戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第706話 惑星間弾道弾破壊作戦(破壊)

惑星間弾道弾が月と火星の間の宙域に達している頃、地球では着々と惑星間弾道弾破壊作戦の準備が進められていた。

 

リルが変身したミレニアムゴジラがエネルギーを蓄えている間にモスラ・バトラの持つ地球のエネルギーとシンフォギアの絶唱によるフォニックゲインを与え、自身のエネルギーにに変換して強化された放射火炎を打ち出し、破壊する作戦だ。

 

しかし、帝国軍の兵器は機動兵器を含む全ての兵器が宇宙金属で造られている。

 

地球側の最大威力である放射火炎を強化したとしても破壊できるか、正直五分五分であった。

 

東京スカイツリーの展望台の屋上で響を中心にしているクリスたちはいた。

 

クリス「それにしても五分五分の確率かぁ…たまには博打みたいな作戦したくねーな」

 

今回の作戦の成否のことを愚痴りながらクリスは言う。

 

マリア「博打みたいな作戦なんていつものことでしょ」

 

翼「それに私たちなら、きっと成功できるだろう」

 

愚痴るクリスにマリアと翼は言う。

 

クリス「それはそうだが…はあ…ま、しゃーねか」

 

まだ言い足りないクリスだったが、いつものことなので呆れと諦めがあって言う。

 

響「大丈夫だよ、クリスちゃん!私たちなら全力全開でいけばたかが弾道弾の一発や二発ぶち抜けるよ!」

 

クリス「変なフラグを乱立するのは止めろ!!」

 

響のフラグ発言にクリスはツッコミを入れる。

 

その時だ、空に響き渡る二種類の羽音。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルル!」

 

羽音を聞いてスカイツリー前にいたミレニアムゴジラは羽音の位置を聞き分けてその方向を見た。

 

羽音は段々と大きくなり、巨大な2体の昆虫型の怪獣が飛来した。

 

モスラとバトラの姉弟怪獣だ。

 

しかし少し2体は体がふくよかになっていた。

 

バトラ「待たせたな」

 

モスラ「地球のエネルギーを出来るだけ蓄えてきました!」

 

テレパシーで響たちに言うモスラとバトラ。

 

切歌「あれ?少しふと…むぐっ!?」

 

調「切ちゃん、それ以上はいけないから」

 

危うく最大のNGワードを言いかけた切歌に調が口を押さえて言う。

 

しかしモスラは頭に「?」を浮かべていたが、バトラはジロッと睨み付けていた。

 

 

 

藤尭「モスラとバトラの現着を確認!」

 

弦十郎「よし!これより、惑星間弾道弾破壊作戦・オペレーションロングマーチを開始する!!」

 

モスラとバトラの姉弟怪獣が到着を聞いて弦十郎は作戦開始の号令を掛ける。

 

 

 

翼「よし、作戦開始だ!」

 

弦十郎の号令を通信越しで聞いて翼が叫ぶと響を中心になるように全員がコンバーターユニットを出した。

 

響「Balwisyall Nescell gungnir tron…」

 

翼「Imyuteus amenohabakiri tron…」

 

クリス「Killter Ichaival tron…」

 

マリア「Seilien coffin airget-lamh tron…」

 

切歌「Zeios igalima raizen tron…」

 

調「Various shul shagana tron…」

 

それぞれのギアの起動詠唱を唄い、ギアを纏うと手を繋いだ。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルル……」

 

背鰭を蒼白く光らせ、口内にエネルギーをミレニアムゴジラは貯め始める。

 

モスラ「キュオォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

バトラ「ギャウオォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

エネルギーを貯め始めたミレニアムゴジラにモスラとバトラが体を光らせて地球のエネルギーを放った。

 

6人『Gatrandis babel ziggurat edenal…Emustolronzen fine el baral zizzl…Gatrandis babel ziggurat edenal…Emustolronzen fine el zizzl…』

 

同時に響たちは絶唱を詠唱し、そのエネルギーを解放する。

 

モスラとバトラの地球のエネルギーと響たちの絶唱によるフォニックゲインのエネルギーが背鰭から吸収されミレニアムゴジラの体内で自身のエネルギーに変換、口内に貯められたエネルギーと混ざり合う。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

 

全てのエネルギーが混ざり合った七色に輝く放射火炎を空に向かって発射した。

 

発射された放射火炎は大気圏(対流圏~中間圏)を易々と突破し、宇宙空間(熱圏~外気圏)に入り、地球へ向かって来る惑星間弾道弾へ向けて宇宙空間を進んで行く。

 

