戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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チャラチャッチャッチャチャ~♪チャラチャッチャッチャチャ~♪チャラチャッチャッチャチャ~♪

ペンギン「テイコウペンギン!」

[シンフォギアになるとどうなるのか?]

クリス「って、ちょっと待てぇ!!!」

パンダ「ゲ!?なんでここに本物が来てるの!?」

クリス「勝手に変な番組始まったら誰だって飛んでくるわ!こっちは久々の本編なんだぞ!!」

シャチ「変って失礼ですね!こう見えても僕たちは社会人として立派に働いてんるんですよ!」

ペンギン「パンダはサボってるし、働いてるのは俺だけで、会社はブラック企業だけどな」

クリス「お前ら一体何なんだよ…普通ペンギンとかパンダとかシャチとかが普通に喋って会社勤めなんてありえないだろ」

ペンギン「俺もそう思う」

パンダ「もーっ!!僕たちのこと知らないなんて、常識無いよ!!」

ペンギン「常識からかけ離れたお前が常識を語るな!」

シャチ「僕たちのことはこれで見てください!」



ブラック企業『某企画』で働くペンギンは、仕事をしない同僚のパンダ、仕事を押し付けてくる上司のモニター、やたら自分を好いてくる後輩のシャチに抵抗していた。

このチャンネルは、そんな某企画での日常を配信している。

『テイコウペンギン』!



クリス「って、番宣すんじゃねぇ!!!!!!!」

パンダ・シャチ「「ぎゃああああああーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」」

ペンギン「だから言っただろ…」

クリス「ここは戦姫絶唱シンフォギアPROJECT Gだからな!!」

ペンギン「因みに本編は今から始まるぞ!」


第697話 信じれば

タイニー「帝国軍が攻めてくるって本当なの?」

 

帝国軍が攻めてくるという報告を聞いてタイニーはベロニカたちに聞いた。

 

ベロニカ「どうなの、リリカ」

 

リリカ「えぇ。地球の国連が帝国の降伏勧告を断ったみたい」

 

ベロニカ「まずいわね…地球人の科学力と軍事力じゃ帝国軍に勝てる見込みは0だわ」

 

情報が本当であることを聞いてベロニカは頭を悩ませた。

 

帝国から逃れるために故郷を捨て、長く辛い放浪の旅路にてようやく見つけた安住の地である地球がまた帝国の魔の手に掛かろうとしていたからだ。

 

ザッカル「皆を集めてどうするか決めるしかないの」

 

ベロニカ「はぁ、そうね…」

 

頭に手をやりながらベロニカはザッカルの意見を採用するとスマホによく似た形の通信端末を出すと操作して住人たちに広場に集まることを知らせた。

 

数分後、広場に難民の住人たちが集まるようにベロニカが知らせを出して、マリアたちはベロニカに事情を聴いて広場に移動していた。

 

マリア「ねえ、帝国が攻めてくるって情報は本当なの?」

 

帝国が攻めてくるという情報を信じられない様子でマリアはベロニカたちに聞く。

 

ベロニカ「えぇ。リリカ、情報の元はやっぱりアルマよね?」

 

リリカ「うん。アルマさんからの確かな情報です」

 

聞かれたベロニカは伝えてきたリリカに確認すると、リリカは頷いて言う。

 

切歌「アルマさんって誰デスか?」

 

ザッカル「元銀河共和同盟の惑星調査員をして居った娘でな。地球人によく似とるから国連職員として情報収集してもらっとる」

 

タイニー「地球のことを教えてくれたのもアルマさんなんだ」

 

ユウコ「そんな人が…」

 

国連職員として地球の内情を調べている『惑星調査員 アルマ』という人物がいると聴いて驚く。

 

マリアたちが広場に着くとそこには沢山の住人たちがおり、動揺の声が上がっていた。

 

宇宙大怪獣帝国が地球へ宣戦布告したという情報は瞬く間にコロニー全体に広がり、動揺を呼んでいたのだ。

 

