戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第636話 アジト奇襲作戦

マリア「っ…ここは……?」

 

目を覚ましたマリアが見たのは生い茂る木々の姿だった。

 

自分自身の状況を確かめるとギアは解けていてS.O.N.G.の制服に戻っている。

 

コンバーターユニットは無事で、自分の首からぶら下がっている。

 

周囲を見回して調、切歌の姿はなかった。

 

マリア「いったいどうしてこんなことに…」

 

これまでの経緯を冷静に思い出すマリア。

 

それはパヴァリア光明結社残党錬金術師『キム・ジェイン』逮捕のための作戦を実行した時のことだった。

 

響、翼、クリスの3人がイレギュラーが起きた陸上自衛隊空挺団の一隊の様子を見に行っている時、作戦時間となり残りの空挺団から怪獣軍団へ合図の照明弾が発射。

 

夜空を一時だが昼のように明るくした。

 

壁の向こうから照明弾に気付いたテロ組織の者たちと思われる男たちの声が聞こえてくる。

 

そのすぐ後だった。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

 

ミレニアムゴジラの雄たけびと共に旧朝鮮方面軍の怪獣たちが雄たけびを上げながら一斉にアジト正面に攻撃を開始した。

 

突然の怪獣たちの襲撃に壁の外へ聞こえてくる声だけでもかなり混乱していることがわかる。

 

それでも冷静な判断が出来る者がいたらしく正面を攻撃している怪獣たちに攻撃する銃声の音が聞こえてきた。

 

マリア「リルがうまくやってくれてるみたいね。2人とも、準備はいい?」

 

怪獣軍団が上手く敵の戦力を引き付けてくれているとしてマリアは切歌と調に聞く。

 

調「うん、いつでもいけるよ」

 

切歌「いっちょやったるデース!」

 

マリアに聞かれて元気よく言う2人。

 

マリア「そう。じゃあ、行くわよ!!!」

 

準備万端の2人の返事を聞いてマリアは左腕の手甲から聖剣型のアームドギアを引き抜いたのと同時に蛇腹状にして壁を切ると大穴を開けた。

 

大穴が空いたのと同時に切歌と調が飛び込むように入ると切歌は大鎌型のアームドギアを横に振るうと数枚の刃をブーメランのように放った。

 

放たれた刃はテロ組織の戦闘員たちの手の甲に刺さって銃を持てないようにする。

 

続けて調が髪の両サイドのホルダーから大量の丸鋸を発射、切歌が討ち漏らした戦闘員たちが持っていた銃を弾き、破壊する。

 

戦闘員A「くっ、なんだこいつら!?」

 

戦闘員B「歌いながら戦ってる…例の国連直轄のタスクフォースか!?ぐあっ!!!」

 

どうやらある程度のS.O.N.G.に関する情報があるのか、歌いながら戦っている切歌と調を見て驚いていると別方向から突入した自衛隊空挺団の銃撃で倒れた。

 

さらにヘルダイバーの40mm速射砲による攻撃でテロ組織が保有していた装甲車が破壊されて吹き飛んでいく。

 

戦闘員C「調子に乗るなよ、ガキ共!!!」

 

切歌に向かって1人の戦闘員がロケットランチャーを構えて引き金を引こうとしていた。

 

その時、蛇腹状の刃が真横から飛んできてロケットランチャーを両断した。

 

戦闘員C「なっ!?」

 

ロケットランチャーを両断されて驚いていると後ろから頭を殴られて気を失って倒れた。

 

マリア「ウチの子たちにそんな無粋な物を向けないでくれるかしら?」

 

オカンマリアの冷ややかな目が気を失って倒れている戦闘員へ向けられる。

 

マリア(それにしても妙ね…残党錬金術師がいるはずなのにノイズ怪獣どころかアルカ・ノイズも出してこないなんて。いくら奇襲を受けたからってある程度は出してくるはず、それににげるためならなおさら時間稼ぎとして出してくるはず)