 

 

惑星間弾道弾は月の手前まで接近し、地球へ向けて進んでいた。

 

惑星間弾道弾の後ろから宇宙大怪獣帝国軍艦隊約170万隻が付いてきていた。

 

グレイ「あー、もう!なんで私がこんな雑務をしなくちゃいけないのよ!」

 

付いてきている艦隊の旗艦である『ヴァルゼース級宇宙戦艦3738番艦 ブラングキング』の艦橋でグレイは文句を言う。

 

ワープ出来ない惑星間弾道弾を冥王星から誘導してきたマーゴドンの艦隊から引き継いできて、後は落とすだけという簡単な作戦にグレイは文句タラタラであった。

 

グレイ(副官を外された挙げ句、艦隊も誘導艦隊みたいな小艦隊まで下げられるなんてぇ!!)

 

悔しそうにするグレイだった。

 

帝国兵士A「ん?グレイ司令!」

 

レーダーを見ていた兵士がグレイに向かって叫んだ。

 

グレイ「なによ!」

 

帝国兵士A「地球から巨大エネルギー反応を確認!真っ直ぐこちらに向かって来ています!!」

 

グレイ「はあ?何訳の分からないことを言ってるの?地球人は録に宇宙へ出れない劣等種族…」

 

報告をまともに取り合わないグレイはそう言っていると七色に輝く光の一閃が惑星間弾道弾の真っ正面から命中した。

 

グレイ「な、なになに!?」

 

いったい何が起きたのか分からないでいるグレイは慌てていた。

 

他の兵士たちも状況が分からず混乱していた。

 

そうこうしている内に七色に輝く光の一閃―強化された放射火炎が都市破壊惑星軌道弾道弾を先端から最後尾のスラスターまで貫いた。

 

貫かれた都市破壊惑星軌道弾道弾は大爆発を起こしながら近くを航行していた誘導艦隊を巻き込んでいく。

 

グレイ「噓でしょ!?惑星間弾道弾が破壊された!?て、撤退!現宙域から急いでりだ…………」

 

都市破壊惑星軌道弾道弾が破壊され、巻き込まれていく味方艦隊を見てグレイはすぐに撤退を指示するが爆発の余波に飲まれて乗っていた自艦もバラバラになりながら爆発・爆沈した。

 

都市破壊惑星軌道弾道弾の爆発にグレイ艦隊は1隻残らず飲まれていった。

 

閃光と爆発が収まった宙域にはバラバラに砕け散ったグレイ艦隊の艦の部品が漂っていた。

 

 

 

藤尭「月手前にて爆発を確認!」

 

友里「NASAより入電!惑星間弾道弾の破壊を確認したと!同時に帝国軍の誘導艦隊も消失を確認しました!!」

 

弦十郎「よしっ!!」

 

藤尭と友里の報告を聞いて、 惑星間弾道弾破壊成功を確信して弦十郎はガッツポーズしたのだった。




都市破壊惑星軌道弾道弾が破壊されたことは各太陽系方面基地に伝えられた。

勿論、宇宙大怪獣帝国軍冥王星基地・プラートの帝国軍航宙艦隊総司令官であるヴァロルドの部屋にて都市破壊惑星軌道弾道弾破壊とグレイ艦隊全滅の報が届けられていた。

ヴァロルド「そうか、ナックルの艦隊は全滅したか」

帝国兵士B「はっ、地球軍の大型ビーム兵器と思われる砲撃で都市破壊惑星軌道弾道弾は月の手前で破壊され、その余波で誘導艦隊であるグレイ艦隊は全滅しました」

誘導艦隊であるグレイの艦隊が全滅したとの報告を聞いてもヴァロルドは残念がるよりも少し嬉しそうだった。

ヴァロルド「しかし正直、地球軍がここまでやるとは予想外だったが、まあいい」

グレイの艦隊全滅よりも惑星間弾道弾が破壊されたことに驚きながらもヴァロルドはあまり慌ててはいなかった。

ヴァロルド「こちらはすでに次の一手は用意している。すぐに月面裏に待機しているムルロア、ガモス、マーゴドンに伝えよ!これよりオペレーション・ケルベロスを開始するとな!」

帝国兵士B「はっ!!」

『オペレーション・ケルベロス』なる作戦を開始するようにムルロア、ガモス、マーゴドンに伝えるようにヴァロルドは兵士に指示を出した。

ヴァロルド(見ていろ地球軍、我々を本気にさせたことを後悔させてやる!!)

指示を出し終えてヴァロルドはそう思っていたのだった。

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