戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第567話 自分に出きること

響「な、アイツは!?」

 

藤丸「生きていた!?」

 

壁を破壊して現れたネメシス-T型に驚く。

 

ネメシス-T型が破壊した壁の奥から数十のゾンビたちが向かってきていた。

 

奏「くっそ!こんな時に敵の増援かよ!!!」

 

レイチェルウーズと戦いながら向かってきているゾンビたちを見て奏は毒づく。

 

ネメシス-T型「スタアァァァァァァァァァァァァァァァァァアッズ!!!!!!」

 

現れたネメシス-T型はリルに狙いを定めると右肩から触手を伸ばしてきた。

 

リル「きゃうっ!!!!!」

 

さっきのウーズにより血液を多量に奪われてまだ回復しきっていない状態のリルにこの攻撃を避ける力は無く、あっさりとネメシス-T型の触手に捕らわれてしまった。

 

奏「リル!くそっ、邪魔だ!!!!」

 

捕らわれたリルを見て奏はアームドギアでレイチェルウーズを殴って引き離そうとするが引き離せなかった。

 

レイチェルウーズ「もっとぉ、あそんでぇぇぇぇえ!!!!!!」

 

狂っているかのようにレイチェルウーズは奇声を発しながら奏に襲い掛かる。

 

奏「気味が悪いんだよ!!!!」

 

奇声を上げながら襲ってくるレイチェルウーズに本音を言いながら何とか引き離そうとする。

 

ネメシス-T型「ウガアァァアアァアアァァァアアアアアアッ!!!!!!」

 

捕えたリルをネメシス-T型は力強く締め付け始めた。

 

リル「ウギャアアァァァァアアァァァァァアアァァァッ!!!!!!」

 

ネメシス-T型の締め付けでリルは悲鳴を上げる。

 

響「リルくん!!!!」

 

リルの悲鳴を聞いて響は叫ぶ。

 

リル「かうぅ…かは…………」

 

ネメシス-T型の締め付けられてリルは少し吐血してぐったりとしてしまった。

 

響「あ、あの野郎ぉッッッッ!!!!!!」

 

ぐったりとしたリルを見て響は怒り、自分のやる事を忘れてネメシス-T型に殴り掛かった。

 

藤丸「ひ、響さん!!!!!!!」

 

響がネメシス-T型に向かっていくのを見て藤丸は呼び止めるが本人にはもう聞こえていなかった。

 

響「どりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」

 

響のドリルパンチがネメシス-T型に迫る。

 

ネメシス-T型「ウガアァアアァァァァァァァアアアアァァァアァアアッ!!!!!」

 

だがネメシス-T型は左手で響のドリルナックルを掴んだ。

 

響「な!?うわッ!!!!!」

 

ドリルナックルを受け止められた響はそのまま壁に叩きつけられてしまった。

 

響「あぐっ!!!!」

 

壁に叩きつけられて響は地面に落ちるがすぐにネメシス-T型に頭を掴まれてしまう。

 

ネメシス-T型「スタアァァァァァァァァァァァァァァァァァアッズ!!!!!!」

 

うねり声を上げながらネメシス-T型は響の頭を握り潰そうと力を入れる。

 

響「うわあぁぁあああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁッ!!!!!!!」

 

頭を握り潰そうとして力を入れたネメシス-T型から脱出しようと響は腕にめがけて殴るが効いておらず、痛みが全身に走る。

 

藤丸「このままじゃ響さんが…浅木さん!銃であの怪物を…」

 

浅木にネメシス-T型を撃って響とリルを助けてほしいと言う藤丸だったが……。

 

浅木「………」

 

浅木はまだゾンビと化した隊長のことを引きずっており、藤丸の声が聞こえていなかった。

 

藤丸「浅木さん!!!!」

 

今度は大声で浅木を呼ぶ藤丸。

 

それに反応して浅木の体がビックとして、藤丸の方を向いた。

 

藤丸「隊長さんがゾンビになってしまったことは私も残念です。でも、今は悲しみに浸っている暇はありません!ほら、見て!今もこうしてる間にも隊長さんやこの基地の自衛隊の人たちがなったゾンビや怪物と戦ってくれてる人がいるんだよ!!」

 

振り向いてきた浅木に藤丸は必死になって戦っているマリアたちを指さして言う。

 

藤丸「正直、私はマシュのマスターのクセに魔術の一つも覚えていない…今すぐ浅木さんの銃を取ってみんなを助けたい。でもそれはそれで違う気がするんだ。上手くは言えないけど、私には私の、浅木さんには浅木さんにしかできない事があると思うんです」

 

数多くの特異点をマシュと旅して、出会いと別れを経て困難な強敵と戦ってきた藤丸だからこその言葉に重みがあった。

 

例え数合わせの一般人枠マスターでも、魔術師でもなくても自分自身に出来る事をっと人類最後のマスター・藤丸 立香はそうしてマシュと共に特異点を、人理を修復してきたのだ。