住人A「て、帝国軍が地球(ここ)に攻めてくるのか!?」

 

住人B「は、早く逃げないと!」

 

住人C「逃げるってどこへだよ!?」

 

住人D「もう、終わりだ…」

 

住人E「せっかく安住の地に着いたと思ったのに……」

 

ようやく見つけた安住の地と思われていた地球にまで帝国の魔の手が伸びてきたことに住人たちは騒ぎ始める。

 

確かにここにいる住人は皆、ここまで来るのに長い間辛い宇宙での旅路を乗り越えてきた。

 

しかし、それは帝国という畏怖の対象から逃れ安住の地を手に入れる為である。

 

それなのに畏怖の対象たる帝国が安住の地と思っていた地球にまで軍を差し向けようとしていた。

 

帝国の恐ろしさをその身に染みて知っている住人たちにとって騒がずにはいられなかった。

 

ベロニカ「みんな、落ち着いて!この星は私たちにはない力がある!まず、この星には地球怪獣たちがいる!彼らは宇宙怪獣と互角の力があるわ!それに地球人と協力して、何度も侵略者からこの星を守ってきた!」

 

騒ぎ始めた住人達をベロニカはそう言ってなだめようとしたが…。

 

リュグロー「地球怪獣たちが地球人と手を組んだところでどうにかなる戦力じゃないだろ!!」

 

反論を上げて、リュグロー(車形態)が叫ぶ。

 

リュグロー「確かに地球怪獣たちは一騎当千の力を持っているし、そこの人間どもと手を組めば百人力だろう!だが、向こうは億はいく艦艇、数千万以上の地上兵力、数百万機の機動兵器を保有しているんだぞ!!根本的な数の戦力が違う!!」

 

リュグローの言う通り、地球人の軍の総戦力は帝国軍の総戦力の1割にも満たない。

 

それに地球怪獣たちが加わったところでどうにかできる戦力差では無いのは誰の目からも明らかだった。

 

住人F「そ、そうだ!奴らの方との戦力差は明らかだ!!」

 

住人G「いくら地球人と地球怪獣が手を組んだところで勝ってこない!!」

 

リュグローの言葉に住人たちは次々に賛同する声を上げる。

 

リュグロー「それに地球人と地球怪獣たちは敬遠の仲だ!そんな連中が手を組んだところで、足の引っ張り合いになるだけだ!!」

 

この一言を聞いて痛いところを突かれたとマリアたちは思った。

 

確かに地球人と地球怪獣は決して仲が良いわけではない、むしろ犬猿の仲、お互いにお互いを最近まで敵として認知していた間柄だ。

 

そのような者たちが手を組んだところで足の引っ張り合いをするのは誰でも分かることであった。

 

ベロニカ「でも…」

 

マリア「だからって、諦めるの?」

 

反論しようと口を開いたベロニカが言うより早くマリアが口を開いて言うと全員の視線がマリアに集まった。

 

リュグロー「なんだと?」

 

マリア「確かに今回の敵は圧倒的戦力。私たち地球人と地球怪獣が経験したことのないくらいの激しい戦争よ…それに貴方の言う通り、地球人と地球怪獣は犬猿の仲、決して足を引っ張らないなんて保証はないわ。でも、だからって私たちは諦めたりしないわ!」

 

これまで幾多の強敵と戦い、世界を救ってきたマリアの言葉には確信があった。

 

調「そうです!例え99%負けるような戦いでも1%の勝機があるなら私たちはそれを掴んで勝利する!」

 

切歌「その勝利をアタシたちはいつもそうして勝利を掴んできたのデス!!」

 

マリアに続くように調と切歌も言う。

 

ユウコ「それと確かに地球人と地球怪獣は犬猿の仲だけど今は少しずつ、お互いに歩み寄り始めています」

 

付け足すようにユウコは地球人と地球怪獣たちが歩み寄りを始めていることを言う。

 

住人「あんたら、いったい…」

 

