衛生兵A「き、君たちは!?」
マリア「ここは私たちに任せて、貴方たちはリルの手当てを!」
衛生兵B「わ、分かった!」
現れたマリアたちに驚いているがすぐにマリアに言われてその場を任せてその場を急いで離れる。
マリア「さあ、行くわよ!!」
マリアの合図で3人は一斉に動いた。
同時に武装勢力も迎え撃つために、木の陰から出て来ると、一部が援護するように乱射して銃を撃つ。
マリア「はあッ!!!!!!」
弾幕を掻い潜り、マリアは跳躍した。
跳躍してすぐにアームドギアを蛇腹状に変化させると鞭のようにしならせて、下にいた武装勢力の人間たちの武器を破壊する。
武器を破壊されながらも武装勢力の人間たちは着地したマリアに素手で襲い掛かってきた。
マリア「くっ、この!!!」
武器を破壊されればどんな屈強な軍人でも怯むはずなのに、怯まずに襲い掛かってきたことにマリアは一瞬焦ったがすぐに切り替えて、近くまで来ていた1人を蹴り飛ばし、次に近くにいた1人をアームドギアで切って怯ませて蹴り飛ばした。
切歌「行くデスよ、調!」
調「うん、切ちゃん!」
木の陰に隠れながら射撃してくる武装勢力の人間たちを倒そうと切歌と調は弾幕を回避しながら接近する。
接近してくる切歌と調に弾丸が当たらないことに驚きもせずに武装勢力の人間たちは射撃する。
切歌「デエェース!!!!!」
先に着いた切歌が鎌型のアームドギアで木を切り倒し、武装勢力の人間たちを下敷きにする。
調「やあぁーーーーーーーーーーーーッ!!!!」
続けて調がヨーヨー型のアームドギアを放って武装勢力の武器の破壊と同時に頭の両側にあるホルダーを展開して大量の小型丸鋸を雨の如く降らせて武装勢力の手足を傷つけて負傷させる。
武装勢力の人間たちは調の攻撃で傷ついた手足を抑えて痛みの声を上げて倒れこむ。
調「よし」
倒れ込んだのを見て次の目標を定めようとする調。
その時だ、彼女の後ろから手足を負傷して倒れ込んだはずの武装勢力の人間の1人が起き上がってきた。
切歌「し、調、後ろデース!!!!」
背後から近づく武装勢力の人間に気づいた切歌が叫ぶ。
調「え!?」
切歌に言われて振り向いた時にはすでに目の前まで近づかれてしまい、両手で首を掴まれてしまった。
調「あぐっ!?」
首を掴まれた調は振りほどこうとするも掴んでいる人間の力が強いのか微動だにしなかった。
そうしていると掴んでいる人間は首を締めあげたまま調を持ち上げた。
調(なに、コイツ…人間にしては力が……)
調「あぐ…あぁ……」
首を締めあげられて息が出来ず苦しむ調。
切歌「この、調を離せデース!!!」
殺されそうになる調を見て切歌は急いで向かう。
切歌「デスデエェース!!!!!」
跳躍して鎌型のアームドギアを振り上げて、調の首を締めあげる人間の背中を狙う。
だが後ろからまだ動けた武装勢力の1人が切歌に向かって発砲。
放たれた弾丸は切歌のとんがり帽子に命中、カツーンっと甲高い音を立てて弾かれた。
しかし、その衝撃で一瞬だけバランスを崩してしまった切歌は振り下ろしたアームドギアがこともあろうに調の首を絞めている人間の頭に思いっきりグサリと突き刺さってしまい、頭を綺麗に真っ二つにしてしまった。
切歌「デデデェーーーーーーーーーーーーーーーースッ!!!!!!!!!!」
思いっきりホラー映画かスプラッタさながらの有様に、やらかした切歌自身は悲鳴のような声を上げてしまった。
その間に首を締めあげていた手は緩んで調は開放されて地面に落ちる。
調「けほっ、けほっ!はーっ、はーっ!!」
咳き込んで、思いっきり空気を吸い酸素を体に取り込む調。
切歌「し、ししし、調~…」
調に今にも泣きそうな声で切歌が呼ぶ。
調「切ちゃん…」
泣きそうな声でいる切歌を見て調は周囲を見ると目の前にさっきまで自分の首を絞めていた武装勢力の人間の頭を真っ二つにされた死体があった。
調「あー……」
その死体を見て色々察した調。
切歌「ど、どどど、どうすればいいデスか~、このままじゃ凶悪殺人鬼になっちゃうデスよ~!!」
かなり焦っているのか切歌は言う。
調「だ、大丈夫だよ、切ちゃん。これは事故だし、こんな混戦した状態じゃ何が起きるか分からな…」
なだめようと調が言っていると後ろからグジュッ…グジュッ…っと湿った何かが動く音がして振り向くと頭を真っ二つにされた死体の傷口が膨れて何かが這い出てきそうであった。
そう思った瞬間、真っ二つにされた頭が破裂したのと同時に傷口から心臓の様な器官があり、破裂した武装勢力の人間の眼球がぶら下がっているグロテスクな見た目をした何かが現れた。
調「なっ!?!?!?!?!?」
切歌「デデデエェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!?!?!?!?!?!?!?!?」
