オーストラリア方面軍とオーストラリア陸軍により戦線はキャンベラ前まで押し戻していた。

 

だが、段々と冷静を取り戻して態勢を整え始めていた。

 

リュグロー「だいぶ態勢が整え出したか…そろそろ限界か…ん?」

 

第五大艦隊が着々と態勢を取り戻していくのを感じていたリュグローだったが、不穏な動きを見つけた。

 

突如として第五大艦隊と宇宙怪獣軍団が回頭を始めたのだ。

 

リュグロー「回頭?撤退でもする気か?」

 

リュグロー(何でこのタイミングで?)

 

妙なタイミングで回頭を始めた第五大艦隊に不振がるリュグロー。

 

リュグロー「全艦、追撃はするな!」

 

第五大艦隊が突如として回頭を始めたのを見たリュグローは全艦に指示を出す。

 

レジスタンスA「リーダー!スペランツァ級1隻とファルケ級2隻が追撃を開始しました!」

 

リュグロー「なんだと!?」

 

指示を無視して追撃を始めたと聞いてリュグローは驚いて声を上げる。

 

スペランツァ級艦長「敵は慄いている!この隙を突いて一気に勝機を掴むぞ!!」

 

帝国軍が回頭を始めて、勝機と見たスペランツァ級艦長は言う。

 

しかし、その異変の正体が姿を現した。

 

空間に赤い穴のようなものが10個ほど開くと中から10隻の艦が姿を現した。

 

艦のフォルムは典型的な帝国軍艦艇の形と同じく、シャチやサメを思わせる流線形だが、艦首の左右に伸びた部分があり、艦首中央には突き出た2本の突起物があるが、全体的な見た目は完全にシュモクザメと同じ姿をしている艦だった。

 

リュグロー「な、なんだ!?あの軍艦(ふね)は!?」

 

見たことのない艦を見てリュグローや他のレジスタンスメンバーは驚く。

 

レジスタンスB「艦種識別…データありません!敵の新型艦です!!」

 

すぐに識別が行われたが今まで確認された帝国軍艦のデータが存在しないことを伝える。

 

スペランツァ級艦長「し、新型艦だろうと知ったことか!突撃だ!戦艦と重巡洋艦の火力で一気に叩くぞ!!」

 

怯まずにスペランツァ級艦長は突撃を命じる。

 

対する新型艦は艦底部以外の艦体から大量のミサイルが発射された。

 

スペランツァ級艦長「な!?」

 

雨の如く降り注がれた大量のミサイルに対応出来ず、追撃してきたスペランツァ級とファルケ級はミサイルの前に爆沈してしまった。

 

リュグロー「み、ミサイル艦か!?」

 

リュグロー(それにあの2発は…!?)

 

リュグロー「全艦隊、撤退!戦線を急速離脱だ!!」

 

新型艦がミサイル艦と分かり、驚いていると艦首中央に突き出た突起物に目をやり、嫌な予感がしたリュグローは指示を出すとすぐさまレジスタンス艦隊は回頭を始めた。

 

同時に新型艦は突き出た突起物―ミサイルを発射した。

 

発射されたミサイルはキャンベラ中心部まで飛ぶと爆発、同時に半円型の黒い幕が出きると周辺の物を引き寄せ始めた。

 

レジスタンスA「ば、爆心地に膨大な重力反応!このままでは引きずり込まれます!!」

 

ミサイルが爆発した場所に重力が起きて、引きずり込まれてしまうことを報告する。

 

現に黒い幕まで入った艦は握り潰されるように破壊されていた。

 

それは地球怪獣や人間でも例外はなかった。

 

リュグロー「艦隊、緊急ワープ!急げ!!」

 

そう指示を出すと生き残った艦は急いで緊急ワープを慣行、その場を離脱。

 

地球怪獣たちはオーストラリア方面軍司令官であるパンドラの指示で地中へ逃げ、オーストラリア軍も中へ逃げていく。

 

レジスタンス艦隊と地球怪獣、オーストラリア軍がいなくなると幕が破裂するように広がると周辺一帯が吹き飛ばされていった。




ガモス「ひゅー、コイツはスゲーな」

ギルヴァスター級弩級宇宙戦艦6番艦 クォツスター艦橋に上ってきた人間体のガモスは言う。

ウェド「えぇ。地球怪獣軍団とレジスタンスは半数を葬り、敵現地軍は壊滅です」

ガモス「レーゲン級宇宙ミサイル重巡洋艦と破壊重力ミサイル…なかなか使えるじゃねーか」

ウェドの報告を聞いてガモスは新型艦『レーゲン級宇宙ミサイル重巡洋艦』と新型ミサイル『破壊重力ミサイル…』を見て言うのだった。

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