 

今回の逮捕対象であるキム・ジェインはパヴァリア光明結社の幹部の腰巾着と言われているとはいえ一応、残党錬金術師である。

 

なのにノイズ怪獣どころかアルカ・ノイズすら出してこないことにマリアは少し不信感を抱いていた。

 

マリア(もしかして出す必要が無い?だとしたら…)

 

不信感を抱いていた部分からマリアの中である仮定が出てきた。

 

マリア「切歌、調!急いで対象を確保するわよ!!」

 

大声で2人に言うマリア。

 

切歌「ふえ?どうしたんですか、マリア」

 

調「急がなくても周囲は自衛隊が囲んで…」

 

マリア「確証はないけど、目標が自爆する可能性があるわ!急いで探しだすわよ!!」

 

切歌・調「「!?」」

 

マリアの仮定を聞いて切歌と調の中で戦慄が走る。

 

調「でもどうして自爆なんて…」

 

マリア「ノイズ怪獣どころかアルカ・ノイズですら出してこないなんて不自然よ。仮にもパヴァリア光明結社残党錬金術師なら最低でもアルカ・ノイズくらいは持っているものでしょ」

 

調の疑問にマリアは自身が感じていた不信感を伝える。

 

切歌「でもただ単に無かったってこともあるじゃないデスか?」

 

マリア「そう願いたいけどアルカ・ノイズって錬金術でならいくらでも作れるのよ?残党狩りを国家で行ってる国もあるのに持ってないなんて不自然すぎるわ」

 

切歌「た、確かに言えてるデス」

 

ただ単に持っていないにしてもアルカ・ノイズは錬金術でいくらでも作れる、ましてやテロ組織のように過激な組織からしたらアルカ・ノイズほど軍に圧倒的なアドバンテージを得られる戦力は無いのだから今の状況でも投入されてもおかしくはなかった。

 

調「それでどこを探すの?」

 

マリア「手分けして探すわよ。あの建物内にいる可能性が高いわ!突入するわよ!!!」

 

調・切歌「「了解/デース!」」

 

自爆の可能性があるジェインを急いで逮捕するためにマリアの指示でアジトの施設内部へ突入する。

 

施設に入って三手に分かれて捜索を開始した。

 

マリア「本部、こちらマリア!」

 

走りながら施設内に潜伏しているであろうジェインの行方を捜しながらマリアは本部に通信を繋ぐ。

 

友里『こちら本部。どうかしましたか?』

 

本部に通信を繋ぐと友里が応答した。

 

マリア「すぐに自衛隊と怪獣軍団を引き上げさせて!敵が自爆する可能性があるわ!!」

 

友里『それはどういうことですか!?』

 

マリア「敵はアルカ・ノイズすら出してこなかった。私たちならともかく、アルカ・ノイズぐらいなら自衛隊に対しては圧倒的な戦力なはずよ!それを出してこないってことは…」

 

弦十郎『出す必要がないっということだな』

 

マリアの推測に友里に代わって弦十郎が言う。

 

マリア「そういうことよ」

 

弦十郎『なら君たちはどうする!?そのままでは君たちも…』

 

マリア「そうね。そうなったら絶唱してでも脱出して生き残るようにするわ」

 

下手をすれば自爆に巻き込まれてしまう可能性があると言われたマリアはそう言い返した。

 

マリア「とにかく私、切歌、調の3人で自爆の立証とジェイン確保に動くわ。それまでに自衛隊と怪獣軍団を下がらせて」

 

弦十郎『分かった。無茶はするな』

 

マリア「えぇ」

 

自分たちが自爆の可能性を探しつつ、ジェインの捜索をしてい間にもしもの時のために自衛隊と怪獣軍団を下がらせるように具申して弦十郎が了承したのを聞き通信を切る。

 

マリア「さて…」

 

走っていた歩みをマリアは止めて目の前にある扉を見た。

 

扉の隙間から赤い光が漏れているのが見えた。

 

