戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第573話 異次元空間を破れ

救援に駆けつけてくれた電磁戦隊 メガレンジャーの活躍で強敵であったネメシス-T型とレイチェルウーズを倒したのも束の間、ヤケを起こしたアサシン・ユニタングの『異次元忍法・次元幽閉』により異次元空間に閉じ込められ、さらにアサシン・ユニタングは正体である『くノ一超獣 ユニタング』となって襲い掛かってきた。

 

 

 

ユニタング「ギイィィィガアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

本性を現したアサシン・ユニタングことくの一超獣 ユニタングは足を上げて踏み潰そうとする。

 

マリア「リル!」

 

リル「かう!がうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

マリアに言われてリルは雄叫びを上げてミレニアムゴジラとなり、皆を踏み潰そうとするユニタングの足を掴んでひっくり返した。

 

浅木「あれが並行世界の王…」

 

ミレニアムゴジラを見て浅木は呟く。

 

自分たちが知る白き王(ゴジラ)ではない別世界の怪獣王(ゴジラ)を見て少々驚いていた。

 

マシュ「ここは危険です!一旦離れましょう!!」

 

マシュに言われて全員その場から一旦離れた。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル」

 

皆が離れて行くのを横目で見ながらミレニアムゴジラはユニタングに構える。

 

ユニタング「ギイィィィガアァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

ミレニアムゴジラが構えてひっくり返されたユニタングが起き上がって雄叫びを上げる。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

起き上がったユニタングにミレニアムゴジラは赤い放射火炎を発射した。

 

だが放射火炎はユニタングに命中する前に四散して消滅、ダメージを与えられなかった。

 

ミレニアムゴジラ「!?」

 

放射火炎がユニタングに当たらずに四散して消滅してしまったのを見て驚く。

 

響「リルくんの火炎が消えた!?」

 

奏「どうなってるんだ!?」

 

響たちもミレニアムゴジラの放射火炎が消滅したのを見て驚く。

 

ユニタング「ふふふふ、ここは異次元空間だと言ったでしょ?ここにいる限り超獣でないお前の攻撃は半減するのよ」

 

異次元空間によりミレニアムゴジラの放った放射火炎はその効力を奪われてしまい、ユニタングに当たらずに四散・消滅させられてしまったのだ。

 

ユニタング「そら、これでも喰らいな!!!!!!」

 

優位になっているユニタングは口から糸を吐き出し、ミレニアムゴジラを絡めとった。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルルッ!!!!!!」

 

絡めとられたミレニアムゴジラは何とか糸を引き千切って脱出しようとするが糸はなかなか切れなかった。

 

ユニタング「無駄だよ!アタシの糸は超獣の中で最も頑丈でしなやかでね!そう簡単には千切れやしないさ!!」

 

そう言ってユニタングは糸を引っ張ってミレニアムゴジラを手繰り寄せる。

 

ユニタング「さあ、このハサミでズタズタに切り裂いてあげるよ!!」

 

ハサミをガチガチさせながらユニタングは言う。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルルル!!!!」

 

ミレニアムゴジラは踏ん張ってはいるがユニタングも超獣である徐々に引き寄せられていく。

 

藤丸「そんなのあり!?」

 

マシュ「これではリルくんが圧倒的に不利です!!」

 

攻撃が半減してしまい、さらにミレニアムゴジラですら引き千切れない糸だということを聞いて藤丸とマシュは言う。

 

マリア「ちょっと、貴方たち戦隊ならロボットの一体や二体、いるんじゃないの!?」

 

メガレンジャーの面々にマリアは言う。

 

メガレッド「そうしたいけど、さっきから久保田のおっさんと連絡が取れねぇんだよ!」

 

メガシルバー「恐らくこの空間自体が強力な電波遮断の性質があるんだろう。それでボイジャーマシンが呼べないんだ」

 

ロボを呼びたくても異次元空間によって電波を遮断されてしまっていて呼べないという。

 

浅木「では打つ手はないのですか?」

 

メガシルバー「いや、この空間内に膨大なエネルギーを発生させればあるいは…」

 

メガイエロー「でも、そんなエネルギーをどうやって…」

 

メガブルー「確かに、この空間だと俺たちの力は半減しちまう…」

 

策はあるが空間の影響で上手くいくか分からなかった。

 

マリア「あるわ。一つだけこの空間でも半減できないエネルギーが」

 

マシュ「それはなんですか?」

 

マリア「絶唱よ」

 

藤丸「絶唱?」

 

聞きなれない言葉に首を傾げて言う。

 

奏「アタシらのシンフォギアにある最大の奥の手さ」

 