不思議と説得力のある言葉に戸惑う住人たちはマリアたち4人を見て、1人が聞いてきた。

 

ベロニカ「彼女たちは、国連直轄のタスクフォースS.O.N.G.の者よ」

 

4人の代わりにベロニカが住人たちに答えた。

 

住人A「S.O.N.G.…S.O.N.G.って、あの?」

 

住人B「怪獣王と互角に渡り合ったっていうシンフォギアか?」

 

住人C「ブラックホール第三惑星人や帝国の先遣部隊を追い払ったっていう…」

 

住人D「確か、六王の1人だったサンドロスと先兵のスコーピスを全滅させたって聞いたぞ!」

 

『S.O.N.G.』と聞いて住人たちは騒ぎ出した。

 

どうやら住人たちの間でも初代と2代目の怪獣王(ガウとリル)、そしてシンフォギアのことは知れ渡っているようだった。

 

ブラックホール第三惑星人によるメカゴジラを用いた地球侵略、元宇宙大怪獣帝国軍六王の一角であるサンドロス率いるスコーピス軍団の『第一次地球攻防戦争』、レディベンゼン星人の戦闘ロボット・ウルトラマンシャドーによる地球侵攻作戦など数多くの宇宙人たちの侵略から地球を守り続けているのだからその活躍を鑑みれば納得できる点はある。

 

誰しもが「もしかしたら本当に勝てるのかも」っと淡い希望を持ち始めた時だった。

 

リュグロー「それがどうした!怪獣王と互角に渡り合えるからって、絶対に帝国の連中に勝てる見込みなんざあるかよ!!」

 

だが、リュグローだけは猛反発して叫ぶ。

 

マリア「だからって怖気づいて逃げるなんてこと、私たちはしないわ!」

 

リュグローの反発にマリアは真っ向から撥ね退けるように言う。

 

マリア「帝国軍は確かに強大な国家、これから起こる戦争だって私たちには想像できない…だからと言って大切な人たちから託されたこの力と想いがある限り、私たちはこの星を守らなければならない!例え、どれだけの絶望が待ち受けていようと私たちは僅かな勝機を掴み勝利をものにしてきた!ギリギリの戦いであっても私たちは諦めず、未来(明日)を信じて戦ってきた!これからだってそうよ!!」

 

リュグロー「っ!?」

 

マリアの言葉を聞き、リュグローは自身の中でも「もしかしたら本当に勝てるかもしれない」という希望が芽生え始めたのを感じた。

 

そして周りを見るとリーダーであるリュグローに向けて住人たちの視線が集まっていた。

 

あの日、宇宙大怪獣帝国が自分とベロニカの故郷の星に侵略の時、圧倒的軍事力の前に恐怖で怖じ気づき、仲間と共に逃げ出した。

 

だが、帝国軍の追ってにより数多くの仲間たちが殺された。

 

その中にはリュグローやベロニカの家族もいた。

 

逃げることしか出来なかった。

 

なんとか逃げ切り、自分達のように安住の地を求めて宇宙をさ迷う難民たちと出逢い、この地球へたどり着いた。

 

ようやく安心して暮らせると思っていたのに…しかし今回は今までと違う。

 

それは宇宙怪獣や宇宙人と互角に渡り合える地球怪獣とシンフォギアがいることだった。

 

彼女たちと手を組めばあるいは…。

 

その思いががリュグローに決断させた。

 

リュグロー「……チッ、分かったよ」

 

無愛想に言いながらリュグローは姿を変えた。

 

細身で、メガネを掛け、頭がモジャモジャした髪型の20代後半ぐらいの男性になるとマリアの前まで歩いてきた。

 

リュグロー「お前たちの言葉を信じて手を組んでやる。ただし、ヤバくなったらすぐに逃げるからな」

 

マリア「えぇ、それで構わないわ」

 

リュグローの申し出にマリアは答えると右手を差し出して握手を求めるとリュグローもそれに答えて左手を差し出して固い握手を交わしたのである。


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