戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第691話 未確認艦の能力

弦十郎「未確認の帝国軍艦だと!?」

 

日露の両軍から来た報告を確認して、始めて見る艦に驚いていた。

 

友里「空母の飛行甲板と戦艦の砲塔を備えた艦…」

 

艦橋構造物にシャッターがあり、その先には空母のように航空機の発着に使われる滑走路があり、その上には三連装砲塔を備えているのを確認する。

 

藤尭「帝国軍の新型艦なんじゃ!?」

 

確認された艦を新型ではと予測する。

 

弦十郎「新型艦…どんな能力かは分からんが、ここを死守せねばならん!装者各員は作戦通りに敵駆逐艦を叩んだ!例の高速ミサイルが発射される前にだ!!!!」

 

現れた未確認艦を新型艦と仮定しながら弦十郎は出撃した響たちに伝える。

 

 

 

クリス「新型艦がいるのに作戦の変更は無しかよ…結構きついぞ」

 

いつもの移動用ロケットに乗っているクリスは弦十郎の指示を聞いて呟く。

 

能力が未知数の未確認艦を前に作戦変更は無く、最初の指令通りに駆逐艦を狙い高速ミサイル発射阻止をすることになったからだ。

 

響「大丈夫だよ、クリスちゃん!私たちなら新型艦がいてもへいき、へっちゃらだよ!!」

 

クリスの隣に移動用ロケットに乗っている響が言う。

 

未来「それは響だけだからね?」

 

響と同じ移動用ロケットに乗っている未来が言う。

 

響「あ、はい」

 

未来に言われて響は返事をする。

 

クリス「兎に角、周辺の駆逐艦を叩くぞ!!」

 

響・クリス「「うん!!」」

 

クリスに言われて3人は未確認艦の周辺を固めるバルバスファ級宇宙駆逐艦を叩くために接近する。

 

響たちに気付いたバルバスファ級宇宙駆逐艦が対空戦闘を開始。

 

大型単装ビームカノン砲を発砲する。

 

 

 

響たちとバルバスファ級宇宙駆逐艦が戦闘を始めた時、未確認艦の艦橋ではその報告が上がっていた。

 

レーダー官「艦長、護衛の駆逐艦艦隊が接敵!」

 

?「駆逐艦艦隊が?敵の戦闘機隊はこちらの戦闘機隊と交戦中のはずだけど?」

 

レーダー官の報告に所々跳ねた鮮やかな明るい紅色のショートヘアに、モデルでも通用する容姿の持ち主の女性は聞く。

 

レーダー官「それが相手は鎧を来た地球人3人だそうです!」

 

?「鎧を来た地球人…なるほど、例のシンフォギアね」

 

"鎧を来た地球人"と聞いて女性は護衛の駆逐艦艦隊が相手をしているのがシンフォギアであると見抜く。

 

レーダー官「艦の航空隊を援軍に出しますか?」

 

?「いえ、シンフォギアの相手は駆逐艦艦隊に任せておきなさい。私たちは作戦を遂行する!ハッチを開け!!」

 

女性の指示で未確認艦の艦橋構造物にあるシャッターが開き、中からナチス・ドイツの開発した世界初の実勢配備および実戦を行ったジェット機である『Me 262 シュヴァルベ』に似た姿をした緑色の塗装がされた航空機が出てきた。

 

航空機は翼の両側に4発ずつ計8発のミサイルのようなものを積んでいた。

 

レーダー官「シュラハト、全機発艦準備完了!!」

 

?「全機発艦!!」

 

女性の号令で、宇宙大怪獣帝国軍所属『DDM-88 空間艦上攻撃機 シュラハト』が一機ずつ発艦する。

 

通信官「艦長!航空隊隊長のアメリから通信です!」

 

?「あの子から?何かしら。繋げなさい」

 

『アメリ』という人物から通信があると聞いて女性は繋げさせた。

 

艦橋にあるモニターの一角に女性と似た顔をし、パイロットスーツを着て、ヘルメットを被った少女が映った。

 

?「アメリ、何か用かしら?今は作戦行動中よ」

 

アメリ『いやー、ごめんごめん。少しお姉ちゃんの顔を見たくなって』

 

女性に聞かれてアメリは言う。

 

レネディ 「全く、貴女って子は…皆がいる前は"お姉ちゃん"じゃなくて"レネディ艦長"でしょ?」

 

何度も同じことがあったのか『レネディ・リケラ』は少し呆れながら言う。

 

アメリ『あ、そうだった』

 

姉であり、艦長でもあるレネディに言われて、航空隊隊長『アメリ・リケラ』は気付いた。

 

レネディ「それより、もうすぐ発艦でしょ。早く行きなさい」

 

アメリ『ふえ!?もう!?分かった、行ってくるね!』

 

レネディに言われてもうすぐ自分の発艦の順番が回ってくると気付いてアメリは通信を切る。

 

レネディ「いってらっしゃい、アメリ。必ず帰って来るのよ」

 

暗くなった画面に向かって微笑みながらレネディは妹であるアメリの無事を祈るのだった。

 

 

 

艦の格納庫には紺色に塗装されたシュラハトにアメリは乗り込んでいた。

 

ハッチを閉めて、ベルトで体を固定して発進位置へ愛機を移動させる。

 

アメリ「アメリ・リケラ、発艦するわよ!」

 

発進位置へ到着して愛機と共に発艦する。

 

上空にはすでに発艦した70機近くはいるシュラハトがいた。

 

発艦したシュラハトにアメリ機は合流する。

 

アメリ「全機に通達。これより我が部隊は敵地上部隊指揮所を叩く!全機続け!!」

 

作戦内容を全機に伝えてアメリ機を筆頭に航空機隊は前進する。

 

 

 

レーダー官「全機発艦を確認!」

 

レネディ「ハッチ閉鎖!これより本艦は戦闘形態へ移行する!」

 

シュラハトが全機発艦したのを確認して、レネディはそう指示を出すと飛行甲板部分が左右に開き、中から新たに三連装砲塔が二基を搭載した甲板が競り上がってきた。

 

レーダー官「戦闘形態への移行完了!」

 

レネディ「主砲照準!目標、敵地上部隊!()ぇぇーーッ!!」

 

レネディが指揮する艦、宇宙大怪獣帝国軍所属の戦艦と空母を合わせたハイブリッド艦『ムルファシス級宇宙戦艦空母2199番 ランバルミ』は飛行甲板である空母形態から戦闘甲板である戦艦形態へ変わると4基になった主砲である290mm三連装陽電子カノン砲塔が一斉に火を吹いたのだった。


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