響「シンフォギアの歌で増幅したエネルギーを一気に放出し、 対象にクリティカルなダメージを与える大技です」

 

絶唱について簡単に答える奏と響。

 

メガピンク「すごい!それならこの空間も壊せるんじゃないの?」

 

メガレッド「なんで今まで使わなかったんだよ?」

 

マリア「でも、代償で起きるバックファイアはシンフォギアを身に纏い、 強化された肉体であっても負荷を軽減しきれないほどに絶大、下手をすれば死んでしまうわ」

 

使わなかったのでなく、使えなかったとマリアは言う。

 

藤丸「それって結構、危ないんじゃ…」

 

マシュ「はい。まさに諸刃の剣といえる奥の手です」

 

マリア「でも出し惜しみしてもられないわ」

 

響「はい!ここはドカンっと一発!」

 

奏「ブチかますだけだ!!!」

 

ミレニアムゴジラが危機の今、出し惜しみしてられないと言って3人は準備をする。

 

マリア「2人とも、準備はいい?」

 

響・奏「「はい!/おう!」」

 

マリアに聞かれて2人は言うと手を繋いで絶唱を歌う3人。

 

他の面々は衝撃に備えるためにマシュの盾の後ろに避難し、もしもの時はマシュの宝具を発動させることになっている。

 

「「「Gatrandis babel ziggurat edenal…Emustolronzen fine el baral zizzl…Gatrandis babel ziggurat edenal…Emustolronzen fine el zizzl…」」」

 

歌い終わると3人を中心にエネルギーが解き放たれる。

 

マシュ「くっ!!」

 

解き放たれたエネルギーの衝撃にマシュは態勢を崩さないように堪える。

 

堪えるマシュを助けようと藤丸や浅木、メガレンジャーも盾を抑える。

 

ユニタング「な、なんだ!?」

 

解き放たれた絶唱のエネルギーを感じてユニタングは驚く。

 

ミレニアムゴジラ「グルルルル!!!!!!!」

 

絶唱のエネルギーを受けてミレニアムゴジラはそれを吸収して力に変えて糸を掴むと全力で振り回した。

 

ユニタング「な、うわああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」

 

さっきまでとは比べ物にならない力を出してきたミレニアムゴジラにユニタングは驚き、対応できないで振り回される。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

何周かして糸を離してユニタングを投げ飛ばした。

 

自身も一緒に飛ばないように体全身に力を入れて踏みとどまっていると絡みついていた糸が千切れてユニタングのみが飛んで行った。

 

ミレニアムゴジラ「ゴガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

飛んで行ったユニタングにミレニアムゴジラは放射火炎を発射した。

 

絶唱のエネルギーを吸収しているために威力はさっきより強く、ユニタングにも命中するほどだった。

 

ユニタング「うがああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」

 

放射火炎を喰らってユニタングは悲鳴を上げて9つに体を分解されながら爆発した。

 

同時に異次元空間が響たちの繰り出した絶唱に耐えきれなくなり崩壊を始めた。

 

周囲に亀裂が入り、揺れが起きる。

 

そして巨大な亀裂が入った瞬間、周囲が光に包まれてしまった。

 

光が収まるとさっきまでいた資料室の金庫の中であった。

 

違うと言えば、ミレニアムゴジラになっていたリルが元に戻っていた事だった。

 

藤丸「元の場所だ!」

 

マシュ「やりましたね、マリアさ…!?」

 

元の空間に戻ってこれたと言ってマリアたちを見るとその場に倒れていた。

 

浅木「皆さん!」

 

倒れているマリアたちに駆け寄る、藤丸、マシュ、浅木。

 

その後をメガレンジャーも追いかけた。

 

マシュ「しっかりしてください!」

 

響「う、うぅ…今回はかなりきつかったです…」

 

マシュが言うと響が反応して言う。

 

マリア「3人であの空間を壊すほどのエネルギーを出したのよ…」

 

奏「負担ヤバいわ…」

 

どうやら3人ともバックファイアによるダメージはあるものの命に別状は無いようで、口々に言う。

 

藤丸「良かった、無事で!」

 

3人の姿を見て藤丸は嬉しそうに言う。

 

メガレッド「あぁ。本当に良かったぜ」

 

嬉しそうにする藤丸の背後で、メガレッドは何故かドリルセイバーを出すと藤丸の背中に向かって放った。

 

マシュ「!!、先輩危ない!!!!」

 

藤丸「へ?」

 

マシュに言われて振り向くとメガレッドの放ったドリルセイバーが迫っていた。

 

その数秒後、金庫室の空間に何かかが刺さる音と共に赤い鮮血が飛んだのだった。


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