戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

901 / 1219
第686話 流れる涙のワケ

北米大陸戦敗北し、撤退した地球軍。

 

S.O.N.G.は日本国海上自衛隊の派遣されてきた艦隊と共に横須賀の海上自衛隊艦隊基地(旧在日米軍基地)に帰港。

 

響たちは一時帰宅が許され、やってきたリルは響と未来の2人と共にリディアンの寮へ帰宅していた。

 

未来「響、リルくんの様子はどう?」

 

響「うん。泣き疲れたみたいで今寝てる」

 

未来にリルの様子を聞かれた響は泣き疲れて、寮のベッドに寝かせていると言う。

 

未来「そう…」

 

響「リルくん、どうしたんだろう」

 

未来「分からないよ…ん?」

 

リルが心配で仕方ない2人、すると窓の外から気配を感じてカーテンを開けてみた。

 

バトラ「ギャウォオォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

響「どひゃあぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

 

未来「きゃあぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

 

ドアップのように現れた凶悪そうな顔をした巨大な虫ーバトラに響と未来は驚いて、悲声を上げてしまった。

 

ヒオ「す、すみません!驚かせてしまって!!」

 

マナ「わざとではないんです!!」

 

悲鳴を上げてしまった2人に小さな虫に乗った小人の女性ー地球人にとっては地球での先住民にあたる一族『小美人・コスモス』の『ヒオ』と『マナ』の2人が出てきて謝罪を言う。

 

響「ヒオさん、マナさん!?」

 

思わぬ来客(ヒオとマナ)に驚く響と未来。

 

 

 

マナ「突然押しかけてすみません」

 

護衛してくれたバトラを寮の屋根待たせて、ヒオとマナの2人はリビングのテーブルにフェアリーを着地させていた。

 

未来「いえ、構いませんよ。それでお二人はどうしてこちらに?」

 

2人が突然訪ねてきた理由を聞く。

 

ヒオ「はい、お二人はリルを見てませんか?」

 

理由を聞かれてヒオは答えた。

 

響「ふえ?リルくんなら今部屋で寝ていますよ?」

 

ヒオ「やっぱり響さんたちの所にいたんですね」

 

響からそう聞いて、リルが響たちの元に来ていたことをある程度分かっていたのか2人は顔を見合わせて言う。

 

未来「何か知っているんですか?」

 

マナ「実は…」

 

何を知っているかと未来が聞くとマナが話し始めた。

 

 

 

それは米国が無断で発射した反応兵器改良型により北米大陸戦を敗北する羽目になってすぐのことだ。

 

米国の行動に地球怪獣軍団は完全に激怒していた。

 

ラドン「人間どもめ!ふざけた真似を!!」

 

マンダ「この星を守ろうとした我らの軍を巻き込みやがって!!」

 

米国の無断発射した反応兵器改良型により北米大陸戦を敗北し、北米防衛軍団が壊滅してしまったことに激怒しているラドンとマンダは声を荒げ言う。

 

ラドン「王よ!もはや限界です!人間どもとの同盟を解消していただきたい!!」

 

リル「何を言ってるんだ!?そんなの出来るわけ…」

 

ラドンの提案にリルは反対しようとしたが…。

 

マンダ「先に裏切ってきたのは向こうですぞ!北米防衛軍団を囮に、彼ら諸共敵を殲滅しようとしたのですぞ!!」

 

ラドン「しかも、使われたのは反応兵器!それも改良型ですぞ!奴ら、戦いの大義名分を使い更にこの星を苦しめる気ですぞ!!」

 

核並みに環境破壊が深刻となる有害物質を大量に含まれている反応兵器をさらに強化した改良型を使われたために北米防衛軍団は壊滅し、一部の怪獣たちが有害物質により深刻なダメージを負っていた。

 

加えて、反応兵器が着弾したの一部の北米地域が有害物質により汚染され、北米大陸にいた怪獣の一部が住みかを追われ、避難することになっていたのだ。

 

リル「うぅ…あ、アンギラス、お前はどうなんだ?」

 

猛烈に反対するラドンとマンダに圧倒され、唯一の味方であるアンギラスに助けを求めるリル。

 

アンギラス「王よ。残念ながら、私も彼らと同意見です」

 

リル「え!?」

 

思っていたこととは逆の回答を聞いてリルは驚いてしまう。

 

アンギラス「戦死した同胞の中には我が忠臣であるパワードゴモラがおりました。奴の実力は私の跡を継ぐに相応しかった。だが、人間どものくだらんメンツの為に殺された…そのような自己中な奴らとは私も手を組みたくはありませんな」

 

リル「そ、そんな…」

 

唯一の味方であったアンギラスまでもが反対派に回ってしまったことにリルはショックを受けてしまう。

 

アンギラス「人間どもとの同盟解消は軍団全員の総意です。どうか、ご決断を!」

 

反対派に回ったアンギラスはリルに詰め寄って進言する。

 

リル「あ、う…す、少し、時間を頂戴…」

 

圧倒されてしまったリルは何とか言葉を絞り出して言う。

 

アンギラス「………分かりました。ただし、時間はそうありませんぞ」

 

リルに言われ、アンギラスはそう言うのだった。

 

 

 

ヒオ「それで、リルは人間を本当に信じていいのかどうか、分からなくなっているんです」

 

マナ「悩んだリルは多々良島から姿を消してしまったんです」

 

話終えて、ヒオとマナは来た理由を話す。

 

響「じゃあ、あの時の涙って…」

 

未来「人間を…私たちを本当に信じていいのか分からなくなったリルくんの心の涙…」

 

ヒオから話を聞いて、S.O.N.G.本部に急に来て流したリルの涙の意味を悟る2人だった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。