マリア「あからさまって言うほどに怪しいわね。蛇が出るか鬼が出るか…!!!!」

 

怪しいと踏んだ扉をマリアはアームドギアで破壊、中へ突入する。

 

中に入ると巨大な円柱型の機械が赤い光を出しており、コントロールパネルらしき部分を操作しているパヴァリア光明結社特有のフード付きのローブを来た男性がいた。

 

マリア「動かないで!!!」

 

マリアが静止するように言うと男性は操作する指を止めた。

 

マリア「ゆっくりこっちを向きなさい!!」

 

そう言うと男性は振り向いてマリアを見た。

 

男性はブリーフィングで見た『キム・ジェイン』と同じ顔をしていた。

 

マリア「貴方がパヴァリア光明結社残党錬金術師のキム・ジェインね」

 

ジェイン「そうだとしたらどうする?」

 

マリアの問いにジェインは本人だとほのめかすことを言う。

 

マリア「無駄な抵抗は止めて、大人しくしなさい!!!」

 

本人だと確信して、マリアはジェインに投降を呼びかける。

 

ジェイン「ふん、貴様ごときに捕まるくらいなら、こうしてくれるわ!!!!!!」

 

そう言ってジェインは再びパネルの方に向くとパネルを壊さんばかりに殴った。

 

パネルが殴られると警報音と共に円柱型の機械から蒸気が噴出し始めた。

 

マリア「まさか、自爆!?」

 

警報音を聞いてマリアは焦る。

 

ジェイン「全て道連れだぁ!!!!!!」

 

マリア「くっ!!!」

 

ジェインの言動から自爆であると判断したマリアはすぐさま部屋を出た。

 

すぐにジェインを確保したかったが今の状況では明らかに自爆の方が早いと判断したからだ。

 

マリア「本部、本部!目標を見つけたわ!でも自爆装置らしきものを起動させられた!すぐに退避するわ!!」

 

全速力で走りながらマリアは本部に連絡を入れる。

 

その時だ。

 

後ろが明るくなるが見えて振り向くと白い光が迫っていた。

 

マリア「!!!!」

 

迫ってくる光にマリアはどうすることもできず、飲み込まれてしまった。

 

そこからを気を失ってしまい、気づけばここにいたという経緯に辿り着いた。

 

マリア「どこか別の場所に飛ばされたのかしら?それにしては体は無傷…じゃあ、ここは天国、にしては現実的な感覚しか無い…2人は無事なのかしら?」

 

ここがどこでいったいどんな所なのか皆目見当もつかず、頭を抱えるマリア。

 

マリア「考えててもしょうがないわね。まずは行動あるのみ!2人もいるなら探さないと…」

 

立ち上がってとりあえず切歌と調の2人が自分と同じ状況かもしれないと考えて行動を開始しようとした矢先だった。

 

後ろの方で爆発音が聞こえてきた。

 

マリア「今のは何!?」

 

爆発音を聞いてただ事ではないと判断して見晴らしのいい場所を探す。

 

マリア「これは!?」

 

開けた場所に出ると自分が小高い山の山中にいてその下には普通の都会の街並みが広がっていた。

 

その一角でまた爆発が起きた。

 

爆発が起きた場所から1体のロボットが出てきた。

 

ロボットは何かしらの手段で周辺の建物を破壊していた。

 

マリア「レイバー?いえ、それにしては何かが…」

 

出現したロボットに自分の知るレイバーとは違うような気がした。

 

マリア「考えててもしょうがないわ。すぐに向かわないと!」

 

レイバーでないにしろあんな大型のロボットが暴れれば被害は甚大である。

 

自分が動かなければ沢山の人の命が危ぶまれるという思いがあり、すでにマリアの体は町へ向かって走り出していたのだった。




マリア「誰がお母さんよ、誰が!作者、懺悔の用意はいいかしらぁ!」←ロケラン(無限弾装)乱射

いやぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!すんませんでしたぁ!!!!!!!

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