グロテスクなそれを見て調は驚き、切歌は完全に悲鳴を上げていた。
その声を聞いて、グロテスクなそれは心臓状の器官から先端に刃が付いた触手を展開、展開した触手を鞭のように振り回してきた。
調「うわっ!!!」
切歌「デェス!!!」
触手を調と切歌は急いで回避して距離を取る。
切歌「な、何なんデスか、あの気持ち悪いのは!?」
調「分からない、でも…この人たちは人間じゃないってのだけは分かる!!」
2人が話しているとグロテスクなそれに続くように次々に倒れ込んでいた武装勢力の人間たちが起き上がった。
マリア「切歌、調!」
グロテスクなそれと起き上がった武装勢力の人間たちに構えているとマリアが後ろから合流してきた。
マリアの前方には数十人の武装勢力の人間たちがいて、切歌と調が戦っていたのとで囲まれた状態になっていた。
マリア「かなり苦戦してるみたいね」
調「マリアも…でも、こっちはかなりまずいかも…」
合流したマリアに調は言う。
マリア「え?」
調の言葉を聞いてマリアが調と切歌が見ている方を見るとグロテスクなそれが見えた。
マリア「なによ、あれ!?」
グロテスクなそれを見てマリアは驚く。
切歌「分からないデス、頭を叩き割ったら、急にアレが出てきて…」
出てきた経緯をかいつまんで言う。
マリア「そう…でもコイツら人間じゃいって分かっただけでも収穫は大きいわ」
調「どういうこと?」
それを聞いてマリアは笑うと調が聞いてきた。
マリア「相手が人間だったら私たちは手加減しないといけない。でも、人間じゃいのなら!」
その言葉を聞いて察した切歌と調は互いに顔を見合わせた。
切歌「思いっきりやったるデース!!」
調「うん!」
人間相手でないなら思いっきり攻撃できると察して言う。
マリア「さあ、ここからが逆襲よ!!!」
アームドギアを構えてマリアは言うとそれを合図に一斉に襲い掛かってきた。
ほとんどが素手であるが、グロテスクなそれは先端に刃が付いた触手を前方にしならせるように伸ばして攻撃して歩いてきていた。
マリア「人間じゃないなら、私たちは!」
調「どんな相手でも!!」
切歌「絶対に負けないのデース!!!」
武装勢力の人間たちが人間ではないと分かるなり、マリアはアームドギアを収納した左腕アーマーを砲身に変形させて放つ砲撃『HORIZON†CANNON』、切歌は二つの鎌をクロスさせて、鎖のついた手裏剣に変化させ投擲を行う『
悲鳴を上げてマリアので肉体を消滅、切歌と調の斬撃で細切れにされていく。
マリア「残りは!」
調「アイツだけ!」
周辺の雑魚を倒してマリアたちは最後に残ったグロテスクなそれを見る。
切歌「ドカンと一発かましたるデス!!」
マリア「行くわよ!!」
「「「アマルガム!!!!!!」」」
3人同時にアマルガムを起動させる。
アマルガムを感じたのか、グロテスクなそれは触手を一気に伸ばして刃で突き刺そうとする。
だが、刃はアマルガムとなった調のシュルシャガナの盾型のアームドギアで防がれた。
調「これはさっきのお返し!!」
刃を防いで弾き跳ばすと盾から刃を出してヨーヨーとして放ち、触手を切断した。
しかしグロテスクなそれは武器を失いながらも全く怯む様子は無かった。
切歌「デース!!」
調が触手を切断して、切歌がいくつもの刃が連なってできた鎌型のアームドギアから刃を投擲する。
投擲された刃はすぐに分裂してグロテスクなそれの四肢を貫く。
流石に効いたのかグロテスクなそれは体勢を崩す。
切歌「ぶっ飛べデース!!」
体勢を崩したグロテスクなそれに切歌はアームドギアで空中へ打ち上げるように顔面部分があった所から殴り飛ばした。
マリア「これで、終わりッ!!!!!!!!!!」
空中へ打ち上げられたグロテスクなそれをマリアは竜型となったアームドギアから鮮やかな赤色をした火炎を発射して飲み込んだ。
グロテスクな奴「キシャヤアァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
奇声を上げてそれは体を隅々までに焼かれて灰となって消滅した。
隊員A「す、すげえ…」
隊員B「あれが異世界の…」
隊員C「シンフォギアの力……」
人間ではない敵を瞬時に撃破していったマリアたちの力を目の当たりにして周囲の防衛軍の隊員たちは顎が外れたかのように口が開いていた。
?「流石はシンフォギアと言ったところか。こうも早く全滅させられるなんてな」
『!?』
声と共に聞こえてきた拍手に全員が振り向くと、何度かマリアと交戦したこのある子供とその子供に付き従うように乾いたような薄紫色の皮膚で、大きく横に裂けた口、その口から鋭い牙が見え、常に涎を垂らしており、古い電球のように揺らいで赤く輝く眼球といった醜悪な外観を持つ怪異『リヘナラドール』が現れたのだった。