戦姫絶唱シンフォギア PROJECT G   作:ダラケー

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第558.5話 新たな火蓋

それは一般人の人が住んでいる区画より少し郊外に海上自衛隊所属の空母に似ている艦『いずも型護衛艦2番艦 かが』が停泊している海上自衛隊呉港基地にて起きた。

 

その日の夜、定時の海洋パトロールを終えて呉に向かって1隻のイージス艦が入港していた。

 

副官「定時パトロール終了ですね、艦長」

 

イージス艦の艦橋にて副官の男性が艦長に言う。

 

イージス艦艦長「あぁ。隊員たちの様子はどうだ?」

 

副官「ワタリガラス様方が四天王の1人を倒してくれたので士気は高いです。これなら例の作戦も実行可能かと」

 

イージス艦艦長「そうだな。士気が高い今なら…ん?」

 

副官「どうかされましか?」

 

イージス艦艦長「基地の明かりが見えない」

 

副官「え?」

 

艦長が言って副官は近くに置いてあった双眼鏡を向けてみる。

 

主要施設だけでなく、灯台の灯りすら点いておらず基地は真っ暗であった。

 

副官「なぜ灯りすら…」

 

宿舎など灯りが点いていないことはよくあるが主要施設まで灯りが点いていないのは不自然であった。

 

その時だ、基地の一角に閃光が瞬いたかと思いきやイージス艦の艦首が爆発、大きな揺れが発生した。

 

イージス艦艦長「被害報告!」

 

揺れで倒れないように踏ん張りながら被害の状況を聞く。

 

隊員A「左舷艦首に被弾!火災が発生中!」

 

隊員の1人が爆発した艦首を見て言う。

 

副官「い、いったい何が!?」

 

イージス艦艦長「分からん!だがこの海域に留まるのは不味い!操舵手長!面舵いっぱい!艦を反転させて湾から離れるんだ!!」

 

混乱している副官にそう言って艦長は言うと指示を出す。

 

操舵手長「了解!面舵いっぱい!!」

 

艦長の指示を聞いて舵を握っていた操舵手が舵をきる。

 

イージス艦が反転すると基地の一角に閃光が瞬いた瞬間、何かが発光しながらイージス艦に迫る。

 

閃光が瞬いた瞬間に艦長は艦内用の通信機を取り出す。

 

イージス艦艦長「対空防御!対空ミサイル発射!!」

 

艦首にある単装砲の後ろにある枡形が開き、中から艦対空ミサイルが発射、イージス艦に迫っていた何かに向かっていき爆発した。

 

イージス艦と基地の間にある海上に巨大な火の玉が辺りを照らす。

 

副官「な、なんだあれは!?」

 

ミサイルが爆発で起きた火の玉で周囲が明るくなって副官が基地の方を見て驚いて声を上げた。

 

基地の方には大柄な体、顔がやや面長、鼻が横に歪む形で残っており、心臓を彷彿させるシルエットをした制御装置らしき機械が胸に装着さ、上半身は黒い防火コートというより大量の拘束具のような衣装を身に纏い左手にロケットランチャーを持っている人型の怪物がいた。

 

イージス艦艦長「奴が犯人か!記録は録ったか!」

 

隊員B「はい!録れました!!」

 

イージス艦艦長が言うと記録用のカメラを持っていた隊員が言う。

 

イージス艦艦長「よし!機関長、機関最大!全速力でこの湾から脱出する!!」

 

機関長にそう指示を出したがエンジンが逆に止まってしまった。

 

イージス艦艦長「誰が止めろと言った!?機関最大だ!」

 

少し怒って再度言うが返事が無かった。

 

イージス艦艦長「機関長?聞いているのか?おい、機関室!誰かいないのか!」

 

艦長がそう言った瞬間、艦橋の扉が乱暴に引き抜かれるように破壊された。

 

『!?』

 

破壊された扉を見て全員の注目を集めた。

 

そこには身体は半ば溶け崩れつつ水死体のように白くふやけ、眼球が存在しない頭部、トゲ付き鉄球のように変質した手などの異質な外観を持った怪物たち。

 

それを率いるかのように

 

入ってきた怪物たちより一回りデカくて赤く、また片目が無く、右腕が二股に分かれている女型の怪物が入ってきた。

 

女型の怪物「みぃつけたぁ…きゃははははっ。わたしのぉ…ごちそぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうぅぅ!!!!」

 

狂ったのように女型の怪物が言うと艦橋にいる者たちに襲い掛かった。

 

艦橋にそこにいた人間たちの叫び声、壁には赤い液体がビッチャリと付いて汚したのだった。


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