 

浅木「私にしか…出来ない事……」

 

藤丸の言葉に浅木の心にあった陰りが消えていっていた。

 

浅木「そうですよね…私はこの世界の陸上自衛隊隊員…藤丸さんのように戦えない人たちを護る…そして助けが必要な人の助けとなる…それが今の私の出来る事!!!!」

 

そう自身に言い聞かせるように言うと浅木は小銃の銃口をネメシス-T型へ向けると引き金を引いた。

 

89式5.56mmの弾丸がネメシス-T型の左腕に命中する。

 

しかしネメシスの-T型の筋肉が硬すぎるのか最初の時より効いておらず、響を離そうとしなかった。

 

藤丸「効いてない!!」

 

浅木「だったらそこならどう!!!!」

 

腕に効かないならと浅木はネメシス-T型の顔面に狙いを変えて発砲。

 

その一発がネメシス-T型の左目に命中した。

 

ネメシス-T型「ぎゃあがあぁぁぁあああぁぁぁぁぁあぁぁぁああぁぁぁぁああ!!!!!!!」

 

流石のネメシス-T型も顔面への攻撃の対策はなかったのか怯んで響とリルを離し、左目を抑えながらヨロヨロと出てきた壁の穴に倒れ込んだ。

 

その際、ネメシス-T型が蓋となり穴を通っていたゾンビたちを穴の中に閉じ込めることができた。

 

響「あぐぁ……」

 

ネメシス-T型から解放されて響はさっきまで握り潰されそうになっていた頭を抑えながら立ち上がっていたがその足取りはヨロヨロで今にも倒れそうであった。

 

藤丸「大丈夫ですか、響さん!」

 

ヨロヨロの響を藤丸が支える。

 

響「藤丸さん…ありがとうございます」

 

支えてくれたこに響はお礼を言う。

 

浅木「こちらも無事です。すこし気を失っていますが…」

 

そう言って気を失っているリルを抱えた浅木が来た。

 

響「良かった…」

 

リルが無事であると聞いて響は安心する。

 

奏「ぐあぁぁああぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

 

マリア「うああぁぁあああぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁっ!!!!!」

 

マシュ「きゃあああぁぁぁぁあああぁぁああぁぁあぁぁぁぁあっ!!!!!」

 

『!?!?!?』

 

奏、マリア、マシュの悲鳴を聞いて見ると3人がレイチェルウーズとウーズの舌に噛み付かれそうになっていた。

 

浅木「この子をお願いします!」

 

3人の危機に浅木はリルを響に預けると小銃の銃口を最初にレイチェルウーズに向けて発砲した。

 

発射された弾丸はレイチェルウーズの背中に命中する。

 

レイチェルウーズ「い゛だぃ゛よ゛ぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!」

 

背中に弾丸を喰らって悲鳴のような声を上げるレイチェルウーズは奏に近づけていた舌をしまい、離れた。

 

奏「今だ!!!!!」

 

離れたレイチェルウーズに奏は渾身の力をアームドギアの先端に込めた。

 

奏「アタシの槍、受けてみろ!!!!!」

 

穂先を回転させた槍が生み出す竜巻で周囲の空間を吹き飛ばす『LAST∞METEOR』を繰り出してレイチェルウーズを出てきた部屋まで吹き飛ばした。

 

浅木「よし、次!!!」

 

レイチェルウーズを奏が吹き飛ばしたのを見て浅黄は今度はマリアとマシュに舌を伸ばす通常のウーズに狙いを定めた。

 

浅木(頭を狙っても死なないら他の部分はどうかしら!!)

 

頭を攻撃しても立ち上がって襲ってくるウーズに浅木は腕部や胸部などに向かって発砲した。

 

何発か外れるが跳弾でマシュ、直撃でマリアのウーズの腕部にそれぞれ命中した。

 

ウーズ「「!?!?」」

 

腕部に弾丸を喰らって2体のウーズが怯んで舌をマリアとマシュから逸らした。

 

マリア・マシュ「「今ッ!!!!」」

 

浅木の援護でチャンスを見つけた2人はそれぞれのウーズを蹴り飛ばし、自身から離した。

 

マリア「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」

 

アームドギアの短剣を蛇腹状に変化させての多角的な斬撃『EMPRESS†REBELLION』を繰り出して2体のウーズをバラバラにした。

 

マシュ「やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」

 

更にバラバラになったウーズをマシュが盾でプレスして止めを刺した。

 

マリア「ふぅ…なんとかなったわね…って言いたいけど今はここを急いで離れるわよ!」

 

ウーズを倒してゆっくりと行きたかったがすぐそばにはまだダウンしているとはいえいつ起き上がるか分からないネメシス-T型がいた。

 

そんな所ではゆっくりしたくともできないからだった。

 

マリアに言われて全員が頷い来た方向へ戻り、その場を後にするのだった。


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